力率改善回路とは

りきりつかいぜんかいろ

交流電源から電力を受ける機器で、入力電流を電圧と同じ形・同じ位相の正弦波に近づけ、力率を1に近づける回路(PFC回路)。整流した後に昇圧チョッパを置き、入力電流が整流した電圧に比例するようにスイッチを制御する方式が一般的で、出力は入力電圧の最大値より高い380〜400 V程度の直流になる。コンデンサで平滑するだけの整流回路で生じる高調波の電流を減らすために使われ、後段の絶縁形のDC-DCコンバータが、この直流から必要な電圧をつくる。

「力率改善回路」は、2分野の6問の練習問題に出てきます(パワー半導体, パワーエレクトロニクス回路など)。

この用語の分野: パワーエレクトロニクス回路

力率改善回路の練習問題に挑戦

電源回路に使われる力率改善(PFC)回路の目的として正しいものはどれか。

  1. A出力電圧を2倍にする
  2. B電源のノイズを増やす
  3. C入力電流の波形を電圧に近い正弦波に整え、力率を1に近づける
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正解:C. 入力電流の波形を電圧に近い正弦波に整え、力率を1に近づける

コンデンサで平滑する単純な整流回路では、入力電流がピーク付近にだけパルス状に流れ、力率が0.5〜0.7程度に下がり、高調波が電力系統に悪影響を与えます。PFC回路は昇圧チョッパなどで入力電流を電圧と同じ形の正弦波に制御し、力率を0.95以上に高めます。日本や欧州では一定以上の電力の機器に高調波の規制があり、パソコンの電源やLED照明などに組み込まれています。

交流100〜240 Vで使える電源の昇圧形の力率改善回路(PFC回路)で、出力の直流電圧を380〜400 V程度に設定することが多い理由として、正しいものはどれか。

  1. A出力の直流電圧を高く設定するほど力率が1を超えて大きくなり、入力電流をさらに小さくできるため
  2. B昇圧チョッパは入力より高い電圧しか出せないので、入力電圧の最大値(240 Vの実効値で約339 V)より高くする必要があるため
  3. CPFC回路は降圧チョッパの構成なので、出力の直流電圧を入力の最大値より低くして、後段の絶縁形のコンバータや平滑コンデンサを過電圧から保護するため
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正解:B. 昇圧チョッパは入力より高い電圧しか出せないので、入力電圧の最大値(240 Vの実効値で約339 V)より高くする必要があるため

昇圧形の力率改善回路では、整流した脈動の電圧を入力として、入力電流が電圧と同じ形の正弦波になるようにスイッチを制御します。昇圧チョッパは入力より低い電圧を出力できないので、出力の直流電圧は入力電圧の最大値より常に高くなければなりません。240 Vの実効値の最大値は √2 × 240 ≈ 339 Vなので、余裕をみて380〜400 V程度に設定します。この直流電圧を、後段の絶縁形のDC-DCコンバータで必要な電圧に変換します。

解説の中の「力率改善回路」

「力率改善回路」が出てくる問題(6問)

  1. 電源回路に使われる力率改善(PFC)回路の目的として正しいものはどれか。
  2. 交流100〜240 Vで使える電源の昇圧形の力率改善回路(PFC回路)で、出力の直流電圧を380〜400 V程度に設定することが多い理由として、正しいものはどれか。
  3. スーパージャンクション(SJ)MOSFETの特徴として正しいものはどれか。
  4. SiCショットキーバリアダイオードが、インバータなどの還流ダイオードとして使われる主な利点はどれか。
  5. 入力より高い直流電圧を出力するDC-DCコンバータはどれか。
  6. 入力電流が正弦波でなく高調波を多く含む電源装置で、電流の基本波が電圧と同相でも、力率が1にならない理由として、正しいものはどれか。

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