直列接続と並列接続の違い:電流・電圧・合成抵抗・コンデンサ・電池を比較

部品を一列につなぐのが直列接続、両端をそろえて並べるのが並列接続です。直列では、すべての部品に同じ電流が流れ、電圧が部品ごとに分かれます。並列では、すべての部品に同じ電圧がかかり、電流が部品ごとに分かれます。このため抵抗は、直列では値の和になり、並列では逆数の和の逆数になって、いちばん小さい抵抗よりもさらに小さくなります。コンデンサだけは式が逆で、並列で和、直列で逆数の和の逆数になります。

項目直列接続並列接続
共通になる量電流(すべての部品に同じ電流が流れる)電圧(すべての部品に同じ電圧がかかる)
分かれる量電圧。抵抗の大きさに比例して分かれる(分圧)。12 Vに2 kΩと1 kΩなら8 Vと4 V電流。抵抗の大きさに反比例して分かれる(分流)。3 Aを10 Ωと20 Ωに流すと2 Aと1 A
合成抵抗R = R1 + R2 + …。100 Ω、200 Ω、300 Ωで600 Ω1/R = 1/R1 + 1/R2 + …。100 Ω、200 Ω、300 Ωで約54.5 Ω。2本なら積÷和
合成容量(コンデンサ)1/C = 1/C1 + 1/C2 + …で、小さくなる。10 µFと22 µFで約6.88 µFC = C1 + C2 + …で、足し算になる。10 µFと22 µFで32 µF
合成インダクタンス(磁気的な結合がないとき)L = L1 + L2 + …(抵抗と同じ形)1/L = 1/L1 + 1/L2 + …(抵抗と同じ形)
電力の大きい部品同じ電流なので、抵抗の大きいほう(P = I²R)同じ電圧なので、抵抗の小さいほう(P = V²/R)。同じ値の2本なら電力は半分ずつになるが、定格には余裕(ディレーティング)を持たせる
1つが切れた(開放した)とき回路全体の電流が止まるほかの部品には電流が流れ続ける
電池をつないだとき電圧が足し算になる(1.5 Vの乾電池2本で3 V)。容量(mAh)は1本分のまま電圧は1本分のまま。容量が足し算になり、長くもつ
電子回路での例分圧回路、LEDの電流を制限する抵抗、熱抵抗の積み重ね(接合部→ケース→放熱器)パワーMOSFETを並べてオン抵抗を下げる、ビアや電源の配線を何本も並べてIRドロップを減らす、デカップリングコンデンサ、家庭のコンセント

数値は代表的な目安で、世代や製品によって異なります。

どんなときに使うか

直列接続
電圧を分けたいとき(分圧回路)、すべての部品に同じ電流を流したいとき(複数のLEDを同じ電流で光らせるなど)、電池で高い電圧を作りたいときに使います。
並列接続
どの部品にも同じ電圧をかけ、1つが切れてもほかを動かし続けたいとき(家庭の配線)、抵抗を下げたり、流せる電流や静電容量を増やしたりしたいときに使います。

よくある質問

並列にすると、合成抵抗が小さくなるのはなぜですか?

電流の通り道が増え、同じ電圧に対して全体に流れる電流が増えるからです。オームの法則R = V/Iから、電流が増えれば合成抵抗は小さくなります。どんな値の抵抗を並列に足しても、合成抵抗はいちばん小さい抵抗より小さくなり、6 Ωと3 Ωの並列は18 ÷ 9 = 2 Ωです。

コンデンサだけ、直列と並列の式が逆になるのはなぜですか?

平行平板コンデンサの容量はC = εS/d(S:極板の面積、d:極板の間隔)で、並列につなぐのは極板の面積を広げること、同じコンデンサを直列につなぐのは極板の間隔を広げることにあたるからです。式で見ると、直列では各コンデンサに同じ電荷Qがたまり、電圧Q/C1 + Q/C2 + …が足し合わされるので、1/C = 1/C1 + 1/C2 + …になります。

分圧回路に負荷をつなぐと、出力の電圧が下がるのはなぜですか?

