制御工学の基礎

PID制御で、目標値をステップ状に変えた瞬間に操作量が大きく跳ね上がる(微分キック)のを防ぐ方法として正しいものはどれか。

  1. A微分を偏差ではなく、制御量(測定値)だけにかける
  2. B積分ゲインを大きくして、偏差をすばやく0に戻す
  3. Cサンプリング周期を短くして、微分の差分を細かく計算する
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正解:A. 微分を偏差ではなく、制御量(測定値)だけにかける

目標値がステップ状に変わると偏差も不連続に変わり、その微分は理論上無限大になるので、微分項が非常に大きな操作量を出してしまいます。制御量は制御対象の遅れのためになめらかにしか変わらないので、微分を制御量 y だけにかける(測定値微分形、PI-D制御)と、この跳ね上がりを防げます。同じ考え方で、比例も制御量だけにかけるI-PD制御もあります。目標値が一定のときは偏差の微分と制御量の微分は符号が逆なだけなので、外乱に対する応答は変わりません。

  • A. 正しい。目標値の変化が、微分項を通らなくなります。
  • B. 積分ゲインを上げても、微分項の跳ね上がりはなくなりません。
  • C. デジタルの微分 (e[k] − e[k − 1])/Ts は、Ts を短くすると、むしろ大きくなります。
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