伝搬損失とは

でんぱんそんしつ

光が導波路やファイバを進むときに、散乱や吸収で失われるパワーの割合で、dB/cmやdB/kmで表す。シリコン導波路では側壁の凹凸による散乱が主な原因で、代表的な値は1〜3 dB/cm程度と、ファイバの約0.2 dB/kmよりはるかに大きい。

「伝搬損失」は、1分野の4問の練習問題に出てきます(シリコンフォトニクスなど)。

この用語の分野: シリコンフォトニクス

伝搬損失の練習問題に挑戦

伝搬損失が2 dB/cmのシリコン導波路を光が5 mm進んだとき、出口に残る光のパワーの割合に最も近いものはどれか。

  1. A約79%
  2. B約90%
  3. C約50%
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正解:A. 約79%

5 mmは0.5 cmなので、損失は2 dB/cm × 0.5 cm = 1 dBです。dBで表した損失Lと透過率Tの関係は T = 10^(−L/10) で、10^(−0.1) ≈ 0.79、つまり約79%が残ります。3 dBでおよそ半分、10 dBで10分の1になることを覚えておくと便利です。約90%は損失を0.5 dBとした場合、約50%は損失を3 dBとした場合の値です。dBを使うと、掛け算になる部品ごとの透過率を足し算で扱えるので、複数の部品の損失を合計しやすくなります。

シリコン導波路の伝搬損失(dB/cm)の主な原因の一つとされるものはどれか。

  1. Aエッチングでできた側壁の細かな凹凸による光の散乱
  2. B通信波長の光子が、シリコンの電子を価電子帯から伝導帯へ励起するバンド間吸収
  3. C導波路を囲む酸化膜の中で光が増幅されすぎて生じる、信号のひずみ
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正解:A. エッチングでできた側壁の細かな凹凸による光の散乱

シリコン導波路では、リソグラフィとエッチングで側壁にできる数 nm程度の凹凸が、光を導波路の外へ散乱させます。シリコンと酸化膜の屈折率差が大きく、導波路が細いために側壁にかかる光の強さも大きいので、散乱の影響を強く受けます。代表的なストリップ導波路の伝搬損失は条件によりますがおおむね1〜3 dB/cm程度(低損失なプロセスでは1 dB/cm未満)で、リブ導波路にする、幅を広げる、酸化や水素中の熱処理で側壁をなめらかにするなどして低減します。通信波長の光子エネルギーはシリコンのバンドギャップより小さいため、バンド間吸収は起こりません。

解説の中の「伝搬損失」

「伝搬損失」が出てくる問題(4問)

  1. 伝搬損失が2 dB/cmのシリコン導波路を光が5 mm進んだとき、出口に残る光のパワーの割合に最も近いものはどれか。
  2. シリコン導波路の伝搬損失(dB/cm)の主な原因の一つとされるものはどれか。
  3. シリコン導波路の伝搬損失を測るカットバック法の説明として正しいものはどれか。
  4. シリコン導波路(屈折率約3.5)を酸化膜(SiO2、屈折率約1.45)で囲む構造の特徴として正しいものはどれか。

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