パワーエレクトロニクス回路
入力電流が正弦波でなく高調波を多く含む電源装置で、電流の基本波が電圧と同相でも、力率が1にならない理由として、正しいものはどれか。
- A高調波の電流も電圧と掛け合わされて有効電力を大きく増やすので、有効電力が皮相電力より大きくなってしまうため
- B正弦波の電圧と周波数の違う高調波の電流は平均の電力を運ばないが、電流の実効値を大きくするため
- C高調波の電流が流れると、電圧の基本波の位相が電流より90°遅れるため
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正解:B. 正弦波の電圧と周波数の違う高調波の電流は平均の電力を運ばないが、電流の実効値を大きくするため
力率は、有効電力を皮相電力(電圧の実効値 × 電流の実効値)で割った値です。正弦波の電圧と周波数の違う高調波の電流の積は、1周期で平均すると0になるので、有効電力は基本波の電流だけで決まります。一方、高調波も電流の実効値を増やすので皮相電力は大きくなり、力率は「基本波の位相差による力率(cos φ)」と「基本波の実効値 ÷ 全電流の実効値」の積になります。例えば、cos φ = 0.9で基本波が全電流の0.8倍なら、力率は 0.9 × 0.8 = 0.72です。コンデンサで平滑する整流回路の入力電流がこの例で、力率改善回路で電流を正弦波に近づけます。
- A. 有効電力が皮相電力を超えることはありません。力率は0から1の間の値です。
- B. 正しい。有効電力は増えずに電流の実効値だけが増えるので、力率が下がります。
- C. 高調波の電流が電圧の位相を変えるわけではありません。力率が下がるのは、電流の実効値が増えるからです。