同期整流とは

どうきせいりゅう

DC-DCコンバータなどで、整流や還流に使うダイオードの代わりにMOSFETを置き、ダイオードが導通すべきタイミングでオンにして電流を流す方式。損失がダイオードの 順方向電圧 × 電流 から、MOSFETの 電流² × オン抵抗 に変わり、例えば10 Aでは、順方向電圧0.5 Vのダイオードの5 Wが、オン抵抗5 mΩのMOSFETでは0.5 Wになる。出力電圧が低いほど効果が大きい。上下のスイッチが同時にオンしないようにデッドタイムが必要で、その間はボディダイオードが電流を流す。

「同期整流」は、2分野の6問の練習問題に出てきます(パワーエレクトロニクス回路, パワー半導体など)。

この用語の分野: パワーエレクトロニクス回路

同期整流の練習問題に挑戦

低い出力電圧のDC-DCコンバータで、還流用のダイオードの代わりにMOSFETを使う同期整流の主な目的はどれか。

  1. A出力電圧を入力電圧より高くするため
  2. B負荷の電流が変わっても、スイッチング周波数を自動で一定に保てるようにするため
  3. Cダイオードの順方向電圧による導通損失を減らして、効率を上げるため
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正解:C. ダイオードの順方向電圧による導通損失を減らして、効率を上げるため

ダイオードには、ショットキーバリアダイオードでも0.3〜0.5 V程度の順方向電圧があり、電流 × 順方向電圧の損失が生じます。オン抵抗の小さいMOSFETをダイオードの代わりにオンにすると、損失は 電流² × オン抵抗 になり、大きく減らせます。出力電圧が1 V前後と低いほど、ダイオードの電圧降下が出力電圧に対して大きな割合になるので、同期整流の効果が大きくなります。そのかわり、2つのスイッチが同時にオンしないように、デッドタイムを設けて駆動する必要があります。

同期整流の降圧チョッパで、上下のMOSFETがどちらもオフになっているデッドタイムの間、インダクタの電流が流れる経路として、正しいものはどれか。

  1. Aインダクタの電流は、デッドタイムの間だけ完全に止まる
  2. B下側のMOSFETのボディダイオード(または並列のショットキーバリアダイオード)を流れる
  3. C上側のMOSFETのゲート絶縁膜を通り抜けて、ゲート駆動回路の電源から入力の電源へ戻るように流れる
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正解:B. 下側のMOSFETのボディダイオード(または並列のショットキーバリアダイオード)を流れる

インダクタの電流は急に止まれないので、上下のMOSFETがどちらもオフの間は、下側のMOSFETのボディダイオードが導通して電流を流し続けます。ボディダイオードは順方向電圧が大きく、逆回復の時間も長いので、デッドタイムが長すぎると損失が増えます。逆に短すぎると、上下が同時にオンして入力が短絡する貫通電流が流れます。そのため、デッドタイムは素子の速さに合わせて必要最小限にし、順方向電圧の低いショットキーバリアダイオードを並列に入れることもあります。

解説の中の「同期整流」

「同期整流」が出てくる問題(6問)

  1. 低い出力電圧のDC-DCコンバータで、還流用のダイオードの代わりにMOSFETを使う同期整流の主な目的はどれか。
  2. 同期整流の降圧チョッパで、上下のMOSFETがどちらもオフになっているデッドタイムの間、インダクタの電流が流れる経路として、正しいものはどれか。
  3. パワーMOSFETの内部に構造上できる寄生ダイオードを何と呼ぶか。
  4. 理想的な降圧チョッパ(バックコンバータ)で、入力電圧12 V、スイッチのデューティ比0.25のときの出力電圧はいくらか。
  5. 降圧チョッパ(バックコンバータ)で、スイッチがオフの間にインダクタの電流が流れる経路として、正しいものはどれか。
  6. 入力電圧12 V、出力電圧3 V、インダクタンス15 µH、スイッチング周波数300 kHzの理想的な降圧チョッパ(ダイオードで還流するもの)で、負荷の電流を減らしていく。電流連続モードを保てる最小の出力電流(電流不連続モードとの境界)はどれか。

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