テブナンの定理とは

てぶなんのていり

電源と線形素子からなる回路は、ある2つの端子から見ると、1つの電圧源 Vth と直列の1つのインピーダンス Zth に置き換えられるという定理。Vth は端子を開放したときの電圧、Zth は回路の中の独立電源を0にして(電圧源は短絡、電流源は開放)端子から見たインピーダンスである。負荷を変えたときの電流や電力をすぐに計算でき、交流でもフェーザでそのまま使える。日本では鳳・テブナンの定理とも呼ぶ。

「テブナンの定理」は、3分野の7問の練習問題に出てきます(電気回路・電磁気の基礎, 回路解析(交流回路・線形回路・過渡現象), アナログ・電子回路など)。

RCローパスフィルタとRCハイパスフィルタ (a) vin vout R C (b) vin vout C R H(s) = 1/(1 + sRC) H(s) = sRC/(1 + sRC)
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この用語の分野: 回路解析(交流回路・線形回路・過渡現象)

等価回路の求め方

まず負荷を外して端子間の開放電圧を求め、これを Vth とします。次に、回路の中の独立電源を0にして、端子から見た合成インピーダンスを求め、これを Zth とします。端子を短絡したときの電流 Isc がわかれば、Zth = Vth/Isc としても求められます。この方法は、従属電源を含む回路でも使えます。

従属電源を含む場合

トランジスタの小信号等価回路のように、回路の電流や電圧に比例する従属電源を含む回路では、従属電源を0にしてはいけません。開放電圧と短絡電流の比をとるか、独立電源だけを0にして端子に試験用の電圧を加え、流れ込む電流との比から Zth を求めます。従属電源があると、Zth が見かけ上負になることもあります。

ノートンの定理と最大電力

同じ回路は、電流源 Isc と並列の Zth(ノートンの等価回路)でも表せ、両者は Vth = Zth × Isc で行き来できます。テブナンの等価回路を使うと、負荷で消費される電力が最大になる条件もすぐにわかります。直流では負荷抵抗を Rth に等しくしたとき、交流では負荷インピーダンスを Zth の共役複素数にしたときに最大で、その電力は Vth²/(4Rth) です。

テブナンの定理の練習問題に挑戦

10 Vの直流電圧源(内部抵抗0)に抵抗R1 = 6 kΩとR2 = 4 kΩを直列に接続し、R2の両端を出力端子とした。出力端子から見たテブナンの等価回路(等価電圧Vthと等価抵抗Rth)として正しいものはどれか。

  1. AVth = 6 V、Rth = 2.4 kΩ
  2. BVth = 4 V、Rth = 2.4 kΩ
  3. CVth = 4 V、Rth = 10 kΩ
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正解:B. Vth = 4 V、Rth = 2.4 kΩ

Vthは出力端子を開放したときの電圧で、10 V × 4/(6 + 4) = 4 Vです。Rthは電圧源を短絡して出力端子から見た抵抗で、R1とR2が並列になるため 6 × 4/(6 + 4) = 2.4 kΩです。この等価回路に負荷RLをつなげば、流れる電流は 4 V/(2.4 kΩ + RL) と簡単に計算できます。電流源を含む回路では、Rthを求めるときに電流源を開放します。

図(a)の回路で、R = 10 Ω、使う角周波数でのコンデンサのリアクタンスを 1/(ωC) = 10 Ω、入力電圧を vin = 10∠0° V(実効値)とする。出力端子から見たテブナンの等価回路の内部インピーダンス Zth はどれか。

  1. A5 + j5 Ω
  2. B5 − j5 Ω
  3. C10 − j10 Ω
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正解:B. 5 − j5 Ω

解き方1(並列の公式): 電圧源を短絡すると、出力端子から見て R と ZC = −j10 Ω が並列なので、Zth = R ZC/(R + ZC) = (10 × (−j10))/(10 − j10) = 5 − j5 Ω です。解き方2(アドミタンスの和): Y = 1/10 + 1/(−j10) = 0.1 + j0.1 S なので、Zth = 1/Y = (0.1 − j0.1)/0.02 = 5 − j5 Ω です。等価電圧は開放電圧で、分圧から Vth = 10 × (−j10)/(10 − j10) = 5 − j5 V ≈ 7.07∠−45° V になります。直流と同じテブナンの定理が、インピーダンスとフェーザを使えば交流でもそのまま使えます。

よくある質問

テブナンの定理はどんな回路にも使えますか?

線形の回路に使えます。ダイオードのような非線形素子を含む回路では、動作点のまわりの小さな変化に限って線形とみなせば使えます。また、等価になるのは端子から見た電圧と電流の関係だけで、回路の内部で消費される電力までは等価になりません。

負荷をつなぐと端子の電圧はどうなりますか?

Vth が Zth と負荷で分圧されます。例えば Vth = 4 V、Rth = 2.4 kΩ の回路に2.4 kΩの負荷をつなぐと、端子の電圧は 4 × 2.4/(2.4 + 2.4) = 2 V と半分になります。負荷が Rth より十分大きければ、端子の電圧は Vth に近いままです。

解説の中の「テブナンの定理」

「テブナンの定理」が出てくる問題(7問)

  1. 10 Vの直流電圧源(内部抵抗0)に抵抗R1 = 6 kΩとR2 = 4 kΩを直列に接続し、R2の両端を出力端子とした。出力端子から見たテブナンの等価回路(等価電圧Vthと等価抵抗Rth)として正しいものはどれか。
  2. 図(a)の回路で、R = 10 Ω、使う角周波数でのコンデンサのリアクタンスを 1/(ωC) = 10 Ω、入力電圧を vin = 10∠0° V(実効値)とする。出力端子から見たテブナンの等価回路の内部インピーダンス Zth はどれか。
  3. 図の回路で、E = 12 V、R1 = 4 Ω、J = 2 A である。R2 を取り外し、R2 をつないでいた2つの端子(節点Aとグラウンド)から見たテブナンの等価回路(等価電圧 Vth と等価抵抗 Rth)はどれか。
  4. 図の回路には、R1 に流れる電流 i に比例した電圧 r·i(r = 3 Ω)を発生する電流制御電圧源がある。E = 10 V、R1 = 2 Ω のとき、端子a-bから見たテブナンの等価抵抗 Rth はどれか。
  5. テブナンの定理の内容として正しいものはどれか。
  6. 起電力12 V、内部抵抗4 Ωの電圧源と等価なノートンの等価回路(電流源と抵抗)として正しいものはどれか。
  7. 10 Vの直流電源に10 kΩと10 kΩの抵抗を直列に接続した分圧回路で、下側(グラウンド側)の抵抗に並列に10 kΩの負荷抵抗をつないだ。出力電圧(下側の抵抗の両端の電圧)に最も近いものはどれか。

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