降圧チョッパ(バックコンバータ)とは

こうあつちょっぱ

スイッチ、ダイオード(または2つ目のスイッチ)、インダクタ、コンデンサで、入力より低い直流電圧をつくるDC-DCコンバータ。スイッチがオンの時間の割合(デューティ比)Dを変えて出力を調整し、電流連続モードの理想的な出力電圧は D × 入力電圧 になる。CPUやSoCのコアの電源、12 Vや5 Vからの各電圧の生成など、最も広く使われる非絶縁形のコンバータである。

「降圧チョッパ(バックコンバータ)」は、2分野の10問の練習問題に出てきます(パワーエレクトロニクス回路, パワー半導体など)。

この用語の分野: パワーエレクトロニクス回路

動作と変換比

スイッチがオンの間、インダクタには (Vin − Vout) がかかって電流が増え、オフの間はダイオード(還流ダイオード)を通して −Vout がかかって電流が減ります。定常状態ではこの2つの電圧と時間の積がつり合うので、(Vin − Vout) × D = Vout × (1 − D) から Vout = D × Vin です。例えば12 VからD = 0.25で3 Vが得られます。

インダクタとコンデンサの選び方

インダクタの電流の脈動は ΔI = (Vin − Vout) × D/(L × f) で、出力電流の20〜40%程度になるようにLを選ぶのが一つの目安です。出力電流が ΔI/2 より小さくなると、電流が0まで下がる電流不連続モードになります。出力電圧の脈動は、理想的なコンデンサでは ΔI/(8fC) で、実際にはこれにESRによる ΔI × ESR が加わります。

損失と高効率化

主な損失は、スイッチとダイオードの導通損失、スイッチング損失、インダクタの巻線と鉄心の損失です。出力電圧が低いとダイオードの順方向電圧の割合が大きいので、ダイオードをMOSFETに置き換える同期整流が標準的に使われます。12 Vから1 Vのように変換比が大きいとデューティ比は約8%と小さくなり、1 MHzではオンの時間が約83 nsしかないので、制御や素子の速さが課題になります。

降圧チョッパ(バックコンバータ)の練習問題に挑戦

理想的な降圧チョッパ(バックコンバータ)で、入力電圧12 V、スイッチのデューティ比0.25のときの出力電圧はいくらか。

  1. A3 V
  2. B9 V
  3. C48 V
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正解:A. 3 V

理想的な降圧チョッパの出力電圧は「入力電圧 × デューティ比」で、12 V × 0.25 = 3 V です。スイッチのオン時間の割合を変えて出力を調整し、コイルとコンデンサで平均化して滑らかな直流にします。ダイオードの代わりにMOSFETを使う同期整流で効率は90%を超えます。CPUやメモリの低い電源電圧は、マザーボード上の多相の降圧チョッパでつくられています。

降圧チョッパ(バックコンバータ)で、スイッチがオフの間にインダクタの電流が流れる経路として、正しいものはどれか。

  1. A入力の電源からスイッチを通って、インダクタへ流れ続ける
  2. Bダイオードを通って還流し、インダクタから出力へ流れ続ける
  3. Cインダクタの電流はスイッチがオフになった瞬間に0になり、どこにも流れない
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正解:B. ダイオードを通って還流し、インダクタから出力へ流れ続ける

降圧チョッパでは、スイッチがオンの間に、入力からインダクタを通って出力へ電流が流れ、インダクタにエネルギーがたまります。スイッチがオフになると、インダクタは電流を流し続けようとするので、ダイオード(還流ダイオード)が導通し、グランドからダイオードとインダクタを通って出力へ電流が流れます。そのため出力側の電流は途切れず、出力の脈動を小さくできます。このダイオードの代わりにMOSFETを使うのが同期整流です。

よくある質問

降圧チョッパの出力電圧が入力電圧より高くならないのはなぜですか?

デューティ比Dは0から1の間なので、理想的な出力電圧 D × Vin は入力電圧を超えません。出力は、入力を切り刻んだ電圧の平均値と考えることができます。入力より高い電圧が必要なときは、昇圧チョッパや昇降圧チョッパを使います。

同じデューティ比でも、負荷が軽いと出力電圧が上がるのはなぜですか?

ダイオードで還流する降圧チョッパは、負荷が軽くなると電流不連続モードになります。インダクタの電流が0の期間はスイッチの接続点の電圧が出力電圧と等しくなるので、その平均が上がり、出力電圧が D × Vin より高くなります。実際の電源では、フィードバック制御でデューティ比を下げて出力を一定に保ちます。

解説の中の「降圧チョッパ(バックコンバータ)」

「降圧チョッパ(バックコンバータ)」が出てくる問題(10問)

  1. 理想的な降圧チョッパ(バックコンバータ)で、入力電圧12 V、スイッチのデューティ比0.25のときの出力電圧はいくらか。
  2. 降圧チョッパ(バックコンバータ)で、スイッチがオフの間にインダクタの電流が流れる経路として、正しいものはどれか。
  3. 降圧チョッパの理想的な出力電圧 Vout = D × Vin を導くときの根拠として、正しいものはどれか。
  4. 理想的な降圧チョッパで、入力電圧12 V、出力電圧3 V、インダクタンス15 µH、スイッチング周波数300 kHzのとき、電流連続モードでのインダクタ電流の脈動(山から谷まで)として正しいものはどれか。
  5. 入力電圧12 V、出力電圧3 V、インダクタンス15 µH、スイッチング周波数300 kHzの理想的な降圧チョッパ(ダイオードで還流するもの)で、負荷の電流を減らしていく。電流連続モードを保てる最小の出力電流(電流不連続モードとの境界)はどれか。
  6. 降圧チョッパの出力コンデンサに、インダクタ電流の脈動(山から谷まで0.6 A)の交流分がすべて流れるとする。スイッチング周波数300 kHz、出力コンデンサ25 µF(ESRは無視する)のとき、出力電圧の脈動(山から谷まで)はどれか。
  7. 同期整流の降圧チョッパで、上下のMOSFETがどちらもオフになっているデッドタイムの間、インダクタの電流が流れる経路として、正しいものはどれか。
  8. 理想的な昇圧チョッパ(ブーストコンバータ)で、入力電圧5 V、スイッチのデューティ比0.6のとき、電流連続モードでの出力電圧として正しいものはどれか。
  9. DC-DCコンバータの電流連続モード(CCM)の説明として、正しいものはどれか。
  10. フォワードコンバータで、変圧器のリセット巻線(またはクランプ回路)が必要になる理由として、正しいものはどれか。

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