積分ワインドアップとは

せきぶんわいんどあっぷ

操作量がアクチュエータの上限や下限で飽和している間も、PID制御の積分項が偏差を積み重ね続けて過大になる現象。偏差の符号が変わっても、ためこんだ積分が減るまで操作量が飽和したままになり、大きなオーバーシュートや長い振動を起こす。飽和中は積分を止める条件付き積分(クランプ)、制限前と制限後の差を積分に戻すバックカリキュレーション、速度形のPIDの使用などのアンチワインドアップで防ぐ。

「積分ワインドアップ」は、1分野の2問の練習問題に出てきます(制御工学の基礎など)。

この用語の分野: 制御工学の基礎

積分ワインドアップの練習問題に挑戦

積分ワインドアップの説明として正しいものはどれか。

  1. A微分項が雑音を増幅して、操作量が細かく振動し続ける現象で、微分にローパスフィルタを入れると防げる
  2. B積分の計算でサンプリング周期を長くしすぎたために、定常偏差が残り続ける現象
  3. C操作量が上限に張り付いている間も積分項が偏差を積み重ね続けるため、偏差の符号が変わってもしばらく操作量が下がらず、大きなオーバーシュートが起こる現象
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正解:C. 操作量が上限に張り付いている間も積分項が偏差を積み重ね続けるため、偏差の符号が変わってもしばらく操作量が下がらず、大きなオーバーシュートが起こる現象

モータの電圧やバルブの開度のように、操作量には上限と下限があります。大きな偏差が続いて操作量が上限で飽和すると、操作量はそれ以上増えないのに、積分項は偏差を積み重ね続けて大きな値になります。制御量が目標値を超えて偏差の符号が変わっても、ためこんだ積分の値が減るまで操作量は上限に張り付いたままなので、大きなオーバーシュートと長い振動が起こります。対策として、飽和している間は積分を止めたり、積分の値を制限したりするアンチワインドアップが使われます。

マイコンで位置形のPI制御を実装し、PWMのデューティ比(0〜100%)を操作量とする。積分ワインドアップの対策として正しいものはどれか。

  1. A飽和している間は比例ゲインを大きくして、早く飽和から抜け出させる
  2. B積分項を浮動小数点数で計算すれば桁あふれが起きないので、特別な対策はいらない
  3. C出力が飽和している間は、偏差が飽和を深める向きなら積分を止めるか、制限した値との差を積分に戻して、積分の値を抑える
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正解:C. 出力が飽和している間は、偏差が飽和を深める向きなら積分を止めるか、制限した値との差を積分に戻して、積分の値を抑える

1つ目の方法は条件付き積分(クランプ)で、出力が飽和していて、偏差がさらに飽和を深める向きのときは積分を更新しません。2つ目はバックカリキュレーションで、制限する前の計算値と実際に出した値の差に係数を掛けて積分に戻し、積分の値を引き戻します。操作量の変化分を計算する速度形のPID制御では、出力を制限するだけでワインドアップが起こりにくくなります。整数の固定小数点で計算するときは、積分の変数そのものの桁あふれにも、飽和演算などで備えます。

解説の中の「積分ワインドアップ」

「積分ワインドアップ」が出てくる問題(2問)

  1. 積分ワインドアップの説明として正しいものはどれか。
  2. マイコンで位置形のPI制御を実装し、PWMのデューティ比(0〜100%)を操作量とする。積分ワインドアップの対策として正しいものはどれか。

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