酸化・拡散
フォーミングガスアニールで水素により終端したSi/SiO2界面のダングリングボンドが、トランジスタを長く使ううちに再び界面準位になることがある。主な原因と、対策として研究され一部で使われている方法の組み合わせとして正しいものはどれか。
- A酸化膜の中の水素が時間とともにシリコンを酸化するため。アニールの温度を上げて酸化膜を厚くする
- BホットキャリアなどのエネルギーでSi-H結合が切れるため。水素の代わりに重水素でアニールする
- C界面準位は温度が低いと自然に増えるため。チップを常に高温に保って使う
答えと解説を見る
正解:B. ホットキャリアなどのエネルギーでSi-H結合が切れるため。水素の代わりに重水素でアニールする
フォーミングガスアニールでは、水素がシリコンのダングリングボンドと結合して(Si-H)、界面準位を減らします。しかし、チャネルで加速された高いエネルギーのキャリア(ホットキャリア)が界面に当たったり、高温で電圧をかけ続けたり(pMOSのNBTIなど)すると、Si-H結合が切れて界面準位が再びでき、しきい値電圧がずれていきます。水素より重い同位体の重水素で終端したSi-D結合は、ホットキャリアでは切れにくいことが知られており、重水素の雰囲気でのアニールが研究され、一部の製造工程で使われています。
- A. 水素が界面の酸化を進めるわけではありません。酸化膜を厚くしても、Si-H結合が切れる問題は解決しません。
- B. 正しい。Si-D結合はSi-H結合より切れにくいことが知られています。
- C. 界面準位は温度を下げると増えるものではありません。高温はむしろ劣化を速めます。