負荷が下側の抵抗と並列になり、その部分の合成抵抗が小さくなるからです。10 Vを10 kΩと10 kΩで分けると出力は5 Vですが、下側に10 kΩの負荷をつなぐと下側は5 kΩになり、出力は10 × 5/15 ≈ 3.33 Vに下がります。分圧の抵抗を負荷より十分小さくするか、バッファ(ボルテージフォロワ)で受けます。

電池を並列につなぐときの注意は何ですか?

電圧の違う電池を並列にすると、電圧の高い電池から低い電池へ電流が流れ込みます。同じ種類で、残量のそろった電池どうしをつなぎます。リチウムイオン電池を組み合わせるときは、直列でも並列でも、電池ごとの電圧を監視する保護回路を使います。

理解度チェック

100 Ω、200 Ω、300 Ωの3本の抵抗を直列に接続したときの合成抵抗はいくらか。

  1. A約55 Ω
  2. B600 Ω
  3. C200 Ω
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正解:B. 600 Ω

直列接続の合成抵抗は各抵抗の和で、100 + 200 + 300 = 600 Ωです。直列では3本に同じ電流が流れ、電圧は抵抗値に比例して分かれます。例えば12 Vを加えると、電流は 12 V/600 Ω = 20 mA で、各抵抗の電圧は2 V、4 V、6 Vになります。同じ3本を並列にすると、合成抵抗は最も小さい100 Ωより小さい約55 Ωになります。

6 Ωと3 Ωの抵抗を並列に接続したときの合成抵抗はいくらか。

  1. A2 Ω
  2. B9 Ω
  3. C4.5 Ω
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正解:A. 2 Ω

2本の並列の合成抵抗は R1R2/(R1 + R2)(和分の積)で、6 × 3/(6 + 3) = 18/9 = 2 Ωです。逆数の和 1/6 + 1/3 = 1/2 の逆数としても求まります。並列の合成抵抗は、最も小さい抵抗(3 Ω)より小さくなります。並列では両方に同じ電圧がかかり、電流は抵抗に反比例して分かれるため、3 Ωには6 Ωの2倍の電流が流れます。

平行平板コンデンサで、極板の面積を2倍にし、極板の間隔を半分にすると、静電容量は何倍になるか。(極板の間の誘電体は変えない)

  1. A1倍(変わらない)
  2. B4倍
  3. C2倍
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正解:B. 4倍

平行平板コンデンサの容量は C = εS/d(ε:誘電率、S:極板の面積、d:間隔)で、面積に比例し間隔に反比例します。面積を2倍にすると2倍、間隔を半分にするとさらに2倍で、合わせて 2 × 2 = 4倍です。極板の間を比誘電率εrの誘電体で満たすと、容量はεr倍になります。積層セラミックコンデンサは、薄い誘電体を何層も重ねて大きな容量を得ています。

  1. 12 Vの直流電源に、電源の正極側から抵抗R1 = 2 kΩ、R2 = 1 kΩの順に直列に接続した(R2の他端は負極)。R2の両端の電圧はいくらか。(出力から電流は取り出さない)
  2. 10 Ωと20 Ωの抵抗を並列に接続し、全体に3 Aの電流を流した。20 Ωの抵抗に流れる電流はいくらか。
  3. 10 Vの直流電源に10 kΩと10 kΩの抵抗を直列に接続した分圧回路で、下側(グラウンド側)の抵抗に並列に10 kΩの負荷抵抗をつないだ。出力電圧(下側の抵抗の両端の電圧)に最も近いものはどれか。

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関連する用語の解説

オン抵抗
パワー半導体がオンのときの、電流が流れる経路の抵抗。小さいほど導通時の損失が少ない。
熱抵抗
熱の伝わりにくさを表す量で、単位は℃/W。発生する電力に熱抵抗を掛けると温度上昇が求まる。チップの接合部から周囲の空気までの熱抵抗はθJAと書く。
IRドロップ
電源配線の抵抗(R)に電流(I)が流れることで、回路に届く電源電圧が下がる現象。回路の遅延の増加や誤動作の原因になる。
ビア
多層配線で、上下の配線層の間を電気的につなぐ導体。絶縁膜にあけた穴に金属を埋め込んでつくる。
ディレーティング
信頼性を高めるため、電圧・電流・温度などを定格いっぱいではなく余裕をもたせて使うこと。例えば電圧は定格の70〜80%以下、接合温度は最大定格150 ℃に対して125 ℃以下で使う、といった基準を設ける。

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