期待値とは

きたいち

確率的に決まる量が平均としてとる値。とりうる値それぞれに、その値が出る確率を掛けて足し合わせて求める。例えば、サイコロの目の期待値は (1 + 2 + … + 6) ÷ 6 = 3.5 である。和の期待値は期待値の和になる(期待値の線形性)という性質があり、互いに独立でない量どうしでも成り立つ。損失の期待値による対策の比較や、意思決定、待ち行列の平均の計算などに使われる。

「期待値」は、6分野の9問の練習問題に出てきます(確率・統計と待ち行列, 信頼性, 情報セキュリティの基礎など)。

この用語の分野: 確率・統計と待ち行列

期待値の練習問題に挑戦

故障率が100 FITの部品を10,000個使ったとき、1年間(約8,760時間)に故障する数の期待値に最も近いものはどれか。(1 FIT = 10⁹時間あたり1件の故障)

  1. A約900個
  2. B約9個
  3. C約0.009個
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正解:B. 約9個

100 FITは、10⁹時間あたり100件、つまり1時間あたり10⁻⁷件の故障率です。10,000個 × 8,760時間 = 8.76 × 10⁷ 個・時間 なので、故障数の期待値は 8.76 × 10⁷ × 10⁻⁷ ≈ 8.8個、約9個になります。約900個は故障率を10⁻⁵/時間と、約0.009個は10⁻¹⁰/時間と取り違えた値です。多数の部品を使うシステムでは、小さなFITでも故障数は無視できません。

1本50円のくじが1,000本あり、1万円の当たりが1本、1,000円の当たりが10本で、ほかははずれである。くじ1本あたりの賞金の期待値はどれか。

  1. A−30円
  2. B11円
  3. C20円
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正解:C. 20円

期待値は、それぞれの値にその値が出る確率を掛けて足したものです。1万円の確率は1/1,000、1,000円の確率は10/1,000なので、10,000 × 1/1,000 + 1,000 × 10/1,000 = 10 + 10 = 20円です。くじの代金50円を引くと、1本あたりの損得の期待値は −30円になります。

解説の中の「期待値」

「期待値」が出てくる問題(9問)

  1. 故障率が100 FITの部品を10,000個使ったとき、1年間(約8,760時間)に故障する数の期待値に最も近いものはどれか。(1 FIT = 10⁹時間あたり1件の故障)
  2. 1本50円のくじが1,000本あり、1万円の当たりが1本、1,000円の当たりが10本で、ほかははずれである。くじ1本あたりの賞金の期待値はどれか。
  3. 1個の製造に300円かかるチップを作る。良品は1個500円で売れ、不良品は売れずに捨てる。良品になる確率が80%のとき、製造したチップ1個あたりの利益の期待値はどれか。
  4. 10個のキーを、100個のバケットを持つハッシュ表に入れる。各キーは、それぞれ独立に、100個のバケットのどれかに等しい確率で割り当てられるとする。2つのキーの組のうち、同じバケットに割り当てられる組の数の期待値はどれか。
  5. 10分おきにバスが来る停留所に、時刻表を見ずに、でたらめな時刻に着く。待ち時間は0分から10分までの一様分布に従うとする。待ち時間の期待値と、待ち時間が3分以下になる確率の組合せとして、正しいものはどれか。
  6. ある情報システムで、1回起きると2000万円の損失が出る事故が、年に0.1回の頻度で起きると見積もられている。年間50万円の費用がかかる対策を行うと、発生の頻度が年に0.02回に下がる。この対策による1年あたりの正味の効果(損失の期待値の減少額から対策の費用を引いたもの)はいくらか。
  7. ある作業の所要日数を三点見積もりで見積もったところ、楽観値が4日、最可能値が7日、悲観値が16日だった。PERTの式で求めた所要日数の期待値はどれか。
  8. 新しい製造ラインへの投資を検討している。大規模投資(投資額10億円)では、需要が大きい場合(確率0.6)に25億円、小さい場合(確率0.4)に8億円の収入が見込まれる。小規模投資(投資額4億円)では、需要が小さい場合の収入は7億円で、需要が大きい場合は、そのままなら12億円の収入だが、その時点で5億円を追加投資すると収入が22億円になる。収入から投資額を引いた利益の期待値が最大になる方針をとるとき、その期待値はどれか。
  9. モデルの誤差を、バイアス(偏り)とバリアンス(ばらつき)に分けて考えるとき、適切なものはどれか。

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