HTOL(高温動作寿命試験)とは

えいちとる

製品を高温で電圧をかけて長時間動作させ、チップの寿命や故障率を加速して評価する信頼性試験。例えば125 ℃前後で1000時間行う条件が代表的。

「HTOL(高温動作寿命試験)」は、1分野の4問の練習問題に出てきます(信頼性など)。

この用語の分野: 信頼性

HTOLで評価するもの

HTOLはHigh Temperature Operating Lifeの略で、製品を高い温度に置き、電源電圧をかけて信号を入れながら長時間動作させ、故障が起きないかを調べる試験です。温度と電圧で劣化を加速し、実使用の何年分にもあたるストレスを短い時間で加えます。対象は、ゲート絶縁膜の経時絶縁破壊(TDDB)、BTIによるしきい値電圧の変動、配線のエレクトロマイグレーションなど、チップそのものの劣化と潜在的な欠陥です。試験の途中と終了後に電気的特性を測り、規格外れや機能の不良がないかを確かめます。

代表的な試験条件

代表的な条件は、接合温度125 ℃前後、電源電圧は最大動作電圧かそれをやや上回る値、試験時間1000時間です。JEDECの規格(JESD22シリーズ)ではこうした条件が代表的で、車載用のAEC-Q100では、例えば3ロットから77個ずつを1000時間試験して故障0を求め、温度グレードによってはより高い温度で行います。消費電力の大きな製品は自己発熱で接合温度が上がりすぎるため、炉の温度を下げたり個別に温度を制御したりして、狙いの温度に合わせます。途中の168時間や500時間などで取り出して測定し、劣化の進み方も確認します。

HTOL・バーンイン・HASTの違い

バーンインは、出荷する製品のすべてまたは多くに短時間の高温・高電圧のストレスをかけ、初期故障を起こしやすい個体を取り除く選別(スクリーニング)です。HTOLは、抜き取った試料に長時間のストレスをかけて、製品の設計と製造工程が狙いの寿命と故障率を満たすかを確かめる認定のための試験で、試験した個体は出荷しません。HASTは湿度と圧力を加えてパッケージの耐湿性を見る試験で、乾いた高温で動作させるHTOLとは対象の故障が異なります。初期故障率は、HTOLより短い時間で多くの個数を試験するELFRなどで別に評価します。

結果から故障率を見積もる

HTOLの結果は、アレニウスモデルで温度の加速係数を、電圧のモデルで電圧の加速係数を見積もり、実使用の条件での時間に換算します。例えば活性化エネルギーを0.7 eVと仮定すると、125 ℃での1時間は55 ℃でのおよそ80時間に相当します。故障0の結果からは、カイ二乗分布を使って、決めた信頼水準での故障率の上限をFITで求めます。ただし活性化エネルギーは故障メカニズムごとに異なり、仮定した値によって換算結果が大きく変わるため、結果は目安として扱います。

HTOL(高温動作寿命試験)の練習問題に挑戦

HTOLでは加えるが、高温放置試験では加えないストレスはどれか。

  1. A高い温度
  2. B高い湿度
  3. C電源電圧などの電気的なバイアス
答えと解説を見る

正解:C. 電源電圧などの電気的なバイアス

高温放置試験(HTS)は、電圧をかけずに製品を例えば150 ℃程度の高温に長時間置き、前後で電気的特性を比べる試験です。HTOLは高温で電源電圧をかけて動作させるため、TDDBやエレクトロマイグレーションなど電界や電流で進む劣化も加速しますが、高温放置試験では温度だけで進む劣化を切り分けて評価できます。代表的な対象は、ワイヤボンディングの接合部での金属間化合物の成長とボイドによる抵抗の増加や剥がれ、不揮発性メモリのデータ保持、封止樹脂などの材料の劣化です。湿度と電圧を同時に加えるのは高温高湿バイアス試験(THB)です。

よくある質問

HTOL試験は何の略ですか?

High Temperature Operating Lifeの略で、日本語では高温動作寿命試験と呼びます。高温で電圧をかけて動作させ続け、チップの寿命と故障率を加速して評価します。

HTOLとバーンインの違いは何ですか?

バーンインは出荷する製品から初期故障品を取り除く選別で、短時間で多くの個体に行います。HTOLは抜き取った試料で長期の寿命を確かめる認定試験で、試験した個体は出荷しません。

HTOLの試験時間はどのくらいですか?

1000時間がよく使われる目安で、途中の168時間や500時間などで測定します。温度や電圧、時間は、適用する規格や製品の温度グレード、顧客との取り決めで決まります。

解説の中の「HTOL(高温動作寿命試験)」

「HTOL(高温動作寿命試験)」が出てくる問題(4問)

  1. HTOLでは加えるが、高温放置試験では加えないストレスはどれか。
  2. 製品を高温で長時間動作させ、寿命や故障率を評価する代表的な信頼性試験はどれか。
  3. スマートフォンなどの携帯機器で、はんだ接合部の信頼性の評価として特に重視される試験はどれか。
  4. ESD(静電気放電)の耐性を評価する試験モデルで、「帯電した人がICの端子に触れたときの放電」と「IC自体が帯電していて端子が金属に触れたときの放電」の呼び方の組み合わせとして正しいものはどれか。

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