波長620 nmの光の光子1個がもつエネルギーに最も近い値はどれか。(E [eV] ≈ 1240 / λ [nm])
- A約1.0 eV
- B約3.0 eV
- C約2.0 eV
LEDやレーザーの発光波長と、受光素子が感じられる波長の限界は、材料のバンドギャップでおおよそ決まります。バンドギャップを入れると波長を、波長を入れると必要なバンドギャップを計算します。
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帯の目盛りは nm で、対数で描いています。可視光はおよそ380〜750 nm、光通信でよく使う波長は1310 nmと1550 nm付近です。上の色の帯は、可視光のときのおおよその色です。
λ [nm] = hc/(q·Eg[eV]) ≈ 1239.84/Eg で計算しています。プリセットのバンドギャップは温度300 Kでの代表的な物性値です。実際の発光波長は、発光スペクトルの幅、温度、混晶の組成、量子井戸の閉じ込めなどで数nm〜数十nmずれます。間接遷移の材料は発光が弱く、ふつうはLEDに使われません。
ほかの入力は今の値のまま、選んだ入力だけを今の値の1/4〜4倍の範囲で変えたときの結果です。赤い点が今の値です。
光子1個のエネルギーは E = hν = hc/λ です。プランク定数 h = 6.626×10⁻³⁴ J·s、光速 c = 2.998×10⁸ m/s、電気素量 q = 1.602×10⁻¹⁹ C を入れて単位を eV と nm にそろえると、E[eV] × λ[nm] ≈ 1239.84 となり、λ ≈ 1240/Eg と覚えられます。半導体で伝導帯の底の電子が価電子帯の頂上の正孔と再結合して光を出すとき、光子のエネルギーはほぼバンドギャップに等しいので、この式で発光波長の目安がわかります。受光素子では逆に、1240/Eg より長い波長の光は吸収されず、これが感度の限界(カットオフ波長)になります。
光子のエネルギーがバンドギャップに等しい、つまり伝導帯の底と価電子帯の頂上の間の遷移だけを考えています。実際のLEDの発光ピークは、キャリアの熱エネルギー(kT程度)の分だけ少し高いエネルギー側に出て、幅を持ちます。温度が上がるとバンドギャップは小さくなり、波長は長い方へずれます。InGaNやAlGaAsのような混晶では組成でバンドギャップが変わり、量子井戸では閉じ込めのエネルギーが加わるため、同じ材料名でも発光波長は製品ごとに違います。
既定値のGaAs(Eg = 1.42 eV)では λ ≈ 1239.84/1.42 ≈ 873 nm で、近赤外のLEDなどに使われる波長です。Si(1.12 eV)は約1107 nmで、シリコンの受光素子が約1.1 µmより長い波長をほとんど感じない理由がわかります。GaN(3.4 eV)は約365 nmの紫外で、青色LEDではInを混ぜたInGaNでバンドギャップを約2.7 eVまで下げ、約460 nmの青を出します。逆に、光通信の1550 nmに対応するバンドギャップは約0.80 eVで、InPの上に作るInGaAsPなどの混晶が使われます。
プリセットのバンドギャップは、半導体の教科書や物性値の便覧に載っている、温度300 Kでの代表的な物性値です(Si 1.12、Ge 0.66、GaAs 1.42、InP 1.34、In₀.₅₃Ga₀.₄₇As 0.75、GaP 2.26、4H-SiC 3.26、GaN 3.4、ZnO 3.37、ダイヤモンド 5.47、AlN 6.2 eV)。文献によって小数第2位程度の違いがあります。直接遷移と間接遷移の区別も代表的な分類です。換算の定数 1239.84 eV·nm は、物理定数 h、c、q の値から求めたものです。
プランク定数と光速の積を電気素量で割った hc/q = 1.23984×10⁻⁶ eV·m を、nm の単位に直した値です。光子のエネルギー(eV)と波長(nm)の積が常に約1240になる、という関係を表しています。
シリコンは間接遷移型で、伝導帯の底と価電子帯の頂上で電子の運動量が違うため、光を出すにはフォノン(格子振動)の助けが必要です。その確率が低く、熱になる再結合の方が先に起こるので、発光はとても弱くなります。光を吸収する方はフォノンを介して起こるので、受光素子やイメージセンサーには使えます。
多くの白色LEDは、青色LED(約450〜460 nm)の光で黄色の蛍光体を光らせ、混ぜて白に見せています。この式で計算できるのは青色LEDの部分で、蛍光体の発光は別の仕組みです。
バンドギャップ 直接遷移型 間接遷移型 GaAs(ガリウムヒ素) GaN(窒化ガリウム) InP(リン化インジウム) ワイドバンドギャップ半導体 混晶半導体 Cバンド Oバンド