リング共振器とは

りんぐきょうしんき

環状の導波路で、一周の光学的な長さが波長の整数倍になる波長だけで共振する素子。波長フィルタや小型の変調器に使われる。シリコンでは共振波長が1 ℃あたり約0.08 nmずれるため、ヒーターで温度を制御することが多い。

「リング共振器」は、1分野の5問の練習問題に出てきます(シリコンフォトニクスなど)。

リング共振器と透過スペクトル リング共振器 周長 L 入力 通過光 バス導波路 一周の光路長が波長の 整数倍になると共振 透過率 波長 FSR 共振波長で透過光が落ち込む 周長が短いほどFSRは広い FSR ≈ λ² ÷ (ng × L)
リング共振器と透過スペクトル · 図解集で見る

この用語の分野: シリコンフォトニクス

リング共振器の練習問題に挑戦

シリコンのリング共振器が、特定の波長の光にだけ強く反応する理由として正しいものはどれか。

  1. Aリングの材料が、その波長の光だけを吸収するバンドギャップをもつように選ばれているから
  2. Bリングの半径が光の波長とちょうど等しくなる波長でだけ、光がリングに入れるから
  3. Cリングを一周する光学的な経路長が波長の整数倍になる波長で、周回する光が強め合うから
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正解:C. リングを一周する光学的な経路長が波長の整数倍になる波長で、周回する光が強め合うから

リング共振器では、そばを通るバス導波路から光の一部がリングへ移り、リングを何度も周回します。一周の光学的な長さ(実効屈折率×周長)が波長の整数倍になる波長では、周回のたびに位相がそろって光が強め合い(共振)、バス導波路を通過する光がその波長だけ大きく落ち込みます。この性質を、特定の波長を取り出すフィルタや、共振波長を電気でずらす小型の変調器に使います。共振波長はとびとびに複数あり、半径数 µm〜数十 µmのリングが使われます。

リング共振器を使った光回路で、リングの近くにヒーターを設けて温度を制御することが多い理由はどれか。

  1. Aリングを高温に保つと、間接遷移型のシリコンでも通信波長の光を効率よく発光するようになるから
  2. B温度を上げるとシリコンの屈折率が大きく下がり、伝搬損失がほぼなくなるから
  3. C温度や製造ばらつきで共振波長がずれやすく、使う波長に合わせ込む必要があるから
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正解:C. 温度や製造ばらつきで共振波長がずれやすく、使う波長に合わせ込む必要があるから

シリコンは温度による屈折率の変化(熱光学係数、約1.8×10⁻⁴ /K)が大きく、Cバンドのリング共振器の共振波長は1 ℃あたり約0.07〜0.08 nm、長い方へずれます。共振の幅は0.1〜0.3 nm程度と狭いことが多く、数 ℃の変化でも使う波長から外れてしまいます。導波路の幅や厚さが数 nm違うだけでも、共振波長は数 nm程度ずれることがあります。そこで、ヒーターで温度を上げて共振波長をレーザーの波長に合わせ、状態を監視しながら制御します。ヒーターの電力が増えることがリング利用の課題の一つです。

解説の中の「リング共振器」

「リング共振器」が出てくる問題(5問)

  1. シリコンのリング共振器が、特定の波長の光にだけ強く反応する理由として正しいものはどれか。
  2. リング共振器を使った光回路で、リングの近くにヒーターを設けて温度を制御することが多い理由はどれか。
  3. リング共振器の周長を短くしたときの変化として正しいものはどれか。
  4. 標準的なシングルモードファイバから届く光をシリコンの光回路で受けるとき、偏光が問題になる理由として正しいものはどれか。
  5. 波長多重(WDM)の説明として正しいものはどれか。

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