SSDとは

えすえすでぃー

NAND型フラッシュメモリとコントローラでデータを記憶する補助記憶装置。機械的に動く部品がなく、HDDより高速なランダムアクセスと耐衝撃性をもつ。

「SSD」は、9分野の30問の練習問題に出てきます(SRAM・フラッシュメモリ, インターフェース・バス規格, CPU・アーキテクチャなど)。

この用語の分野: SRAM・フラッシュメモリ

SSDの構成

SSD(Solid State Drive)は、複数のNAND型フラッシュメモリのチップと、それを管理するコントローラ、多くの場合はアドレスの対応表を置くDRAMを基板に載せた記憶装置です。コントローラは、論理アドレスとフラッシュ上の物理的な位置を対応づけるFTL、誤りを訂正するECC、書き込みを全体に分散させるウェアレベリング、不要になったブロックを消去して空きをつくるガベージコレクションなどを担います。多数のチップを複数のチャネルで並列に動かすことで、1個のチップより高い転送速度を得ています。

インターフェースと形状

SSDとホストの接続には、HDDと同じSATAと、PCI Expressの上で動くNVMeがあります。SATAは規格上6 Gb/sが上限で、実際の転送速度は500 MB/s台程度にとどまります。NVMeのSSDはPCI Expressの複数のレーン(多くはx4)を使い、世代によっては数GB/sの転送速度が得られ、多数のコマンドを並行して処理できるため遅延も小さくなります。形状には、2.5インチのHDDと同じ大きさのものや、ノートパソコンなどで使われる細長い基板のM.2、データセンター向けの形状などがあります。

SSDとHDDの違い

HDDは回転する磁気ディスクの上でヘッドを動かして読み書きするため、離れた場所へのアクセスには数msの時間がかかります。SSDは機械的に動く部品がなく、ランダムな読み出しでも数十〜100 µs程度で応答するため、小さなファイルを多く扱う処理で特に速くなります。消費電力が小さく、衝撃や振動にも強く、音もしません。一方、容量あたりの価格は大容量のHDDのほうが一般に安く、データセンターでは大量のデータの保管にHDDも使われています。HDDはその場で上書きできますが、フラッシュは消去してから書く必要があり、これがSSDの内部処理を複雑にしています。

書き換え寿命とデータ保持

NAND型フラッシュメモリは書き換えのたびにセルの絶縁膜が劣化するため、SSDには書き込める総量の目安があり、TBW(総書き込み量)やDWPD(1日あたりの全容量書き込み回数)で示されます。1セルに記憶するビット数が多いTLCやQLCほど、一般に書き換え回数の上限は小さくなります。ホストから削除を知らせるTRIMや、ユーザーから見えない予備領域(オーバープロビジョニング)は、書き込み増幅を抑えて寿命を延ばします。電源を切ったままのデータ保持期間は消耗の程度と保管温度で大きく変わり、消耗の進んだSSDを高温で長く保管するとデータが失われるおそれがあります。

SSDの練習問題に挑戦

SSDなどで使われるウェアレベリングの目的として正しいものはどれか。

  1. Aデータを圧縮して容量を増やす
  2. Bデータを暗号化して保護する
  3. C書き込みを特定のブロックに集中させず、全体に分散させて寿命を延ばす
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正解:C. 書き込みを特定のブロックに集中させず、全体に分散させて寿命を延ばす

ブロックには書き換え回数の上限があるため、同じ論理アドレスばかりに書くとそこだけが早く寿命を迎えます。ウェアレベリングでは、コントローラが論理アドレスと物理ブロックの対応表(FTL)を管理し、書き込みを消去回数の少ないブロックへ振り分けます。書き換えの少ない静的データも時々移動させて、全ブロックの消耗をそろえることで、製品全体の寿命を延ばします。

SSDのガベージコレクションの説明として正しいものはどれか。

  1. A無効になったデータを含むブロックから有効なデータを別の場所に移し、ブロックを消去して空き領域をつくる処理
  2. Bコンピュータウイルスを除去する処理
  3. Cデータを圧縮する処理
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正解:A. 無効になったデータを含むブロックから有効なデータを別の場所に移し、ブロックを消去して空き領域をつくる処理

NANDは上書きができず、消去はブロック単位でしか行えないため、書き換えのたびに古い版が無効なページとして残ります。コントローラは無効ページが多いブロックを選び、有効なデータを別のブロックに移してから元のブロックを消去し、空き領域をつくります。この余分なコピーが書き込み増幅の原因で、空き容量が少ないほど頻繁になり、書き込み性能が落ちます。

よくある質問

SSDとHDDはどちらが速いですか?

一般にSSDのほうが速く、特にランダムアクセスでは、ヘッドの移動に数msかかるHDDに対し、SSDは数十〜100 µs程度で応答します。容量あたりの価格は大容量のHDDのほうが安いため、用途で使い分けます。

NVMeのSSDとSATAのSSDの違いは何ですか?

SATAはHDD向けに作られた接続方式で、規格上6 Gb/sが上限です。NVMeはPCI Expressの上で動くフラッシュ向けの方式で、複数のレーンと多数のコマンドの並列処理により、より高い転送速度と小さな遅延が得られます。

SSDは電源を切ったままでもデータを保持できますか?

NAND型フラッシュメモリは不揮発性なので、電源を切ってもデータは残ります。ただし保持できる期間は、書き換えによる消耗の程度と保管温度によって変わり、消耗したSSDを高温で長く保管するとデータが失われるおそれがあります。

解説の中の「SSD」

「SSD」が出てくる問題(30問)

  1. SSDなどで使われるウェアレベリングの目的として正しいものはどれか。
  2. SSDのガベージコレクションの説明として正しいものはどれか。
  3. TLCやQLCのSSDで、一部の領域をSLCとして使い、書き込みを一時的に受け止める仕組みの主な目的はどれか。
  4. OSが削除したファイルの領域をSSDに通知し、ガベージコレクションを効率化するためのコマンドはどれか。
  5. HDD(ハードディスク)と比べたときのSSDの特徴として正しいものはどれか。
  6. SSDの「オーバープロビジョニング」の説明として正しいものはどれか。
  7. SSDの「書き込み増幅(ライトアンプリフィケーション)」の説明として正しいものはどれか。
  8. 高速なSSDとホストの接続に広く使われている、PCI Expressを利用したインターフェース規格はどれか。
  9. x4のPCI ExpressのSSDを、マザーボードのx16の長さのスロットに差し込むとどうなるか(スロットがx4以上の配線を持つとする)。
  10. ネットワークカードやNVMeのSSDなどで広く使われる、メモリ上の記述子(ディスクリプタ)の輪(リング)を使ったDMAのしくみについて正しいものはどれか。
  11. SSDの性能を、連続の読み出しの帯域(MB/s)だけでなく、4 KBのランダムな読み出しのIOPS(1秒あたりの入出力の回数)でも示すことが多い理由として正しいものはどれか。
  12. パソコンやサーバーで、DRAMが主に使われる用途はどれか。
  13. NOR型と比べたときのNAND型フラッシュメモリの特徴として正しいものはどれか。
  14. フラッシュメモリで、1つのメモリセルに3ビットの情報を記憶する方式を何と呼ぶか。
  15. フラッシュメモリのデータ保持(リテンション)特性が悪くなりやすい条件はどれか。

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この用語が出てくる比較

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DRAM(ダイナミックRAM) SLC(シングルレベルセル) PCI Express ガベージコレクション TLC(トリプルレベルセル) しきい値電圧 ウェアレベリング 書き込み増幅(ライトアンプリフィケーション) NVMe NAND型フラッシュメモリ

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