3D DRAMとは

すりーでぃーでぃーらむ

メモリセルを縦方向に何層も積み重ねて、平面の微細化に頼らずに容量を増やそうとするDRAM。キャパシタの扱いが最大の課題で、2020年代半ばの時点では研究開発の段階にある。

「3D DRAM」は、1分野の3問の練習問題に出てきます(DRAMなど)。

この用語の分野: DRAM

平面のDRAMが限界に近づく理由

DRAMは1個のトランジスタと1個のキャパシタ(1T1C)で1ビットを記憶します。読み出しに十分な信号を得るにはキャパシタに一定の容量が必要で、セルが小さくなるにつれて、キャパシタは細く深い円筒状になり、アスペクト比が非常に大きくなっています。セルトランジスタも、小さくするほどリーク電流を抑えたり、ワード線の抵抗を保ったりするのが難しくなります。DRAMはこれまで平面の寸法を縮めて大容量化してきましたが、それだけを続けるのは難しくなっています。

3D NANDとの違い

NANDフラッシュは、ワード線となる膜を何百層も積み重ね、縦の穴を一度に開けてセルの列をつくることで3D化に成功しました。DRAMで同じことが難しいのは、各セルにキャパシタが必要だからです。いまのキャパシタは縦方向に非常に長いため、そのまま積み重ねることはできません。そこで、セルのトランジスタとキャパシタを横向きに寝かせて層ごとに並べ、それを多数積み重ねる構造が研究されています。ただし寝かせたセルは1層あたりの面積が大きくなるため、多くの層を積まなければ平面のDRAMより高密度になりません。

研究されている方式

横向きのセルを積む方式では、シリコンとシリコンゲルマニウム(SiGe)の層を交互に何十層もエピタキシャル成長させ、その積層からセルをつくる方法が検討されています。2025年には、imecとゲント大学が300 mmウエハ上にSi/SiGeの層の組を最大120組成長させた結果を報告しました。キャパシタをなくす方式もあり、imecが2020年に報告したIGZO(酸化物半導体)のトランジスタ2個によるセル(2T0C)は、オフ電流が極めて小さいことを利用して、読み出し用トランジスタの寄生容量に電荷を保持します。酸化物半導体は低温で形成できるため、配線層の上に積み重ねやすい利点もあります。

残る課題

多層のエピタキシャル成長では、SiとSiGeの格子定数の違いによるひずみが欠陥を生みやすく、層数が増えるほど難しくなります。深い構造の奥まで、横方向のエッチングや成膜を均一に行う必要もあります。キャパシタを寝かせた方式では1層あたりのセル面積が大きくなるため、十分な層数を低コストで積めるかが実用化の鍵です。2020年代半ばの時点で、3D DRAMはメモリメーカーや研究機関が研究開発を進めている段階で、量産の時期は定まっていません。

3D DRAMの練習問題に挑戦

将来のDRAMの大容量化の手段として研究開発が進められている3D DRAMの考え方として正しいものはどれか。

  1. Aメモリセルを縦方向に積み重ね、平面の微細化だけに頼らずに容量を増やす
  2. Bチップを大きくするだけで容量を増やす
  3. CDRAMをSRAMに置き換える
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正解:A. メモリセルを縦方向に積み重ね、平面の微細化だけに頼らずに容量を増やす

DRAMは、キャパシタの高アスペクト比化やセルトランジスタの微細化が限界に近づいています。そこで3D NANDのようにセルを縦方向に積み重ねる3D DRAMの研究開発が進められ、トランジスタとキャパシタを横向きにして何層も積む構造や、キャパシタを使わないセルなどが検討されています。実現すれば平面の微細化に頼らず容量を増やせますが、量産技術はまだ開発段階です。

3D DRAMとHBMの違いとして正しいものはどれか。

  1. A3D DRAMは1枚のチップの中でメモリセルそのものを縦に積み重ねる技術で、HBMは完成したDRAMのチップをTSVで積み重ねたものである
  2. B3D DRAMとHBMは同じ技術の別名である
  3. CHBMは1枚のチップの中でメモリセルを縦に積む技術で、3D DRAMはDRAMのチップを横に並べる技術である
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正解:A. 3D DRAMは1枚のチップの中でメモリセルそのものを縦に積み重ねる技術で、HBMは完成したDRAMのチップをTSVで積み重ねたものである

HBMは、完成したDRAMのチップを何枚もTSVでつないで積み重ね、プロセッサの近くに置いて広い帯域を得るメモリで、チップの積層です。一方、3D DRAMは、3D NANDのように1枚のチップの中でメモリセルの層を縦に積み重ね、平面の微細化に頼らずに容量を増やそうとする技術です。2020年代半ばの時点で、3D DRAMは研究開発の段階にあります。

よくある質問

3D DRAMとHBMの違いは何ですか?

HBMは、完成したDRAMのチップをTSVで縦に積み重ねたもので、チップの積層です。3D DRAMは、1枚のチップの中でメモリセルそのものを縦に積み重ねる技術で、両者は別のものです。

3D NANDのように簡単に積層できないのはなぜですか?

DRAMのセルには電荷をためるキャパシタが必要で、いまのキャパシタは縦に非常に長い形をしているためです。セルを横向きに寝かせて積む方式や、キャパシタを使わないセルが研究されています。

3D DRAMはいつ実用化されますか?

2020年代半ばの時点では研究開発の段階で、量産の時期は定まっていません。多層の結晶成長、深い構造の加工、低コストで多くの層を積むことが課題です。

解説の中の「3D DRAM」

「3D DRAM」が出てくる問題(3問)

  1. 将来のDRAMの大容量化の手段として研究開発が進められている3D DRAMの考え方として正しいものはどれか。
  2. 3D DRAMとHBMの違いとして正しいものはどれか。
  3. 3D DRAMの実現が、3D NANDのように多数の層を積み重ねるだけでは難しい主な理由として正しいものはどれか。

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