回路解析(交流回路・線形回路・過渡現象)
フェーザと複素数によるインピーダンス・アドミタンス、直列・並列RLC回路と共振・Q値・帯域幅、有効電力・無効電力・皮相電力と力率改善、複素負荷への最大電力供給、三相交流のY結線とΔ結線、節点解析と網目解析、重ね合わせの理、交流のテブナンの定理とノートンの定理、従属電源、2端子対回路のZパラメータ、RC・RL・RLC回路の過渡現象と減衰係数、ラプラス変換によるs領域の回路解析、伝達関数と極、初期値・最終値の定理と部分分数分解、RCフィルタの周波数応答を、回路図つきの計算問題を中心とした3択問題で学べます。
回路解析(交流回路・線形回路・過渡現象)の要点
「電気回路・電磁気の基礎」で学んだオームの法則やキルヒホッフの法則を土台に、大学の電気電子系の1〜2年で学ぶ回路理論へ一歩進むのがこの分野です。交流の電圧や電流をフェーザ(複素数)で表すと、コイルやコンデンサを含む回路も、直流と同じように連立一次方程式で解けるようになります。スイッチを入れた直後の過渡現象は、微分方程式やラプラス変換で解き、時定数や減衰係数で応答の速さと振動の様子を読み取ります。
ここでは、インピーダンスとアドミタンス、直列・並列RLC回路の共振とQ値・帯域幅、有効電力・無効電力・皮相電力と力率改善のコンデンサ、共役整合による最大電力、三相交流のY結線とΔ結線の電圧・電流・電力を計算で確かめます。線形回路では、節点解析と網目解析、重ね合わせの理、テブナンの定理とノートンの定理(交流や従属電源を含む場合も)、2端子対回路のZパラメータを扱います。過渡現象では、コンデンサの電圧とコイルの電流の連続性から初期値と最終値を決め、RC・RL回路の時定数、RLC回路の過減衰・臨界減衰・減衰振動、s領域の等価回路と初期値の電源、伝達関数の極、初期値・最終値の定理、部分分数分解による逆変換を学びます。多くの問題には回路図があり、交流と過渡現象の問題の解説では、複素数・フェーザ図・微分方程式・ラプラス変換・時定数の目安など、複数の解き方を並べて示しています。第三種電気主任技術者試験(電験三種)の「理論」の電気回路や、大学の回路理論の演習に役立ちます。計算問題の値は、誤りの選択肢の値も含めて、Pythonで計算して確かめています。オームの法則や電磁気は「電気回路・電磁気の基礎」、オペアンプやフィルタの回路は「アナログ・電子回路」、ブロック線図・ボード線図・安定判別は「制御工学の基礎」、z変換とデジタルフィルタは「デジタル信号処理の基礎」、整流回路やインバータは「パワーエレクトロニクス回路」の分野で扱います。
回路解析(交流回路・線形回路・過渡現象)の問題一覧(40問)
- 正弦波交流電圧 v(t) = 100√2 sin(ωt + π/6) [V] を、実効値を大きさとするフェーザ(極形式)で表したものはどれか。
- インピーダンスが Z = 3 + j4 [Ω] の負荷のアドミタンス Y はどれか。
- 図の並列RLC回路で、抵抗R、コイルL、コンデンサCに流れる電流の実効値が、それぞれ IR = 4 A、IL = 5 A、IC = 2 A であった。電源から流れ出る電流 I の実効値はどれか。
- 図の並列RLC回路で、電源の周波数を共振周波数 f0 = 1/(2π√(LC)) に合わせたときの性質として正しいものはどれか。
- 図(b)のように、平衡三相負荷が各相のインピーダンス Z = 30 Ω のΔ結線になっている。線電流が同じになる図(a)のような等価なY結線に置き換えたときの、各相のインピーダンスはどれか。
- 図の直列RLC回路で、R = 10 Ω、ωL = 30 Ω、1/(ωC) = 20 Ω、電源電圧の実効値 V = 100 V である。回路に流れる電流 I の実効値と、電源電圧に対する位相の組み合わせとして正しいものはどれか。
