正味現在価値(NPV)とは

しょうみげんざいかち

投資によって将来得られるキャッシュフローを、割引率を使って現在の価値に直して合計し、そこから投資額を引いた値。0より大きければ、その割引率のもとで投資する価値があると判断する。

「正味現在価値(NPV)」は、1分野の1問の練習問題に出てきます(経営戦略と会計の基礎(ストラテジ系)など)。

この用語の分野: 経営戦略と会計の基礎(ストラテジ系)

現在価値と割引率

今の100万円は、運用すれば1年後に利息の分だけ増えるので、1年後の100万円より価値があります。この考え方をお金の時間的な価値といい、将来の金額を、割引率rを使って (1 + r) の年数乗で割ることで、現在の価値に直します。たとえば割引率5%なら、1年後の105万円の現在価値は100万円です。割引率には、資金を調達する費用(資本コスト)や、投資に求める最低の利回りを使います。

NPVによる投資の判断

正味現在価値は、各年のキャッシュフローの現在価値の合計から、最初の投資額を引いた値です。NPVが0より大きければ、投資は割引率を上回る利回りを生むので価値があり、複数の案を比べるときはNPVの大きいほうが有利です。割り引かずに単純に合計すると、遠い将来の効果を過大に評価してしまいます。

IRRや回収期間との違い

内部収益率(IRR)は、NPVがちょうど0になる割引率で、投資の利回りを表します。回収期間は、投資額を何年で回収できるかを表す指標で、分かりやすい一方、回収した後のキャッシュフローを考えません。規模の違う投資を比べると、NPVとIRRで順位が変わることがあるので、目的に合わせて使い分けます。

正味現在価値(NPV)の練習問題に挑戦

1,000万円を投資して業務システムを導入すると、今後3年間、毎年末に400万円の費用の削減効果が見込まれる。割引率を年5%とし、1年後・2年後・3年後の現価係数(1 ÷ 1.05ⁿ)をそれぞれ0.952、0.907、0.864とするとき、この投資の正味現在価値(NPV)に最も近いものはどれか。

  1. A約89万円
  2. B約143万円
  3. C200万円
答えと解説を見る

正解:A. 約89万円

将来の効果を現在の価値に直すと、400 × (0.952 + 0.907 + 0.864) = 400 × 2.723 = 1,089.2万円です。ここから投資額1,000万円を引いた正味現在価値は約89万円で、0より大きいので、割引率5%のもとでは投資する価値があると判断できます。割り引かずに効果の合計1,200万円から投資額を引くと200万円(投資額に対する割合で20%)になりますが、お金の時間的な価値を考えると、将来の400万円は今の400万円より価値が小さくなります。

よくある質問

割引率は、どのように決めますか?

一般には、借入れや株主から資金を集める費用を平均した資本コストを基準にし、リスクの高い投資ほど高い割引率を使います。割引率を高くすると、遠い将来のキャッシュフローの現在価値が小さくなるので、回収に時間がかかる投資ほどNPVが小さくなります。

NPVとROIは、どう違いますか?

ROI(投資利益率)は、投資から得た利益を投資額で割った割合で、多くの場合、お金の時間的な価値を考えません。NPVは将来のキャッシュフローを割り引いて金額で評価するので、効果がいつ得られるかの違いを反映できます。

解説の中の「正味現在価値(NPV)」

「正味現在価値(NPV)」が出てくる問題(1問)

  1. 1,000万円を投資して業務システムを導入すると、今後3年間、毎年末に400万円の費用の削減効果が見込まれる。割引率を年5%とし、1年後・2年後・3年後の現価係数(1 ÷ 1.05ⁿ)をそれぞれ0.952、0.907、0.864とするとき、この投資の正味現在価値(NPV)に最も近いものはどれか。

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