インシデント管理とは

いんしでんとかんり

障害などでITサービスが止まったり品質が下がったりしたとき(インシデント)に、回避策も使って、できるだけ早くサービスを通常の状態に戻し、業務への影響を小さくすることを目的とするプロセス。受付と記録、分類と優先度の決定、調査と解決、必要に応じたエスカレーション、利用者への確認とクローズの順に進める。根本原因を突き止めて再発を防ぐのは問題管理の役割である。

「インシデント管理」は、2分野の3問の練習問題に出てきます(サービスマネジメントとシステム監査, ソフトウェア開発とプロジェクト管理など)。

この用語の分野: サービスマネジメントとシステム監査

対応の流れ

インシデントは、サービスデスクへの連絡や監視の通知で見つかります。まず受け付けて記録し、内容を分類して、影響度と緊急度から優先度を決めます。既知のエラーに回避策が記録されていれば、それを使ってすぐに業務を再開できるようにします。サービスデスクで解決できないものは、専門の技術チームへ引き継ぐ機能的エスカレーションを行い、目標時間を超えそうなときや影響が大きいときは、上位の管理者へ報告する階層的エスカレーションを行います。解決したら、利用者にサービスが戻ったことを確かめてからクローズします。

優先度の決め方

優先度は、影響を受ける利用者や業務の範囲の大きさ(影響度)と、どれだけ早く解決しなければならないか(緊急度)を組み合わせて決めるのが一般的です。例えば、全社の受注業務が止まる障害は影響度も緊急度も高く、最も高い優先度になります。一人の利用者の画面の表示の乱れで、業務は続けられる場合は、優先度は低くなります。受付の順番や、連絡してきた人の役職で決めるのではありません。

記録が役に立つ理由

インシデントの記録には、発生と解決の時刻、影響の範囲、使った回避策、関連する構成アイテムなどを残します。これらを集計すると、SLAで約束した解決時間を守れているかを報告でき、同じ原因のインシデントが繰り返していないかを分析できます。繰り返しているものは問題として登録し、問題管理で根本原因を調べます。

インシデント管理の練習問題に挑戦

サービスデスクが、利用者から「経費精算システムで、領収書の画像を添付すると送信ボタンが反応しない」と連絡を受けた。同じ現象は既知のエラーとして登録されており、「画像を別の登録画面から先に登録すれば送信できる」という回避策が記録されている。インシデント管理の対応として、最も適切なものはどれか。

  1. A根本原因が分かって恒久的な対策が終わるまで、利用者には経費精算の操作を待ってもらうよう依頼する
  2. Bサービスデスクの担当者が原因を推測し、本番環境のプログラムをその場で修正して再発を防ぐ
  3. C記録されている回避策を利用者に案内して業務を続けられるようにし、インシデントを記録して既知のエラーと関連付ける
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正解:C. 記録されている回避策を利用者に案内して業務を続けられるようにし、インシデントを記録して既知のエラーと関連付ける

インシデント管理の目的は、サービスをできるだけ早く通常の状態に戻し、業務への影響を小さくすることです。既知のエラーに回避策が記録されていれば、それを案内して利用者が業務を続けられるようにします。インシデントを記録して既知のエラーと関連付けておくと、発生の件数が分かり、恒久的な対策の優先度を判断する材料になります。根本原因の解決は問題管理が、本番環境の修正は変更管理を通して行います。

よくある質問

インシデント管理と問題管理はどう違いますか?

インシデント管理は、起きている障害からサービスをできるだけ早く回復させることを目的とし、原因が分からなくても回避策で業務を再開させます。問題管理は、インシデントの根本原因を突き止め、恒久的な対策で再発を防ぐことを目的とします。急いで回復させる活動と、時間をかけて原因を取り除く活動を分けて管理します。

情報セキュリティのインシデント対応とは関係がありますか?

情報セキュリティのインシデント(不正アクセスやマルウェアの感染など)も、ITサービスの品質や安全を損なう出来事で、考え方は共通します。ただし、証拠の保全や関係機関への報告など特有の手順があるため、多くの組織ではCSIRTなどの専門のチームが対応し、インシデント管理の手順と連携させます。

解説の中の「インシデント管理」

「インシデント管理」が出てくる問題(3問)

  1. サービスデスクが、利用者から「経費精算システムで、領収書の画像を添付すると送信ボタンが反応しない」と連絡を受けた。同じ現象は既知のエラーとして登録されており、「画像を別の登録画面から先に登録すれば送信できる」という回避策が記録されている。インシデント管理の対応として、最も適切なものはどれか。
  2. ITサービスマネジメントで、繰り返し起こる障害について根本原因を調べ、恒久的な対策によって再発を防ぐことを主な目的とするプロセスはどれか。
  3. インシデントへの対応の優先度を決める考え方として、適切なものはどれか。

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