デジタル信号処理の基礎
アナログフィルタの伝達関数 H(s) からデジタルフィルタを設計するときに使う、双一次変換の説明として正しいものはどれか。
- A虚軸全体を単位円に1対1で写すので折り返しは生じないが、周波数軸がゆがむため、重要な周波数をプリワーピングで補正する
- Bアナログフィルタのインパルス応答をそのままサンプリングして係数にするので、高い周波数の成分が折り返して特性が変わる
- C微分を前進差分で近似する z = 1 + sT の置き換えなので、安定なアナログフィルタは必ず安定なデジタルフィルタになる
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正解:A. 虚軸全体を単位円に1対1で写すので折り返しは生じないが、周波数軸がゆがむため、重要な周波数をプリワーピングで補正する
双一次変換は s = (2/T)(z − 1)/(z + 1) と置き換える方法で、s平面の左半分を単位円の内側に写すので、安定なアナログフィルタは安定なデジタルフィルタになります。虚軸の0〜∞が単位円の ω = 0〜π に1対1で写るので折り返しは起きませんが、Ω = (2/T)tan(ω/2) の関係で周波数軸が圧縮されます。このため、カットオフ周波数などの重要な周波数は、この式で事前に補正(プリワーピング)してから設計します。インパルス応答をサンプリングする方法はインパルス不変法と呼ばれ、折り返しが生じます。
- A. 正しい。折り返しは生じませんが、周波数のゆがみをプリワーピングで補正します。
- B. インパルス不変法の説明です。双一次変換では折り返しは生じません。
- C. z = 1 + sT(前進差分)では、安定なアナログフィルタの極が単位円の外に写ることがあり、安定性は保証されません。