ポジ型とネガ型フォトレジストの違い:反応・解像度・用途を比較

フォトレジストは、回路のパターンを載せる、光に反応する塗膜です。ポジ型では、光が当たった部分が溶けやすくなり、現像液で流れるので、パターンはマスクと同じになります。ネガ型では、光が当たった部分が硬化して残るので、パターンはマスクと逆になります。チップの微細なパターニングではポジ型が主流で、ネガ型は、厚い膜や特別な断面形状が必要なところで使われます。

項目ポジ型レジストネガ型レジスト
光の効果光が当たった部分が溶けやすくなり、現像液で除去される光が当たった部分が不溶になり(架橋)、残る
マスクとの関係同じ極性。レジストのパターンはマスクをそのまま写す逆の極性。マスクの透明な部分にレジストが残る
解像度高い。微細なパターンに向く従来は低め。現像液で膨潤することがあるため
現像液多くはアルカリ水溶液(TMAHなど)従来は有機溶剤。現代のレジストのネガ型現像(NTD)でも溶剤を使う
側壁の形状わずかに傾斜〜ほぼ垂直アンダーカット(えぐれた形)にでき、リフトオフに向く
主な材料ノボラック樹脂とジアゾナフトキノン(DNQ)の溶解抑止剤。KrF、ArF、EUV用の化学増幅型のポリマー環化ゴムとビスアジド(古い材料)。厚いMEMS構造用のエポキシ系SU-8
厚い膜あまり使わない向いている。SU-8は、高アスペクト比の背の高い構造を作れる
主な用途現代のほぼすべてのICのリソグラフィMEMS、リフトオフ、プリント基板、実装用の厚い層、先端ノードの一部の特殊な層

数値は代表的な目安で、世代や製品によって異なります。

どんなときに使うか

ポジ型
ICの製造の標準です。解像度と、パターン転写の制御のしやすさが最も重要なとき。
ネガ型
非常に厚く背の高い構造、リフトオフの形状、特定のマスクの極性が必要なとき。

よくある質問

ポジ型レジストは、露光するとどうなりますか?

光が当たった部分が溶けやすくなり、現像液で溶けるので、レジストのパターンはマスクをそのまま写します。

なぜ微細なパターンにはポジ型が好まれるのですか?

解像度が高いからです。ネガ型は、従来、現像液で膨潤することがありました。

ネガ型レジストはどんなときに使いますか?

厚く背の高い構造(MEMSのSU-8など)、アンダーカットの形状が必要なリフトオフ、一部の特殊な層に使います。

化学増幅型レジストとは何ですか?

露光で酸が生じ、その酸がベーク中に多くの化学反応を引き起こすので、少ない光の量で足りるレジストです。KrF、ArF、EUVのリソグラフィで使われます。

理解度チェック

ポジ型フォトレジストの説明として正しいものはどれか。

  1. A露光した部分が現像後に残る
  2. B露光した部分が現像で溶けて除去される
  3. C露光の有無に関係なく現像ですべて溶ける
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正解:B. 露光した部分が現像で溶けて除去される

ポジ型レジストは、露光された部分が現像液に溶けやすくなり、現像で除去されるため、マスクで光を遮った部分のパターンが残ります。i線用のノボラック樹脂系や、KrF・ArF用の化学増幅型が代表的で、アルカリ性の現像液(TMAH水溶液)で現像します。解像性に優れるため現在の主流です。露光した部分が残るのはネガ型で、写真のネガ・ポジと同じ考え方です。

フォトレジストの説明として正しいものはどれか。

  1. Aウエハを固定するための接着剤
  2. B配線に使う金属
  3. C光が当たると性質が変わり、現像液に溶けやすくなったり溶けにくくなったりする感光性の材料
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正解:C. 光が当たると性質が変わり、現像液に溶けやすくなったり溶けにくくなったりする感光性の材料

フォトレジストは、光によって化学的な性質が変わる感光性の樹脂で、厚さ数十nm〜数µmに塗ります。ポジ型は光が当たった部分が現像液に溶け、ネガ型は光が当たった部分が溶けずに残ります。パターンを写すだけでなく、その後のエッチングやイオン注入から下地を守るマスクの役割もあるため、解像性・感度・エッチング耐性を両立させる材料設計が重要で、日本企業が高いシェアをもつ分野です。

化学増幅型レジストの特徴として正しいものはどれか。

  1. A露光しなくても現像で溶ける
  2. B光ではなく熱だけで反応する
  3. C露光で発生した酸が、露光後ベーク(PEB)で触媒として働き、少ない露光量で反応を進める
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正解:C. 露光で発生した酸が、露光後ベーク(PEB)で触媒として働き、少ない露光量で反応を進める

化学増幅型レジストでは、露光で光酸発生剤から酸が生じ、露光後の加熱(PEB、90〜130 ℃程度)の間にその酸が触媒として樹脂の保護基を外す反応を数十〜数百回も繰り返します。1つの光子で多くの反応が進むため感度が非常に高く、光源の弱いKrF・ArFやEUVに必要でした。1980年代にIBMで開発されました。一方、酸が拡散しすぎると像がぼやけるため、PEBの温度と時間は厳密に管理されます。

  1. ポジ型の化学増幅レジストを有機溶剤で現像し、露光していない部分を溶かす方法はどれか。
  2. レジストの下に塗る反射防止膜(BARC)の主な目的はどれか。
  3. EUV露光向けに開発が進む、金属酸化物を含むレジストの利点として正しいものはどれか。

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関連する用語の解説

フォトレジスト
光に反応して現像液への溶けやすさが変わる感光性材料。ポジ型は露光部が溶け、ネガ型は露光部が残る。
ポジ型フォトレジスト
露光した部分が現像で溶けて除去されるフォトレジスト。逆に、露光した部分が残るものをネガ型という。
化学増幅型レジスト
露光で発生した酸が、露光後ベーク(PEB)で触媒として連鎖的に反応を進めるレジスト。少ない露光量で感光でき、KrF以降の露光で広く使われる。塩基性の汚染に弱い。

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