内部統制とは

ないぶとうせい

組織の目的を達成するために、組織の中のすべての人によって行われる、業務に組み込まれた仕組みと手続。日本の内部統制報告制度(J-SOX)の考え方では、目的を、業務の有効性及び効率性、報告の信頼性、事業活動に関わる法令等の遵守、資産の保全の4つとし、基本的要素を、統制環境、リスクの評価と対応、統制活動、情報と伝達、モニタリング、IT(情報技術)への対応の6つとする。米国のCOSOのフレームワークがもとになっている。

「内部統制」は、1分野の5問の練習問題に出てきます(サービスマネジメントとシステム監査など)。

この用語の分野: サービスマネジメントとシステム監査

4つの目的

業務の有効性及び効率性は、事業の目的に沿って業務を効果的・効率的に進めることです。報告の信頼性は、財務報告などの報告が信頼できることで、J-SOXでは特に財務報告の信頼性が評価の対象になります。法令等の遵守は、事業活動に関わる法令や規範を守ることです。資産の保全は、資産の取得・使用・処分が正当な手続と承認のもとで行われるようにすることです。COSOのフレームワークの3つの目的(業務、報告、法令等の遵守)に、日本では資産の保全を加えています。

6つの基本的要素

統制環境は、組織の気風を決め、ほかの要素の基礎となるもので、経営者の誠実性や倫理観、組織の構造、権限と責任の割当てなどを含みます。リスクの評価と対応は、目的の達成を妨げるリスクを識別・評価して対応を選ぶことです。統制活動は、承認、照合、職務の分離などの方針と手続です。情報と伝達は、必要な情報を正しく把握し、組織の中や外に適切に伝えることです。モニタリングは、内部統制が有効に働いているかを継続して評価することで、日常的モニタリングと独立的評価があります。ITへの対応は、ITの環境を踏まえて、ITを利用した統制や、IT自体の統制を行うことで、COSOの5つの要素に日本で加えられた要素です。

IT全般統制とIT業務処理統制

ITへの対応の統制は、IT全般統制とIT業務処理統制に分けられます。IT業務処理統制は、個々の業務のシステムの中に組み込まれて、取引のデータが正しく処理されることを確かめる統制で、入力データのチェック、自動の計算、マスタの整合の確認などがあります。IT全般統制は、業務処理統制が有効に働く環境を保つための統制で、システムの開発・保守、運用の管理、アクセスの管理、外部委託の管理などがあります。全般統制が弱いと、業務処理統制のプログラムが無断で変更されるおそれがあり、業務処理統制にも頼れなくなります。

内部統制の練習問題に挑戦

日本の金融商品取引法に基づく内部統制報告制度(J-SOX)の考え方で、内部統制の4つの目的の一つとして、適切なものはどれか。

  1. A市場での占有率の拡大
  2. B新製品の開発の速度の向上
  3. C資産の保全
答えと解説を見る

正解:C. 資産の保全

J-SOXの考え方では、内部統制の目的を、業務の有効性及び効率性、報告の信頼性(財務報告の信頼性を含む)、事業活動に関わる法令等の遵守、資産の保全の4つとしています。米国のCOSOのフレームワークが示す3つの目的(業務、報告、法令等の遵守)に、資産の保全を加えたものです。市場での占有率の拡大や開発の速度の向上は、経営の目標や戦略の内容で、内部統制の目的ではありません。

内部統制の基本的要素のうち、統制環境の説明として、適切なものはどれか。

  1. A組織の目標の達成を妨げるリスクを識別・分析・評価し、それへの対応を選ぶこと
  2. B組織の気風を決め、ほかのすべての基本的要素の基礎となるもので、経営者の誠実性や倫理観、組織の構造、権限と責任の割当てなどを含むもの
  3. C経営者の命令や指示が適切に実行されるように定めた、承認、照合、職務の分離などの方針と手続
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正解:B. 組織の気風を決め、ほかのすべての基本的要素の基礎となるもので、経営者の誠実性や倫理観、組織の構造、権限と責任の割当てなどを含むもの

日本の内部統制の考え方では、基本的要素を、統制環境、リスクの評価と対応、統制活動、情報と伝達、モニタリング、IT(情報技術)への対応の6つとしています。統制環境は、組織の気風を決め、組織の中の人の統制に対する意識に影響を与えるもので、ほかの基本的要素の基礎になります。経営者の誠実性と倫理観、経営方針、取締役会や監査役の機能、組織の構造、権限と責任の割当て、人事の方針などが含まれます。

よくある質問

内部統制は、不正や誤りを完全に防げますか?

完全には防げません。担当者どうしの共謀や、経営者が内部統制を無視する場合、想定していなかった取引などには限界があります。内部統制は、目的の達成について合理的な(絶対的ではない)保証を与えるものとされています。

内部統制とシステム監査はどう関係しますか?

内部統制は、経営者が責任をもって整備・運用する仕組みです。システム監査や内部監査は、その仕組みのうち情報システムに関わる部分が有効に働いているかを、独立した立場から評価するもので、内部統制のモニタリングのうち独立的評価に当たります。

解説の中の「内部統制」

「内部統制」が出てくる問題(5問)

  1. 日本の金融商品取引法に基づく内部統制報告制度(J-SOX)の考え方で、内部統制の4つの目的の一つとして、適切なものはどれか。
  2. 内部統制の基本的要素のうち、統制環境の説明として、適切なものはどれか。
  3. 購買の業務の内部統制で、職務分掌の考え方に沿った対応として、適切なものはどれか。
  4. 内部統制の基本的要素であるモニタリングには、日常的モニタリングと独立的評価がある。独立的評価に当たるものはどれか。
  5. 内部統制の「ITへの対応」のうち、IT全般統制に当たるものはどれか。

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