ハイブリッドボンディングとマイクロバンプの違い:ピッチ・接続密度・平坦度を比較

どちらもチップどうしやチップとウエハを、多数の端子で縦につなぐ技術です。マイクロバンプは、銅の柱の先などにつけた小さなはんだを溶かして接合するので、はんだがはみ出して隣とつながらないよう間隔が必要で、ピッチは数十 µmが目安です。ハイブリッドボンディングは、はんだを使わず、平らに磨いた銅の電極と絶縁膜の面どうしを直接接合するので、ピッチを10 µm未満にでき、接続の密度を桁違いに上げられます。そのかわり、接合面にはナノメートルレベルの平坦さと清浄さが求められます。

項目ハイブリッドボンディングマイクロバンプ
接合の方法銅の電極どうしと絶縁膜どうしを、面で直接接合する銅の柱などにつけたはんだのバンプを、加熱して接合する
はんだ使わない使う
接続ピッチの目安10 µm未満。数µmまで狭められる数十 µm。狭くても約20 µm程度
接続密度(1 mm²あたり)約1万(10 µmピッチ)〜十数万(3 µmピッチ)数百(40 µmピッチ)〜数千(20 µmピッチ)
表面の平坦度・清浄度ナノメートルレベルの平坦さが必要。小さなパーティクルでも接合できないボイドができるはんだが高さのばらつきを吸収するので、それほど厳しくない
チップの間隙間がなく、アンダーフィルは不要隙間ができるので、アンダーフィルや樹脂のフィルムで埋める
主な工程CMPで平坦化 → 洗浄・プラズマで活性化 → 位置合わせして貼り合わせ → アニール(代表的には数百 ℃)で銅どうしを接合めっきでバンプを形成 → 位置合わせ → 熱圧着(TCB)やリフローで接合 → アンダーフィル
接合の単位ウエハ対ウエハ、またはチップ対ウエハチップ単位(チップ対ウエハ、チップ対チップ)が中心
電気特性接合部が極めて短く、寄生容量が小さい。1ビットの転送に必要なエネルギーが小さいバンプの分だけ寄生容量が大きく、ハイブリッドボンディングより不利
主な用途積層型のイメージセンサ、プロセッサの上へのキャッシュ用SRAMの積層などHBMのDRAMの積層、インターポーザの上のチップの接続など

数値は代表的な目安で、世代や製品によって異なります。

どんなときに使うか

ハイブリッドボンディング
チップの間で非常に多くの配線を、短く低い電力でつなぎたいとき。画素とロジックの積層や、プロセッサとメモリの積層など、10 µm未満のピッチが必要な場合。
マイクロバンプ
数十 µmのピッチで十分なとき。実績のある工程で、平坦化や清浄度の厳しい管理なしに、チップを積み重ねたりインターポーザに載せたりしたい場合。
傾向
より狭いピッチと高い帯域が求められる用途から、マイクロバンプをハイブリッドボンディングに置き換える動きが進んでいますが、コストと歩留まりの面から、両方が使い分けられています。

よくある質問

ハイブリッドボンディングで、ピッチをずっと狭くできるのはなぜですか?

はんだを使わないからです。マイクロバンプでは、溶けたはんだが隣のバンプとつながらないよう間隔が必要ですが、ハイブリッドボンディングは銅の電極が絶縁膜に埋め込まれた平らな面どうしを接合するので、その制約がありません。接続の数はピッチの2乗に反比例するので、ピッチを1/10にすると密度は100倍になります。

なぜ、接合面に高い平坦さと清浄さが必要なのですか?

面どうしを直接貼り合わせるので、凹凸やパーティクルがあると、その周りが浮いて接合できない空洞(ボイド)ができるからです。小さな粒子1個でも、ずっと広い範囲の接合を妨げることがあるため、CMPと洗浄、清浄な環境の管理が重要です。

「ハイブリッド」とは、何と何を組み合わせているのですか?

