制御工学の基礎

PID制御の微分(D)動作の性質と、実装での対策の組み合わせとして正しいものはどれか。

  1. A偏差を時間で積み重ねて定常偏差をなくす働きがあり、積分ワインドアップを防ぐために、操作量の上限と下限の制限を取り払う
  2. B高い周波数ほどゲインが小さくなるので雑音に強く、ローパスフィルタを入れると位相が遅れて不安定になるので、フィルタは入れずにそのまま使うようにする
  3. C偏差の変化の速さに応じた操作量で振動を抑えるが、高い周波数の雑音を大きく増幅するので、ローパスフィルタと組み合わせた不完全微分にする
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正解:C. 偏差の変化の速さに応じた操作量で振動を抑えるが、高い周波数の雑音を大きく増幅するので、ローパスフィルタと組み合わせた不完全微分にする

微分動作は、偏差の変化の速さに比例した操作量を出し、偏差が大きくなる前に先回りして応じるので、振動を抑えて減衰を増やす働きがあります。微分要素 s のゲインは周波数に比例して大きくなるため、センサの雑音のような高い周波数の成分を大きく増幅してしまいます。そこで、Td·s/(1 + Td·s/N) のように一次のローパスフィルタを組み合わせ(不完全微分)、高い周波数でのゲインを N 倍程度に制限します。N は8〜20程度に選ぶことが多くあります。

  • A. これは積分動作の説明です。また、制限を取り払っても、実際のアクチュエータの飽和はなくなりません。
  • B. 微分のゲインは高い周波数ほど大きくなるので、雑音に弱くなります。
  • C. 正しい。高い周波数でのゲインを制限したものが不完全微分です。
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