減価償却とは

げんかしょうきゃく

長く使う設備や建物などの取得原価を、使う期間(耐用年数)にわたって費用として配分する会計の手続き。代表的な方法に定額法と定率法がある。

「減価償却」は、2分野の6問の練習問題に出てきます(経営戦略と会計の基礎(ストラテジ系), 半導体産業・市場など)。

この用語の分野: 経営戦略と会計の基礎(ストラテジ系)

減価償却の考え方

製造装置や建物は、買った年だけでなく、何年にもわたって売上を生むのに使われます。そのため、取得原価を買った年に一度に費用にするのではなく、耐用年数にわたって少しずつ費用にして、各年の収益と対応させます。各年に費用にした額が減価償却費で、取得原価から減価償却累計額を引いた残りが帳簿価額です。土地は使っても価値が減らないとみなされるので、減価償却しません。

定額法と定率法

定額法は、毎年同じ額を償却する方法で、1年あたりの減価償却費は (取得原価 − 残存価額) ÷ 耐用年数 です。定率法は、期首の帳簿価額に毎年同じ償却率を掛ける方法で、初めの年ほど費用が大きく、年がたつにつれて小さくなります。日本の税法の定率法には、償却額が一定の水準(償却保証額)を下回った年から、均等に償却する方法に切り替える仕組みがあります。

半導体の設備投資と減価償却

半導体の工場では、製造装置への投資が非常に大きいので、減価償却費が費用の大きな部分を占めます。減価償却費は現金の支出を伴わない費用なので、営業活動によるキャッシュフローは、利益に減価償却費を足し戻した分だけ大きくなります。そのため、設備の多い業界では、利益だけでなく、減価償却費を足し戻した指標やキャッシュフローも合わせて見ることがよくあります。

減価償却の練習問題に挑戦

取得原価1,200万円の検査装置を、耐用年数5年、残存価額0円として定額法で減価償却する。3年目の期末の帳簿価額(未償却残高)はどれか。

  1. A480万円
  2. B720万円
  3. C960万円
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正解:A. 480万円

定額法では毎年同じ額を費用として配分するので、1年あたりの減価償却費は (1,200 − 0) ÷ 5 = 240万円です。3年分の減価償却累計額は 240 × 3 = 720万円で、帳簿価額は 1,200 − 720 = 480万円になります。減価償却は、長く使う設備の取得原価を、使う期間にわたって費用として配分する手続きで、現金の支出は購入したときに済んでいます。

取得原価1,000万円の製造装置を、償却率0.4の定率法で減価償却する(償却保証額による償却方法の切替えは考えない)。2年目の期末の帳簿価額はどれか。

  1. A200万円
  2. B360万円
  3. C600万円
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正解:B. 360万円

定率法では、期首の帳簿価額に毎年同じ償却率を掛けて減価償却費を求めます。1年目は 1,000 × 0.4 = 400万円で帳簿価額は600万円、2年目は 600 × 0.4 = 240万円で、帳簿価額は 600 − 240 = 360万円です。初めの年ほど費用が大きく、年がたつにつれて小さくなるので、技術の進歩が速く早く価値が下がる設備の実態に近いとされます。

よくある質問

減価償却費を計上すると、その年に現金が出ていくのですか?

出ていきません。現金は設備を購入したときに支払っていて、減価償却は、その金額を後の年に費用として配分する手続きです。そのため、キャッシュフロー計算書では、利益に減価償却費を足し戻して、営業活動によるキャッシュフローを求めます。

定額法と定率法では、どちらが得ですか?

耐用年数全体で費用にする合計額は同じで、違うのは各年への配分です。定率法は初めの年の費用が大きいので利益と税金が早い時期に小さくなり、定額法は毎年の費用が一定なので利益が安定します。どちらを使うかは、会計の基準や税法の定めと、設備の価値の下がり方に合わせて選びます。

解説の中の「減価償却」

「減価償却」が出てくる問題(6問)

  1. 取得原価1,200万円の検査装置を、耐用年数5年、残存価額0円として定額法で減価償却する。3年目の期末の帳簿価額(未償却残高)はどれか。
  2. 取得原価1,000万円の製造装置を、償却率0.4の定率法で減価償却する(償却保証額による償却方法の切替えは考えない)。2年目の期末の帳簿価額はどれか。
  3. 半導体工場では、装置の稼働率を高く保つことが特に重視される。その理由として適切なものはどれか。
  4. 半導体メーカーが新しい製造装置を購入し、代金を現金で支払った。キャッシュフロー計算書で、この支出が記載される区分はどれか。
  5. 半導体工場の費用のうち、一般に変動費に分類されるものはどれか。
  6. 自社の工場で製造まで行うIDM(垂直統合型デバイスメーカー)と比べたときの、ファブレス企業の一般的な特徴として、適切なものはどれか。

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