SLC・MLC・TLC・QLCの違い:寿命・速度・コストを比較

名前は、NAND型フラッシュの1つのセルが何ビットを記憶するかを表しています。1ビットがSLC、2ビットがMLC、3ビットがTLC、4ビットがQLCです。1セルに多くのビットを入れるほど、同じシリコン面積で容量が増え、1ビットあたりのコストが下がります。ただし、セルは電圧の段階をより細かく見分けなければならず、その間隔も狭くなります。そのため、SLCからQLCへ進むほど、書き換え寿命、速度、信頼性は悪くなります。

項目SLCMLCTLCQLC
1セルのビット数1234
しきい値電圧の状態の数24816
書き換え寿命(書き込み/消去の回数)約5万〜10万回数千〜1万回数千回約1,000回
書き込み速度最も速い速いやや遅い最も遅い
読み出しの遅延最も小さい小さいやや大きい最も大きい
誤り率とECC最も低い。軽い誤り訂正で足りる低い高め。強いECCが必要最も高い。最も強いECCとリードリトライが必要
1ビットあたりのコスト最も高い高い安い最も安い
同じ面積での容量最も小さいSLCの2倍SLCの3倍SLCの4倍
主な用途産業用や航空宇宙向けのストレージ、企業向けの書き込みキャッシュ以前の企業向けや高級な民生用のSSD主流の民生用SSD、スマートフォン、メモリカード大容量で安いドライブ、読み出しが中心の保存用

数値は代表的な目安で、世代や製品によって異なります。

どんなときに使うか

SLC
価格より寿命と信頼性を重視するとき。産業機器、ログの記録、ほかのSSDの高速なキャッシュ領域など。
TLC
今の主流です。コスト、速度、寿命のバランスがよく、パソコンやスマートフォンで広く使われます。
QLC
価格あたりの容量を重視し、読み出しが中心のとき。大容量の保存用、ゲームのライブラリ、アーカイブなど。
組み合わせ
TLCやQLCのSSDの多くは、空き領域の一部を高速なSLCモードのキャッシュとして使い、書き込みの集中を吸収します。このキャッシュがいっぱいになると、書き込み速度が落ちます。

よくある質問

TLCとQLCではどちらが良いですか?

TLCは、速く、書き換え寿命も長いので、主流の選択肢です。QLCは、1GBあたりが安く、読み出しが中心の保存用に向きますが、劣化が早いです。

1セルのビット数が増えると、なぜ寿命が下がるのですか?

ビット数が増えるほど、しきい値電圧の段階が多く、間隔が狭くなるので、摩耗によって段階が広がると、読み出し誤りがより早く起こります。

SLCキャッシュとは何ですか?

多くのTLCやQLCのSSDは、空き領域の一部を高速なSLCモードで使い、書き込みの集中を吸収します。このキャッシュがいっぱいになると、書き込み速度が落ちます。

QLCは電圧をいくつの段階に見分けますか?

16段階です。SLCは2、MLCは4、TLCは8です。

理解度チェック

SLC(Single-Level Cell)型のフラッシュメモリは、1つのセルに何ビットを記憶するか。

  1. A2ビット
  2. B4ビット
  3. C1ビット
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正解:C. 1ビット

SLCは1つのセルに1ビット(2状態)を記憶します。状態の区別が容易なため、書き込みが速く、書き換え回数は約10万回と多く、データ保持や高温にも強い反面、同じセル数での容量は最も小さくなります。そのため産業機器や車載など高い信頼性が求められる用途に使われます。MLCは2ビット、TLCは3ビット、QLCは4ビットです。

SLC、MLC、TLCを、書き換え可能回数の多い順に並べたものはどれか。

  1. ATLC > MLC > SLC
  2. BSLC > MLC > TLC
  3. CMLC > SLC > TLC
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正解:B. SLC > MLC > TLC

1セルのビット数が少ないほど、しきい値電圧の状態の間隔が広く、酸化膜が劣化して分布が広がっても正しく読み出せるため、書き換え回数は多くなります。一般に SLC > MLC > TLC > QLC で、目安はSLCが約10万回、MLCが数千〜1万回、TLCが数千回、QLCが約1000回です。高い耐久性が必要な産業用や、SSDのキャッシュ領域ではSLCモードが使われます。

QLC(1セル4ビット)のNANDフラッシュで、1つのセルが区別しなければならないしきい値電圧の状態の数はいくつか。

  1. A4
  2. B8
  3. C16
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正解:C. 16

1セルにNビットを記憶するには2ᴺ個のしきい値電圧の状態を区別する必要があり、QLCでは2⁴ = 16状態です。使えるしきい値電圧の範囲(数V)はほぼ同じなので、状態の間隔はSLCの十数分の1になり、書き込みにはより細かい制御が必要です。そのためQLCは書き込みが遅く耐久性も低い代わりに容量単価が安く、読み出し中心のデータセンターや大容量SSDで使われます。

  1. TLCやQLCのSSDで、一部の領域をSLCとして使い、書き込みを一時的に受け止める仕組みの主な目的はどれか。
  2. SLC型のNANDフラッシュメモリの書き換え可能回数の目安として最も近いものはどれか。
  3. 多値(MLCやTLC)のNANDフラッシュで、隣り合うしきい値電圧の状態に割り当てるビットの並びを、1ビットだけ異なるようにする理由として正しいものはどれか。

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関連する用語の解説

SLC(シングルレベルセル)
フラッシュメモリの1つのセルに1ビットを記憶する方式。しきい値電圧の状態が2つだけなので、多値の方式より速く、書き換え可能回数も多い。
TLC(トリプルレベルセル)
フラッシュメモリの1つのセルに3ビットを記憶する方式。8つのしきい値電圧の状態を区別する必要があり、容量あたりのコストは下がるが、書き換え可能回数は少なくなる。1セル4ビットはQLC。
NAND型フラッシュメモリ
メモリセルを直列に接続した構造の不揮発性メモリ。高集積で大容量化しやすく、SSDやメモリカードに使われる。
3D NAND
NANDフラッシュのメモリセルを垂直方向に多数積み重ねて大容量化したもの。平面の微細化の限界を超えるために導入され、積層数は200層以上に達している。

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