ゲイン余裕(利得余裕)とは

げいんよゆう

一巡伝達関数の位相が −180° になる周波数(位相交差周波数)で、ゲインが0 dBより何dB低いかを表す量。ループのゲインをあと何倍にすると不安定になるかを示し、例えばゲイン余裕が約9.5 dBなら、ゲインを3倍にすると安定限界に達する。位相余裕と組み合わせて安定の余裕を表し、サーボ系では10〜20 dB程度が目安とされる。

「ゲイン余裕(利得余裕)」は、2分野の4問の練習問題に出てきます(制御工学の基礎, アナログ・電子回路など)。

この用語の分野: 制御工学の基礎

ゲイン余裕(利得余裕)の練習問題に挑戦

一巡伝達関数のボード線図から読み取る、ゲイン余裕と位相余裕の説明として正しいものはどれか。

  1. Aゲイン余裕はゲインが0 dBになる周波数での位相の −180° までの差、位相余裕は位相が −180° になる周波数でのゲインの0 dBまでの差である
  2. Bゲイン余裕は位相が −180° になる周波数でのゲインの0 dBまでの差、位相余裕はゲインが0 dBになる周波数での位相の −180° までの差である
  3. Cゲイン余裕も位相余裕も、閉ループのボード線図で、ゲインが −3 dBになる周波数で読み取る
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正解:B. ゲイン余裕は位相が −180° になる周波数でのゲインの0 dBまでの差、位相余裕はゲインが0 dBになる周波数での位相の −180° までの差である

ゲイン余裕は、位相が −180° になる位相交差周波数で、ゲインが0 dBより何dB低いかを表します。位相余裕は、ゲインが0 dBになるゲイン交差周波数で、位相が −180° まであと何度あるかを表します。どちらも、一巡伝達関数が点 −1(ゲイン0 dB、位相 −180°)にどれだけ近いかを表す指標で、閉ループではなく一巡伝達関数から読み取ります。サーボ系では、ゲイン余裕10〜20 dB、位相余裕40〜60°程度がよく目安にされます。

一巡伝達関数 L(s) = 2/(s(s + 1)(s + 2)) のゲイン余裕に最も近いものはどれか。

  1. A約4.8 dB
  2. B約9.5 dB
  3. C約15.6 dB
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正解:B. 約9.5 dB

位相は −90° − tan⁻¹ω − tan⁻¹(ω/2) で、2つの角の和が90°になる条件 ω × (ω/2) = 1 から、位相が −180° になるのは ω = √2 rad/s のときです。そこでのゲインは |L(j√2)| = 2/(√2 × √3 × √6) = 1/3 なので、ゲイン余裕は 20 log₁₀3 ≈ 9.5 dBです。ゲインを3倍(K = 6)にすると限界に達することになり、ラウス・フルビッツの安定判別法で求めた安定の範囲 0 < K < 6 と一致します。

解説の中の「ゲイン余裕(利得余裕)」

「ゲイン余裕(利得余裕)」が出てくる問題(4問)

  1. 一巡伝達関数のボード線図から読み取る、ゲイン余裕と位相余裕の説明として正しいものはどれか。
  2. 一巡伝達関数 L(s) = 2/(s(s + 1)(s + 2)) のゲイン余裕に最も近いものはどれか。
  3. 負帰還増幅回路が発振せずに安定に動作するかを判断する指標はどれか。
  4. ナイキストの安定判別法の説明として正しいものはどれか。

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