マルチサイクルパスとは

まるちさいくるぱす

データの受け渡しに複数のクロックサイクルを使ってよい経路を、STAに伝えるタイミング例外。セットアップをNサイクルにしたときは、ホールドも通常N − 1を指定して、確認するエッジを元の位置に戻す。

「マルチサイクルパス」は、1分野の3問の練習問題に出てきます(タイミング解析とCDCなど)。

この用語の分野: タイミング解析とCDC

マルチサイクルパスの練習問題に挑戦

周期 2.0 ns のクロックで動く回路で、データの到着時刻(クロック→出力遅延と組み合わせ回路の遅延の合計)が 3.3 ns、セットアップ時間が 0.1 ns の経路がある。この経路は2サイクルに1回だけ取り込めばよいので、セットアップのマルチサイクルパスを2に設定した。セットアップのスラックはいくらか。

  1. A−1.4 ns
  2. B+2.6 ns
  3. C+0.6 ns
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正解:C. +0.6 ns

マルチサイクルパスを2にすると、取り込みのエッジが1周期後ではなく2周期後になります。要求時刻は 2 × 2.0 − 0.1 = 3.9 ns、到着時刻は 3.3 ns なので、スラックは +0.6 ns です。−1.4 ns は通常の1サイクルのままで計算した値、+2.6 ns は3サイクル分の時間を与えた値です。マルチサイクルパスは、イネーブル信号などで実際に2サイクルごとにしか取り込まない回路であることを、設計者が確かめたうえで設定する必要があります。

セットアップのマルチサイクルパスを N(N ≥ 2)に設定したとき、ホールドについても通常マルチサイクルパスを N − 1 に設定する。その理由として正しいものはどれか。

  1. Aホールドの確認エッジもセットアップと一緒に後ろへずれて厳しくなりすぎるので、元の位置に戻すため
  2. Bホールドの確認エッジをさらに後ろへずらして、ホールドの余裕を増やすため
  3. Cその経路のホールドのチェックを、解析から除外するため
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正解:A. ホールドの確認エッジもセットアップと一緒に後ろへずれて厳しくなりすぎるので、元の位置に戻すため

STAの既定では、ホールドはセットアップの取り込みエッジの1つ前のエッジで確認します。セットアップを2サイクルにすると、ホールドの確認エッジも時刻0から1周期後に移り、周期が 2.0 ns なら、データが 2.0 ns 以上遅れて着かないと違反になってしまいます。ホールドのマルチサイクルパスを N − 1 = 1 に指定すると、確認エッジが時刻0に戻り、通常の経路と同じ条件になります。ホールドのチェックを外すわけではありません。

解説の中の「マルチサイクルパス」

「マルチサイクルパス」が出てくる問題(3問)

  1. 周期 2.0 ns のクロックで動く回路で、データの到着時刻(クロック→出力遅延と組み合わせ回路の遅延の合計)が 3.3 ns、セットアップ時間が 0.1 ns の経路がある。この経路は2サイクルに1回だけ取り込めばよいので、セットアップのマルチサイクルパスを2に設定した。セットアップのスラックはいくらか。
  2. セットアップのマルチサイクルパスを N(N ≥ 2)に設定したとき、ホールドについても通常マルチサイクルパスを N − 1 に設定する。その理由として正しいものはどれか。
  3. フォールスパス(set_false_path)を設定するのが適切な経路はどれか。

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