- 図の直列RLC回路で、R = 10 Ω、L = 10 mH、C = 1 µF とし、実効値1 Vの正弦波電圧の周波数を共振周波数に合わせた。コンデンサの両端の電圧 VC の実効値はどれか。
- ある負荷の電圧と電流のフェーザ(実効値)が V = 100∠0° V、I = 5∠−30° A であった。この負荷の無効電力の大きさはどれか。
- 抵抗 R = 8 Ω と、リアクタンス X = 6 Ω のコイルを直列に接続した負荷に、実効値100 Vの正弦波電圧を加えた。負荷の有効電力はどれか。
- 図のように、有効電力8 kW、力率0.8(遅れ)の誘導性負荷に、コンデンサCを並列に接続して、電源から見た力率を1にしたい。コンデンサが供給すべき無効電力の大きさはどれか。
- 図のように、有効電力8 kW、力率0.8(遅れ)の誘導性負荷にコンデンサCを並列に接続して、電源から見た力率を0.96(遅れ)に改善したい。コンデンサが供給すべき無効電力に最も近いものはどれか。
- 線間電圧200 V(実効値)の平衡三相電源に、図(b)のように各相が20 Ωの抵抗のΔ結線負荷を接続した。線電流の実効値に最も近いものはどれか。
- 線間電圧200 V(実効値)の平衡三相電源に、図(a)のように各相のインピーダンスが Z = 8 + j6 Ω のY結線負荷を接続した。三相全体の有効電力に最も近いものはどれか。
- 図のように、テブナンの等価電圧 Vth = 10 V(実効値)、内部インピーダンス Zth = 3 + j4 Ω の交流回路の端子a-bに、負荷インピーダンス ZL をつなぐ。ZL の抵抗分とリアクタンス分を自由に選べるとき、負荷で消費される電力の最大値に最も近いものはどれか。
- 図(a)のRCローパスフィルタに、角周波数 ω = 10/(RC) の正弦波を入力した。入力に対する出力の振幅の比(利得)に最も近いものはどれか。
- 図(b)のRCハイパスフィルタに、角周波数 ω = 1/(RC) の正弦波を入力した。入力に対する出力の振幅と位相の関係として正しいものはどれか。
- 図(a)の回路で、R = 10 Ω、使う角周波数でのコンデンサのリアクタンスを 1/(ωC) = 10 Ω、入力電圧を vin = 10∠0° V(実効値)とする。出力端子から見たテブナンの等価回路の内部インピーダンス Zth はどれか。
- 図の並列RLC回路で、R = 20 kΩ、L = 1 mH、C = 10 nF である。共振周波数の付近で、回路のインピーダンスの大きさが共振時の 1/√2 になる2つの周波数の差(帯域幅)に最も近いものはどれか。
- 図の回路で、E = 12 V、R1 = 4 Ω、R2 = 12 Ω、電流源 J = 2 A(節点Aへ流れ込む向き)である。グラウンドを基準とした節点Aの電圧 VA はどれか。
- 図の回路で、E = 12 V、R1 = 4 Ω、J = 2 A である。R2 を取り外し、R2 をつないでいた2つの端子(節点Aとグラウンド)から見たテブナンの等価回路(等価電圧 Vth と等価抵抗 Rth)はどれか。
- 図の回路で、E = 12 V、R1 = 4 Ω、R2 = 12 Ω、J = 2 A である。R1 に流れる電流の大きさと向きとして正しいものはどれか。
- 図の回路で、E1 = 14 V、E2 = 7 V、R1 = 2 Ω、R2 = 1 Ω、R3 = 4 Ω である。網目電流 I1、I2 を図の向きにとって網目解析で解いたとき、R3 に流れる電流の大きさはどれか。
- 図の回路には、R1 に流れる電流 i に比例した電圧 r·i(r = 3 Ω)を発生する電流制御電圧源がある。E = 10 V、R1 = 2 Ω のとき、端子a-bから見たテブナンの等価抵抗 Rth はどれか。
