制御工学の基礎
閉ループが安定な単位フィードバックの系で、前向きの伝達関数 G(s) が積分 1/s を1つ含む(1形の系である)とき、定常偏差の説明として正しいものはどれか。
- Aステップの目標値に対する定常偏差は0になり、一定の速さで増えるランプの目標値に対しては、一定の大きさの偏差が残る
- Bステップの目標値に対しても一定の大きさの定常偏差が残り、ランプの目標値に対しては、偏差が時間とともに大きくなり続ける
- Cステップ、ランプ、一定の加速度で増える目標値のどれに対しても、定常偏差は0になる
答えと解説を見る
正解:A. ステップの目標値に対する定常偏差は0になり、一定の速さで増えるランプの目標値に対しては、一定の大きさの偏差が残る
前向きの経路に含まれる積分の数を、系の形と呼びます。1形の系では、偏差が少しでも残ると積分が操作量を変え続けるので、ステップに対する定常偏差は0になります。ランプの目標値に対しては、追いかけ続けるために一定の偏差が必要で、その大きさは 1/Kv(Kv = lim[s→0] sG(s) は速度偏差定数)です。例えば G(s) = 2/(s(s + 1)) では Kv = 2 で、単位ランプに対する定常偏差は0.5になります。
- A. 正しい。積分が1つあると、ステップに対する偏差がなくなります。
- B. これは、積分を含まない0形の系の振る舞いです。
- C. 一定の加速度で増える目標値に偏差なく追従するには、積分が2つ(2形)必要です。