DDR・LPDDR・GDDR・HBMの違い:DRAMの種類を比較

4つとも種類としてはDRAMですが、目的に合わせて最適化されています。DDRは、パソコンやサーバーの標準的なメインメモリです。LPDDRは、スマートフォンや薄型ノートパソコン向けに消費電力を抑えたものです。GDDRは、グラフィックスカード向けにピンあたりの速度を高めたものです。HBMは、チップを積み重ねて非常に広いバスを持ち、AIアクセラレータ向けに最も高い帯域を出せますが、コストも最も高くなります。

項目DDRLPDDRGDDRHBM
正式名称Double Data Rate SDRAMLow Power DDRGraphics DDRHigh Bandwidth Memory
主な対象パソコン、サーバースマートフォン、タブレット、薄型ノートパソコングラフィックスカード、ゲーム機AIアクセラレータ、高性能計算
データバスDIMMでは1チャネル64ビット(DDR5では32ビットずつ2つに分ける)狭いチャネル(16ビットまたは32ビット)1チップ32ビット。GPUの周りに多数のチップを置く1スタックで1,024ビット(HBM3)。非常に広い
ピンあたりの速度中程度(DDR5は約4,800〜8,000 MT/s)中程度から高め(LPDDR5Xは8,533 MT/s以上)非常に高い(GDDR6Xは20 Gb/s超、GDDR7は約30 Gb/s)ピンあたりは低め。バスが非常に広いため
帯域1チャネルで数十GB/s1デバイスまたは1パッケージで数十GB/s1チップで数十〜100 GB/s、1枚のカードで数百GB/s〜1 TB/s超1スタックで数百GB/s、1つのアクセラレータで数TB/s
消費電力中程度1ビットあたりで最も小さい。低電圧とディープパワーダウンを持つ大きい1ビットあたりでは効率がよいが、積層したチップは冷やしにくい
実装ソケットに挿すメモリモジュール(DIMM)、またははんだ付けはんだ付け、またはプロセッサのパッケージの上に積む(PoP)グラフィックスボード上のGPUの周りにはんだ付けTSVでつないだ積層チップを、シリコンインターポーザ上のプロセッサの隣に置く
容量最大。1モジュールで数GBから数百GB数GB〜数十GB1チップで数GB1スタックで数十GB
後から増設できるかできる(DIMMソケット)できないできないできない
1ビットあたりのコスト最も安いDDRより高いDDRより高い最も高い。積層と先端パッケージのため

数値は代表的な目安で、世代や製品によって異なります。

どんなときに使うか

DDR
大容量、低コスト、増設のしやすさが重要な、汎用のメインメモリ。
LPDDR
バッテリーで動く機器で、容量よりも、1ビットあたりのエネルギーと小ささが重要なとき。
GDDR
グラフィックスやゲームなど、手ごろな価格で高い帯域が必要なとき。
HBM
AIの学習や高性能計算など、帯域がボトルネックで、コストは二の次のとき。

よくある質問

なぜGPUにはDDRでなくGDDRやHBMが使われるのですか?

GPUは非常に大量のデータを動かすので、DDRより、はるかに高い帯域が必要です。GDDRはピンあたりの速度を高め、HBMは、プロセッサのすぐ隣で、1スタックあたり1,024ビットという非常に広いバスを使います。

LPDDRはDDRと同じものですか?

基本の技術は同じですが、LPDDRは、低い電圧とディープパワーダウンモードなどで、低消費電力に調整されています。多くはプロセッサにはんだ付けされたり、重ねられたりするので、あとから増設できません。

なぜHBMはそんなに高いのですか?

HBMは、TSVでつないだ複数のDRAMのチップを積み重ね、プロセッサの隣のシリコンインターポーザの上に置く必要があります。積層と先端パッケージがコストを増やし、冷却も難しくなります。

LPDDR、GDDR、HBMのメモリは増設できますか?

できません。DDRのモジュール(DIMM)と違い、基板にはんだ付けされるか、パッケージに組み込まれています。

理解度チェック

DDR SDRAMの「DDR(ダブルデータレート)」の意味として正しいものはどれか。

  1. Aクロックの立ち上がりと立ち下がりの両方でデータを転送する
  2. B2つのDRAMチップを積層している
  3. C2倍の電源電圧で動作する
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正解:A. クロックの立ち上がりと立ち下がりの両方でデータを転送する

DDRは、クロックの立ち上がりと立ち下がりの両方でデータを転送し、同じクロック周波数で2倍の転送速度を得る方式です。そのため転送速度はMHzではなくMT/s(毎秒の転送回数)で表し、DDR4-3200はクロック1600 MHzで3200 MT/sです。世代ごとに速度が上がり電源電圧は下がってきており、DDR4は1.2 V、DDR5は1.1 Vで、DDR5では6400 MT/s以上の製品もあります。

LPDDRと呼ばれるDRAM規格の主な用途はどれか。

  1. A大型サーバー専用
  2. B光ディスクへの記録
  3. Cスマートフォンなど低消費電力が求められる機器
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正解:C. スマートフォンなど低消費電力が求められる機器

LPDDR(Low Power DDR)は、低い電源電圧、深い省電力モード、温度に応じたリフレッシュ制御などで消費電力を抑えたモバイル向けDRAMです。スマートフォンやタブレット、薄型ノートPCに使われ、プロセッサのパッケージに重ねたり(PoP)、すぐ隣に置いたりして配線を短くします。モジュールではなく基板に直接実装するため後から増設できないことが多く、最新のLPDDR5Xは8533 MT/s以上に達します。

GPUのグラフィックスメモリとして使われるGDDRの特徴として正しいものはどれか。

  1. Aデータ転送の帯域(速度)を重視した規格である
  2. B電源を切ってもデータが残る
  3. C低速だが非常に安価である
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正解:A. データ転送の帯域(速度)を重視した規格である

GDDRは、GPUが大量の画像データを高速に扱えるよう、1端子あたりの転送速度を重視したDRAMで、GDDR6Xでは20 Gb/s以上、GDDR7では30 Gb/s前後に達します(DDR5の数倍)。基板上でGPUの周囲に並べて短い配線でつなぎます。容量あたりのコストや消費電力はDDRより高めです。さらに広い帯域が必要なAI向けアクセラレータでは、積層したHBMが使われます。

  1. HBM(High Bandwidth Memory)の説明として正しいものはどれか。
  2. HBMで、1つのスタックに積み重ねられるDRAMダイの数として一般的なものはどれか。
  3. HBM3までの世代で、HBMの1スタックあたりのデータバスの幅として正しいものはどれか。

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関連する用語の解説

DDR SDRAM
クロックの立ち上がりと立ち下がりの両方でデータを転送する同期型DRAM。DDR4、DDR5と世代を重ねて転送速度を上げてきた。パソコンやサーバーの主記憶の標準。
LPDDR
Low Power DDR の略。スマートフォンやノートパソコン向けに、低い電源電圧や省電力の機能を強化したDRAMの規格。
HBM
複数のDRAMダイをTSVで積層し、非常に広いバス幅で高い帯域を実現するメモリ。
TSV(シリコン貫通電極)
シリコン基板を貫通する電極。積層したチップどうしを上下に短い距離で接続する。

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