共振回路とは

きょうしんかいろ

コイルとコンデンサのリアクタンスが打ち消し合う周波数(共振周波数 f0 = 1/(2π√(LC)))で特別な振る舞いをする回路。直列共振ではインピーダンスが最小のRになって電流が最大になり、並列共振ではインピーダンスが最大になって電源電流が最小になる。共振の鋭さはQ値で表し、帯域幅は f0/Q になる。フィルタ、発振回路、無線の同調回路に使われる。

「共振回路」は、4分野の9問の練習問題に出てきます(電気回路・電磁気の基礎, 回路解析(交流回路・線形回路・過渡現象), アナログ・電子回路など)。

この用語の分野: 回路解析(交流回路・線形回路・過渡現象)

直列共振と並列共振

直列RLC回路のインピーダンスは Z = R + j(ωL − 1/(ωC)) で、ω0 = 1/√(LC) で虚部が0になり、電流 V/R が最大になります。並列RLC回路ではアドミタンス Y = 1/R + j(ωC − 1/(ωL)) の虚部が0になり、インピーダンスが最大になります。L = 1 mH、C = 10 nF なら、どちらも f0 ≈ 50.3 kHz です。

Q値と電圧の拡大

直列共振では Q = (1/R)√(L/C)、並列共振では Q = R√(C/L) です。直列共振時のLとCの電圧は電源電圧のQ倍になり、並列共振時のLとCの電流は電源電流のQ倍になります。小さな電源から大きな電圧や電流が得られる一方、部品の耐圧や電流定格を超えないよう注意が必要です。

使われる場面

ラジオの同調回路は、LCの共振で目的の周波数の信号だけを選び出します。LC発振回路や水晶発振器は、共振の鋭さを利用して安定した周波数をつくります。一方、プリント基板の電源の配線と部品の寄生インダクタンスと容量が意図しない共振を起こすと、特定の周波数で雑音や電圧の変動が大きくなります。

共振回路の練習問題に挑戦

L = 1 mH、C = 10 nFの直列共振回路の共振周波数に最も近いものはどれか。

  1. A約50 kHz
  2. B約316 kHz
  3. C約5 kHz
答えと解説を見る

正解:A. 約50 kHz

共振周波数は f0 = 1/(2π√(LC)) です。LC = 1×10⁻³ × 10×10⁻⁹ = 1×10⁻¹¹ なので √(LC) ≈ 3.16×10⁻⁶ s、f0 ≈ 1/(2π × 3.16×10⁻⁶) ≈ 50.3 kHzです。このときコイルとコンデンサのリアクタンスはどちらも √(L/C) ≈ 316 Ωで等しくなります。共振周波数はLとCの積の平方根に反比例するため、Cを100倍にすると1/10になります。

R = 10 Ω、L = 1 mH、C = 10 nFの直列RLC共振回路の帯域幅(電流が共振時の 1/√2 になる2つの周波数の差)に最も近いものはどれか。

  1. A約1.6 kHz
  2. B約10 kHz
  3. C約50 kHz
答えと解説を見る

正解:A. 約1.6 kHz

共振周波数は f0 = 1/(2π√(LC)) ≈ 50.3 kHz、Q値は Q = (1/R)√(L/C) = (1/10) × √(1×10⁻³/(10×10⁻⁹)) ≈ 316/10 ≈ 31.6 です。帯域幅は BW = f0/Q ≈ 50.3 kHz/31.6 ≈ 1.59 kHz です。直列RLCでは BW = R/(2πL) = 10/(2π × 1×10⁻³) ≈ 1.59 kHz と直接求めることもできます。抵抗が小さいほど帯域幅は狭くなり、周波数の選択性が高くなります。

よくある質問

共振周波数で電流が無限大にならないのはなぜですか?

直列共振でリアクタンスが打ち消し合っても、抵抗Rが残るからです。電流は V/R で決まり、Rが小さいほどQが高く電流のピークが鋭くなります。実際のコイルの巻線抵抗やコンデンサの損失もRとして働きます。

並列共振ではLとCに電流が流れていないのですか?

流れています。LとCの電流は同じ大きさで逆向きなので、電源から見ると打ち消し合って見えないだけで、LとCの間では電源電流のQ倍の電流が行き来しています。エネルギーがコイルの磁界とコンデンサの電界の間で交互にやり取りされている状態です。

解説の中の「共振回路」

「共振回路」が出てくる問題(9問)

  1. L = 1 mH、C = 10 nFの直列共振回路の共振周波数に最も近いものはどれか。
  2. R = 10 Ω、L = 1 mH、C = 10 nFの直列RLC共振回路の帯域幅(電流が共振時の 1/√2 になる2つの周波数の差)に最も近いものはどれか。
  3. LC直列共振回路の共振周波数を表す式はどれか。
  4. 共振回路のQ値(クオリティファクタ)が大きいことの意味として正しいものはどれか。
  5. 直列RLC回路に、共振周波数の正弦波電圧を加えたときの性質として正しいものはどれか。
  6. 図の並列RLC回路で、電源の周波数を共振周波数 f0 = 1/(2π√(LC)) に合わせたときの性質として正しいものはどれか。
  7. 図の直列RLC回路で、R = 10 Ω、L = 10 mH、C = 1 µF とし、実効値1 Vの正弦波電圧の周波数を共振周波数に合わせた。コンデンサの両端の電圧 VC の実効値はどれか。
  8. 図の並列RLC回路で、R = 20 kΩ、L = 1 mH、C = 10 nF である。共振周波数の付近で、回路のインピーダンスの大きさが共振時の 1/√2 になる2つの周波数の差(帯域幅)に最も近いものはどれか。
  9. 超伝導量子ビット(トランズモン)が量子ビットとして働くために欠かせない素子はどれか。

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