問題管理とは

もんだいかんり

1件以上のインシデントの原因となっている根本原因(問題)を突き止め、恒久的な対策によって再発を防ぐことを目的とするプロセス。起きたインシデントから原因を調べる事後的な活動と、インシデントの傾向を分析してまだ起きていない障害を防ぐ予防的な活動がある。根本原因や回避策が分かったものの対策が終わっていない問題は、既知のエラーとして記録し、サービスデスクなどと共有する。対策でシステムを変えるときは変更管理を通す。

「問題管理」は、2分野の4問の練習問題に出てきます(サービスマネジメントとシステム監査, ソフトウェア開発とプロジェクト管理など)。

この用語の分野: サービスマネジメントとシステム監査

問題と既知のエラー

問題管理では、インシデントの背後にある、まだ分かっていない根本原因を「問題」と呼びます。同じ現象のインシデントが繰り返し起きているときや、影響の大きいインシデントが起きたときに、問題として登録して調べます。調査で根本原因が特定されたか、回避策が分かったものの、恒久的な対策がまだ終わっていない問題を「既知のエラー」と呼び、回避策とともに記録します。サービスデスクは、この記録を使って同じインシデントにすぐ対応できます。

原因を調べる方法

根本原因を調べるときは、インシデントの記録、ログ、構成管理の情報(直前に何が変わったか)を突き合わせ、起きた順番を時系列に並べます。「なぜ」を繰り返して原因をたどる方法、特性要因図で原因の候補を洗い出す方法、件数の多いものから並べるパレート図で取り組む対象を絞る方法などが使われます。原因が分かったら、恒久的な対策を検討し、システムの変更が必要なら変更管理に変更の要求を出します。

事後的な活動と予防的な活動

起きてしまったインシデントをきっかけに原因を調べるのが事後的(リアクティブ)な問題管理です。これに対して、インシデントの記録や監視のデータの傾向を分析し、まだ大きな障害になっていない兆しを見つけて先に手を打つのが予防的(プロアクティブ)な問題管理です。例えば、ある機種のディスクの交換が増えていることに気づいて、計画的に交換するのは予防的な活動です。

問題管理の練習問題に挑戦

問題管理でいう「既知のエラー」の説明として、適切なものはどれか。

  1. A根本原因が特定されたか、または回避策が分かっている問題で、恒久的な対策がまだ終わっていないもの
  2. B利用者の操作の誤りによって起きたインシデントで、利用者への説明によって解決したもの
  3. C開発の段階で見つかり、リリースの前に修正とテストが終わって、本番環境には残っていない不具合
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正解:A. 根本原因が特定されたか、または回避策が分かっている問題で、恒久的な対策がまだ終わっていないもの

問題管理では、1件以上のインシデントの原因となっている、まだ分かっていない根本原因を「問題」として扱います。調査によって根本原因が特定されたか、回避策が分かったものの、恒久的な対策がまだ終わっていない問題を「既知のエラー」と呼び、回避策とともに記録してサービスデスクなどと共有します。こうしておくと、同じインシデントが起きたときに回避策ですぐに対応できます。

あるファイルサーバが、週に数回、同じエラーで応答しなくなり、そのたびに運用の担当者が再起動して回復させている。問題管理の観点から、適切な対応はどれか。

  1. A再起動すれば回復するので問題としては扱わず、そのつど再起動を続ける
  2. B原因が分からないまま、担当者の判断で本番のサーバの設定を次々に変えて様子を見る
  3. C一連のインシデントを問題として登録して根本原因を調べ、恒久的な対策は変更管理を通して実施する
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正解:C. 一連のインシデントを問題として登録して根本原因を調べ、恒久的な対策は変更管理を通して実施する

同じインシデントが繰り返し起きているときは、根本原因が残っていると考えられるので、問題として登録して調べます。根本原因が分かるまでの間は、再起動を回避策として記録し、既知のエラーとして共有します。恒久的な対策でサーバの設定やプログラムを変えるときは、変更管理で影響とリスクを評価し、承認を受けてから実施します。

よくある質問

回避策で業務が回っていれば、問題管理は不要ですか?

いいえ。回避策は一時的な手段で、根本原因が残っているかぎり同じインシデントが繰り返し起き、そのたびに手間と業務への影響が生じます。回避策を既知のエラーとして記録したうえで、恒久的な対策の費用と効果を比べ、対策を行うかどうかを判断します。

問題管理で見つけた対策は、すぐに本番環境に適用してよいですか?

本番環境の変更は、変更管理を通して、影響とリスクを評価し、承認を受けてから実施します。根本原因に対する対策でも、評価なしに適用すると、新しい障害を招くおそれがあります。

解説の中の「問題管理」

「問題管理」が出てくる問題(4問)

  1. 問題管理でいう「既知のエラー」の説明として、適切なものはどれか。
  2. あるファイルサーバが、週に数回、同じエラーで応答しなくなり、そのたびに運用の担当者が再起動して回復させている。問題管理の観点から、適切な対応はどれか。
  3. ITサービスマネジメントで、繰り返し起こる障害について根本原因を調べ、恒久的な対策によって再発を防ぐことを主な目的とするプロセスはどれか。
  4. サービスデスクが、利用者から「経費精算システムで、領収書の画像を添付すると送信ボタンが反応しない」と連絡を受けた。同じ現象は既知のエラーとして登録されており、「画像を別の登録画面から先に登録すれば送信できる」という回避策が記録されている。インシデント管理の対応として、最も適切なものはどれか。

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