解像度の式 R = k1 × λ / NA にもとづき、解像度を向上させる(Rを小さくする)方法として正しいものはどれか。
- A露光波長を短くし、開口数(NA)を大きくする
- B露光波長を長くし、NAを小さくする
- C露光波長を長くし、NAを大きくする
波長、レンズの開口数(NA)、プロセスの難しさを表すk1を入れると、1回の露光で描ける最小の線幅(ハーフピッチ)と焦点深度を計算します。目標のピッチを入れると、1回で描けるか、何回に分けて描く必要があるかも分かります。
1なら1回の露光で描けます。2以上なら、ダブルパターニングなどで何回かに分けて描く必要があります(分割数は目安で、実際の工程はSADPやSAQPなども使います)。
| 光源 | λ | NA | ハーフピッチ | 焦点深度 |
|---|
NAは各世代でよく使われる最大級の値です。液浸露光の焦点深度は、液体の屈折率の効果を考えない簡易式での値です。
ほかの入力は今の値のまま、選んだ入力だけを今の値の1/4〜4倍の範囲で変えたときの結果です。赤い点が今の値です。
1回の露光で解像できる最小の寸法は R = k1 × λ / NA で表されます。λは光の波長、NAはレンズがどれだけ広い角度の光を集められるかを表す開口数、k1は照明やマスク、レジストの工夫でどこまで限界に近づけるかを表す係数です。線と間隔が同じ幅で並ぶパターンでは、理論上の限界は k1 = 0.25 で、量産では0.28〜0.4程度がよく使われます。解像度を上げるには、波長を短くするか、NAを大きくするか、k1を小さくするしかありません。
焦点が合っているとみなせる高さ方向の範囲が焦点深度で、DOF = k2 × λ / NA² で見積もられます。NAを大きくすると解像度はNAに反比例して良くなりますが、焦点深度はNAの2乗に反比例して浅くなります。例えば波長13.5 nmのEUVでNAを0.33から0.55に上げると、解像度は約1.7倍になる一方、焦点深度は約2.8分の1になります。ウエハの平坦さやレジストの厚さに厳しい要求が出るのはこのためで、CMPによる平坦化やレジストの薄膜化が重要になります。
露光の光源は、水銀ランプのg線(436 nm)、i線(365 nm)から、エキシマレーザのKrF(248 nm)、ArF(193 nm)へと短波長化してきました。ArFでは、レンズとウエハの間を水で満たしてNAを1を超える1.35まで高めた液浸露光が実用化され、k1 = 0.28 ならハーフピッチ約40 nmまで描けます。それより細かいパターンは、複数回に分けて描くマルチパターニングか、波長13.5 nmのEUVで作ります。EUVのNA 0.33では、k1 = 0.4 でハーフピッチ約16 nm、NA 0.55のHigh-NA EUVでは約10 nmになります。
同じ装置でもk1を小さくできれば、より細かいパターンを描けます。そのための技術には、マスクのパターンを光の回り込みを見越して補正するOPC(光学近接効果補正)、光の位相を反転させてコントラストを上げる位相シフトマスク、マスクを斜めから照らす変形照明(斜入射照明)、高コントラストのレジストなどがあります。ただしk1が0.25に近づくほど、寸法のばらつきや欠陥が増えやすく、工程の余裕は小さくなります。
NA 1.35、k1 = 0.28 とするとハーフピッチは約40 nm、ピッチで約80 nmです。それより細かいパターンは、ダブルパターニングなどのマルチパターニングで作ります。
焦点深度はNAの2乗に反比例して浅くなります。NAを0.33から0.55に上げると、同じ波長・k2で焦点深度は約2.8分の1になります。
同じ幅の線と間隔が並ぶパターンを1回の露光で描く場合、k1の理論的な限界は0.25です。実際の量産では、工程の余裕を確保するため0.28〜0.4程度で使われます。
開口数(NA) 焦点深度(DOF) 液浸露光 EUV露光 High-NA EUV マルチパターニング OPC(光学近接効果補正) 位相シフトマスク