歩留まり・品質エンジニア
ウエハから取れる良品の割合(歩留まり)を上げるために、不良の原因をデータと解析で突き止め、工程の改善と品質の安定につなげる技術者です。
ウエハから取れる良品の割合(歩留まり)を上げるために、不良の原因をデータと解析で突き止め、工程の改善と品質の安定につなげる技術者です。
歩留まり・品質エンジニアは、ウエハ1枚から取れる良品チップの割合である歩留まりを上げ、品質を安定させる仕事です。ウエハテストの結果、欠陥検査装置のデータ、各工程の計測値や装置の処理記録を突き合わせて、不良がどこで、なぜ生まれたのかを突き止めます。たとえば不良チップがウエハ上の特定の場所に偏っていれば、特定の装置や工程が疑われます。原因の候補が絞れたら、物理的な解析で確かめ、関係する工程の担当者と対策を決めます。量産では、SPC(統計的工程管理)で工程の変化を早く見つけ、不良を出さない仕組みを整えることも重要な役割です。
原因の多くは工程や装置にあるため、プロセスエンジニア、装置エンジニア、インテグレーションエンジニアと一緒に調べます。テスト結果を扱うテストエンジニアや、物理的な解析を担当する解析部門、出荷後の不具合で顧客対応を行う品質保証の部門とも連携します。扱うものは、ウエハ上の不良の分布(ウエハマップ)、欠陥の位置と画像、管理図、ロットごとの処理履歴などの大量のデータです。物理的な解析には、FIB(集束イオンビーム)で断面を作り、SEMやTEM(透過電子顕微鏡)で観察する方法などがあります。
中心になるのは、統計とデータ解析の力です。ばらつきの扱い、相関と因果の見分け方、管理図や工程能力指数(Cpk)の考え方を使いこなすことが求められます。大量のデータを扱うため、表計算ソフトに加えて、データベースからの抽出やプログラミング言語による集計を使う職場もあります。そのうえで、各工程の原理とトランジスタや配線の構造を理解していると、データの異常を物理的な原因に結びつけられます。原因がすぐに分からないときも、仮説を立てて一つずつ確かめていく粘り強さが大切です。
まずは『歩留まり・品質管理』の分野で、歩留まりの考え方、欠陥密度とチップ面積の関係、管理図などの品質管理の道具を押さえましょう。不良の原因を確かめる方法は『計測・分析』、テストの結果がどのように得られるかは『テスト・検査』、出荷後に問題になる故障のしくみは『信頼性』の分野で学べます。工程そのものの知識は『製造プロセスを一通り』コース、テストと信頼性を含む後工程は『後工程・品質・安全』コースがおすすめです。とくに『リソグラフィ』と『エッチング』は、パターンの不良を考えるときによく関わります。
歩留まり・品質管理 50問 計測・分析 50問 テスト・検査 51問 信頼性 51問 リソグラフィ 52問 エッチング 50問
学んでおきたい分野から、基本の問題を10問選びました
歩留まり キラー欠陥 システマティック不良 ポアソン歩留まりモデル 欠陥検査装置 SPC(統計的工程管理) 管理図 工程能力指数(Cpk) パレート図 FMEA(故障モード影響解析) FIB(集束イオンビーム) TEM(透過電子顕微鏡)
統計やデータ解析の力が中心になる職種なので、他の業界で品質管理やデータ分析を経験した人が力を生かせる場面はあります。一方で、データの異常を工程の原因に結びつけるには、半導体の工程とデバイスの知識が必要です。採用の条件は会社や時期によって異なりますが、統計の基礎と工程の流れを学んでおくと、どちらの立場からでも入りやすくなります。
一般に、歩留まり・品質エンジニアは工場の中で不良を減らし、工程を安定させることに主眼を置きます。品質保証は、製品が仕様と顧客の要求を満たしていることを保証し、出荷後の不具合では顧客への説明や再発防止の取りまとめを担うことが多い仕事です。両者は密接につながっていて、呼び名や役割の分け方は会社によって異なります。
一般に、この職種に必須の免許や資格はありません。品質管理や統計に関する検定・資格を学習の目標として活用する人もいますが、採用での扱いは会社によって異なります。実務では、データから原因を突き止め、関係者と協力して改善につなげた経験が重視されることが多いです。