絶縁膜どうしの接合と、銅の電極どうしの接合を、同じ工程で同時に行うことを指しています。まず絶縁膜どうしが貼り合わさり、その後の加熱で銅が膨張して銅どうしが密着し、拡散して一体になります。

マイクロバンプは、使われなくなるのですか?

すぐにはなくなりません。マイクロバンプは実績のある工程で、平坦度や清浄度の要求がゆるく、数十 µmのピッチで足りる用途は多いからです。必要なピッチ、帯域、コスト、歩留まりに応じて使い分けられています。

理解度チェック

ハイブリッドボンディングの説明として正しいものはどれか。

  1. Aはんだバンプを大きくして接続の信頼性を高める技術
  2. Bワイヤを2本ずつ使って接続する技術
  3. Cバンプを使わず、銅電極と絶縁膜の面どうしを直接接合して、極めて高密度に接続する技術
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正解:C. バンプを使わず、銅電極と絶縁膜の面どうしを直接接合して、極めて高密度に接続する技術

ハイブリッドボンディングは、チップやウエハの表面をCMPで平坦にし、銅の電極どうしと絶縁膜どうしを同時に直接接合する技術です。はんだバンプを使わないため、接続のピッチを10 µm以下、さらに数µm程度まで狭くでき、1 mm²あたりの接続数を桁違いに増やせます。積層型のイメージセンサで実用化され、プロセッサとキャッシュの積層やHBMへの適用も進んでいます。

TSVで積層したチップどうしや、チップとインターポーザの接続に使われる、通常のはんだボールよりはるかに小さいバンプを何と呼ぶか。

  1. Aマイクロバンプ
  2. BBGAのはんだボール
  3. Cリード
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正解:A. マイクロバンプ

マイクロバンプは、数十µm程度のピッチで並べられた、直径が10〜数十µmの非常に小さいバンプで、チップ間の多数の接続に使われます。HBMのDRAMダイの積層や、インターポーザ上のチップの接続などで使われ、熱圧着ボンディングで接合することが多くあります。BGAのはんだボールのピッチは0.4〜1 mm程度です。さらに狭いピッチが必要な場合はハイブリッドボンディングが使われます。

ハイブリッドボンディングで、接合する面に求められる条件として正しいものはどれか。

  1. A表面を粗くしておくこと
  2. Bナノメートルレベルの非常に高い平坦性と清浄さ
  3. C表面に厚い油膜があること
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正解:B. ナノメートルレベルの非常に高い平坦性と清浄さ

ハイブリッドボンディングでは、バンプを使わずに銅電極と絶縁膜の面どうしを直接接合するため、接合面の凹凸がナノメートル以下で、パーティクルや汚染がないことが必要です。100 nm程度の粒子1個でも、その周りに直径数mmの接合できない空洞(ボイド)ができることがあります。そのためCMPと洗浄の技術、高い清浄度の環境が重要です。粗い面や油膜は接合を妨げます。

  1. 銅と絶縁膜によるハイブリッドボンディングで、銅の電極どうしが接合される仕組みとして正しい説明はどれか。
  2. ハイブリッドボンディングの方式のうち、テストで良品と判定したチップだけを選んで、相手のウエハに接合できる方式はどれか。
  3. チップと基板を加熱・加圧しながら1個ずつ接合し、反りの大きい薄いチップや狭いピッチのバンプの接続に使われる方法はどれか。

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関連する用語の解説

ハイブリッドボンディング
バンプを使わず、銅の電極と絶縁膜の面どうしを直接接合する技術。極めて狭いピッチで多数の接続ができる。
マイクロバンプ
TSVで積層したチップどうしや、チップとインターポーザの接続に使われる、通常のはんだボールよりはるかに小さいバンプ。ピッチは数十µm程度。
TSV(シリコン貫通電極)
シリコン基板を貫通する電極。積層したチップどうしを上下に短い距離で接続する。
CMP
化学機械研磨。スラリーの化学作用とパッドの機械的研磨を組み合わせてウエハ表面を平坦化する。
HBM
複数のDRAMダイをTSVで積層し、非常に広いバス幅で高い帯域を実現するメモリ。

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