直線位相とは

ちょくせんいそう

フィルタの位相特性が、周波数に比例する直線になっていること。このとき、すべての周波数の成分が同じ時間だけ遅れる(群遅延が一定になる)ので、波形の形がくずれない。FIRフィルタでは、係数を中心について対称(または反対称)にすると正確に直線位相になり、Nタップなら遅れは (N − 1)/2 サンプルである。安定で因果的なIIRフィルタでは正確な直線位相は実現できないので、波形を保ちたいオーディオ、通信の受信、計測などの処理ではFIRフィルタがよく使われる。

「直線位相」は、1分野の3問の練習問題に出てきます(デジタル信号処理の基礎など)。

この用語の分野: デジタル信号処理の基礎

直線位相の練習問題に挑戦

次の係数をもつ5タップのFIRフィルタのうち、直線位相(線形位相)の特性をもつものはどれか。

  1. Ah = {1, 2, 3, 2, 1}
  2. Bh = {1, 2, 3, 4, 5}
  3. Ch = {5, 4, 3, 2, 1}
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正解:A. h = {1, 2, 3, 2, 1}

FIRフィルタの係数が中心について左右対称(h[n] = h[N − 1 − n])なら、位相は周波数に比例する直線になり、すべての周波数の成分が同じ (N − 1)/2 サンプルだけ遅れます。{1, 2, 3, 2, 1} は中央の3について対称なので、遅れが2サンプルで一定の直線位相のフィルタです。{1, 2, 3, 4, 5} と {5, 4, 3, 2, 1} は対称でも反対称でもないので、周波数によって遅れが変わります。

101タップの直線位相FIRフィルタ(係数が左右対称)の群遅延として正しいものはどれか。

  1. A50サンプル
  2. B50.5サンプル
  3. C101サンプル
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正解:A. 50サンプル

係数が対称なNタップのFIRフィルタの群遅延は、周波数によらず (N − 1)/2 サンプルです。N = 101 なら (101 − 1)/2 = 50 サンプルで、係数の中心(51番目の係数 h[50])の位置に当たります。サンプリング周波数48 kHzなら 50 ÷ 48000 ≈ 1.04 ms の遅れになり、実時間の処理では、タップ数を増やすほど遅延が大きくなる点に注意が必要です。

解説の中の「直線位相」

「直線位相」が出てくる問題(3問)

  1. 次の係数をもつ5タップのFIRフィルタのうち、直線位相(線形位相)の特性をもつものはどれか。
  2. 101タップの直線位相FIRフィルタ(係数が左右対称)の群遅延として正しいものはどれか。
  3. FIRフィルタ(有限インパルス応答フィルタ)の特徴として正しいものはどれか。

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