高温高湿バイアス試験(THB)とは
こうおんこうしつばいあすしけん
一般に85 ℃・85%RHの高温高湿の環境で電圧をかけ、パッケージに侵入した水分による腐食やリーク電流の増加を評価する信頼性試験。85/85試験とも呼ばれる。
「高温高湿バイアス試験(THB)」は、2分野の4問の練習問題に出てきます(信頼性, 車載半導体と機能安全など)。
この用語の分野: 信頼性
こうおんこうしつばいあすしけん
一般に85 ℃・85%RHの高温高湿の環境で電圧をかけ、パッケージに侵入した水分による腐食やリーク電流の増加を評価する信頼性試験。85/85試験とも呼ばれる。
「高温高湿バイアス試験(THB)」は、2分野の4問の練習問題に出てきます(信頼性, 車載半導体と機能安全など)。
この用語の分野: 信頼性
THBはTemperature Humidity Biasの略で、製品を恒温恒湿槽に入れ、大気圧のもとで一般に85 ℃・85%RHの環境に置き、電圧をかけたまま1000時間程度保ちます。樹脂で封止したプラスチックパッケージは気密ではないため、水分は封止樹脂の中や、樹脂とリードフレームの界面に沿って少しずつチップまで侵入します。そこに電圧がかかっていると電気化学反応が進み、故障が加速されます。試験の前後や途中で電気的特性を測り、リーク電流の増加や機能の不良がないかを確かめます。
主な対象は、アルミニウムのボンディングパッドや配線の腐食です。塩化物などのイオン性の汚染物が水分に溶けると、腐食が大きく進みます。電圧のかかった隣り合う導体の間では、金属がイオンとして溶け出して移動し、樹枝状に析出して短絡を起こすイオンマイグレーションも起こります。パッシベーション膜のひびや欠陥は水分の通り道になり、封止樹脂とチップやリードフレームの間の剥離は侵入を速めます。チップの表面やパッケージの表面に沿ったリーク電流の増加も評価の対象です。
HAST(高度加速ストレス試験)は、圧力容器の中で110〜130 ℃程度の不飽和水蒸気を使い、湿度による故障をTHBより強く加速します。よく使われる130 ℃・85%RHで96時間のHASTは、85 ℃・85%RHで1000時間のTHBの代わりとして使われます。HASTは短期間で結果が得られる一方、温度が高いため、封止樹脂の性質が変わるなど実使用では起こらない故障を招くおそれもあります。THBは温度が低く実際の環境に近いぶん時間がかかります。どちらを使うかは、適用する規格や顧客との取り決めで決めます。
バイアスは、隣り合う端子の間にできるだけ電圧がかかり、しかも消費電力が小さくなるようにかけます。チップが発熱すると表面の温度が上がって相対湿度が下がり、水分による故障が起こりにくくなってしまうためです。そのため、電源とGNDを端子に交互に割り当てたり、間欠的に電圧をかけたりする方法が使われます。試験結果から実使用の寿命を見積もるには、湿度の項を相対湿度のべき乗(指数は3前後)で表し、温度の項をアレニウス型で表すPeckモデルなどを使います。
温度85 ℃・相対湿度85%の試験条件のことです。THBはこの条件で電圧をかけながら1000時間程度行うことが多く、85/85試験とも呼ばれます。
どちらも高温高湿で電圧をかけますが、THBは85 ℃・大気圧で1000時間程度かけるのに対し、HASTは110〜130 ℃程度の加圧した水蒸気を使い、約100〜300時間で同等の評価を行います。
チップが発熱すると周りの水分が追い出されて表面の相対湿度が下がり、湿度による腐食やイオンマイグレーションが起こりにくくなるからです。電圧はかけつつ発熱は小さくなるように、バイアスの条件を決めます。
THBは85 ℃/85%RHで1000時間程度、HASTは130 ℃前後の加圧した水蒸気で水分の侵入を加速し、約100時間程度の短い時間で耐湿性を評価します。
高温高湿バイアス試験(THBやHAST)で主に評価する故障はどれか。高温高湿バイアス試験などの結果から、実際の使用条件での寿命を推定するのに使われます。
温度に加えて、湿度や電圧などの複数のストレスの影響を含めて寿命の加速を表す、熱力学にもとづくモデルはどれか。湿度と電圧を同時に加えるのは高温高湿バイアス試験(THB)です。
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