NVMeとSATAのSSDの違い:速度・インターフェース・選び方

どちらも中身はフラッシュメモリのSSDですが、コンピュータとのつなぎ方が違います。SATAのSSDは、ハードディスク用に作られたSATAインターフェースを使い、速度は約550 MB/sが上限です。NVMeのSSDは、PCI Expressを使い、フラッシュ用に作られたプロトコルで通信するので、3〜14 GB/s以上の速度が出て、遅延も小さいです。普段の使い方では違いは小さいですが、大きなファイルの転送や重い作業では、NVMeがはるかに速くなります。

項目SATAのSSDNVMeのSSD
インターフェースSATA III、6 Gb/sPCI Express。多くはx4レーン
シーケンシャルの速度最大でも約550 MB/sPCIe 3.0 x4で約3.5 GB/s、PCIe 4.0 x4で約7 GB/s、PCIe 5.0 x4で約14 GB/s
プロトコルAHCI。ハードディスク向けに設計されたNVMe。フラッシュメモリ向けに設計された
コマンドキュー1つのキューに32コマンド最大65,535のキューに、それぞれ最大65,536コマンド
遅延大きめ(約100マイクロ秒)小さい(数十マイクロ秒)
形状2.5インチのドライブと、M.2のSATAM.2、U.2またはU.3、アドインカード
消費電力と発熱小さい(数W)最高速では大きい。速いドライブは、速度の低下を防ぐためにヒートシンクが必要なことが多い
互換性古いパソコンでも、2.5インチのベイでも使えるM.2またはPCIeのスロットと、NVMeから起動できるファームウェアが必要
価格安い。エントリー向けのNVMeと同程度最速のものはやや高い。エントリー向けのNVMeは、SATAに近い価格になっている
向いている用途古いパソコンやノートパソコンの増強、大容量の保存用新しいパソコン、ゲーム、動画編集、ワークステーション、サーバー

数値は代表的な目安で、世代や製品によって異なります。

どんなときに使うか

SATAのSSD
パソコンにNVMeのスロットがないとき、またはハードディスクからの手軽で安い置き換えをしたいとき。
NVMeのSSD
M.2スロットがあり、大きなファイルを頻繁に動かすとき、または遅延を小さくしたいとき。新しいシステムの標準的な選択です。
先に確認すること
M.2スロットは、SATA用、NVMe用、またはその両方があります。M.2のSATAとM.2のNVMeのドライブは見た目が似ているので、購入前にマニュアルで確認してください。

よくある質問

NVMeはSATAよりずっと速いですか?

シーケンシャルの転送ではそうです。SATAは約550 MB/sが上限ですが、PCIe 4.0 ×4のNVMeは約7 GB/sに達します。普段の使い方では、違いは小さく感じます。

NVMeのSSDは、どのM.2スロットでも使えますか?

使えません。M.2スロットは、SATA用、NVMe用、またはその両方があり、ドライブは見た目が似ています。購入前に、マザーボードやノートパソコンのマニュアルで確認してください。

NVMeのSSDは熱くなりますか?

速いものは、最高速度で消費電力が大きいので熱くなり、速度の低下を防ぐために、ヒートシンクが必要なことが多いです。SATAのSSDは、熱くなりにくいです。

なぜNVMeは遅延が小さいのですか?

NVMeは、フラッシュメモリ向けに設計され、PCIeで通信し、最大65,535のキューに、それぞれ最大65,536コマンドを持てます。SATAのAHCIプロトコルは、32コマンドの1つのキューだけです。

理解度チェック

PCI Express 3.0(1レーンあたり8 GT/s、128b/130b符号化)のx16接続の、片方向の実効的な帯域に最も近いものはどれか。

  1. A約128 GB/s
  2. B約1 GB/s
  3. C約16 GB/s
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正解:C. 約16 GB/s

1レーンの実効的な速度は8 Gb/s×128/130≒7.88 Gb/sで、8で割ると約0.985 GB/sです。16レーンなら約15.8 GB/s、つまり約16 GB/sが片方向の帯域になり、送受信を合わせると約32 GB/sです。PCI Expressの帯域は、世代(1レーンの速度)、符号化の効率、レーン数の掛け算で求められます。実際にはパケットの見出しなどのむだがあり、もう少し小さくなります。

PCI Expressの「レーン」の説明として正しいものはどれか。

  1. A送信用と受信用の差動ペアを1組ずつ持つ接続の単位で、レーンを束ねて帯域を増やせる
  2. B1本の線で、送信と受信を交互に切り替えて行う単位
  3. CPCI Expressの機器を差し込むスロットの物理的な長さ
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正解:A. 送信用と受信用の差動ペアを1組ずつ持つ接続の単位で、レーンを束ねて帯域を増やせる

PCI Expressの1レーンは、送信用の差動ペアと受信用の差動ペアの計4本の線でできていて、両方向に同時にデータを送れます。x4やx16のようにレーンを束ねると、データを各レーンに振り分けて送るので、帯域はレーン数に比例して増えます。グラフィックスカードはx16、SSDはx4、ネットワークカードはx1〜x8などがよく使われます。

PCI Expressの世代が1つ進むごとの、1レーンあたりの信号の速度の変化として、第3世代から第6世代について正しいものはどれか。

  1. Aおよそ2倍ずつになる(8→16→32→64 GT/s)
  2. B1.1倍ずつ少しずつ増える
  3. C世代が進んでも速度は変わらず、レーン数だけが増える
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正解:A. およそ2倍ずつになる(8→16→32→64 GT/s)

PCI Expressの信号の速度は、第3世代の8 GT/s、第4世代の16 GT/s、第5世代の32 GT/s、第6世代の64 GT/sと、世代ごとにおよそ2倍になってきました。同じレーン数でも帯域が倍になるので、GPUや高速なSSD、ネットワークの速度向上に追いつけます。世代の間には互換性があり、新しい機器を古いスロットに差すと、両方が対応する速度で動きます。

  1. PCI Expressの1レーンが「全二重」であることの意味として正しいものはどれか。
  2. ネットワークカードやNVMeのSSDなどで広く使われる、メモリ上の記述子(ディスクリプタ)の輪(リング)を使ったDMAのしくみについて正しいものはどれか。
  3. HDD(ハードディスク)と比べたときのSSDの特徴として正しいものはどれか。

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関連する用語の解説

NVMe
PCI Expressで接続したSSDを高速に扱うためのインターフェースの規格。多数のコマンドを並列に処理でき、HDD向けに作られたSATAより遅延が小さい。

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