- 2つの電源を含む線形回路で、重ね合わせの理を使い、電源を1つずつ働かせた結果を足し合わせて求めることができないものはどれか。
- 2つの直流電圧源 E1、E2 だけを電源とする線形の抵抗回路で、ある抵抗の電圧 Vo を測った。E1 = 1 V、E2 = 0 V のとき Vo = 2 V、E1 = 0 V、E2 = 1 V のとき Vo = −1 V であった。E1 = 3 V、E2 = 2 V のときの Vo はどれか。
- 図のT形回路を2端子対回路とみて、R1 = 2 Ω、R2 = 3 Ω、R3 = 6 Ω のときのZパラメータ(V1 = z11 I1 + z12 I2、V2 = z21 I1 + z22 I2)の組み合わせとして正しいものはどれか。
- 図のRC回路で、充電されていないコンデンサに t = 0 でスイッチを入れて直流電圧Eを加えた。時定数を τ = RC とするとき、t = 5τ でのコンデンサの電圧 vC は最終値Eの約何%か、最も近いものはどれか。
- 図のRC回路で、E = 10 V、R = 10 kΩ、C = 100 µF で、コンデンサは最初は充電されていない。t = 0 でスイッチを入れてから2秒後のコンデンサの電圧 vC に最も近いものはどれか。
- 図のRC回路で、E = 10 V、R = 2 kΩ、C = 1 µF とし、コンデンサは最初に図の + 側が高くなる向きに4 Vに充電されている。t = 0 でスイッチを入れてから時定数 τ だけたったときの電流 i に最も近いものはどれか。
- 図のRL回路で、E = 12 V、R = 6 Ω、L = 3 H で、最初は電流が流れていない。t = 0 でスイッチを入れてから時定数 τ だけたったときの、コイルの両端の電圧 vL に最も近いものはどれか。
- 図の回路で、E = 12 V、R1 = 2 Ω、R2 = 4 Ω で、コンデンサとコイルには最初はエネルギーが蓄えられていない。t = 0 でスイッチを入れた直後の電流 i(0+) と、十分に時間がたった後のコンデンサの電圧 vC の組み合わせとして正しいものはどれか。
- 図の直列RLC回路で、L = 1 mH、C = 0.1 µF である。ステップ応答が振動せずに最も速く最終値に近づく臨界減衰になる抵抗Rの値はどれか。
- 図の直列RLC回路で、L = 1 mH、C = 0.1 µF、R = 50 Ω である。減衰係数 ζ と、ステップ応答の種類の組み合わせとして正しいものはどれか。
- 図の直列RLC回路で、L = 1 mH、C = 0.1 µF、R = 50 Ω である。ステップ応答に現れる減衰振動の周波数に最も近いものはどれか。
- 図の直列RLC回路で、R = 5 Ω、L = 1 H、C = 0.25 F である。回路の特性方程式の根と、ステップ応答の種類の組み合わせとして正しいものはどれか。
- 図の直列RLC回路で、E = 6 V、R = 4 Ω、L = 1 H、C = 1/3 F とし、初期値はすべて0とする。t = 0 でスイッチを入れた後の電流 i(t) [A] はどれか。
- 抵抗Rとコンデンサ C を並列に接続した回路の、s領域のインピーダンス Z(s) はどれか。
- 図(a)のRCローパスフィルタで、R = 1 kΩ、C = 1 µF である。伝達関数 H(s) = Vout(s)/Vin(s) の極はどれか。
- 時刻 t = 0 に電圧 V0 に充電されているコンデンサ C を、初期値を含めてs領域の回路で表す方法として正しいものはどれか。
- ある回路の電圧のラプラス変換が V(s) = 10(s + 3)/(s(s + 2)(s + 5)) であった。十分に時間がたった後の電圧 v(∞) はどれか。
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