VPNとは

ぶいぴーえぬ

Virtual Private Networkの略。インターネットなどの共用のネットワークの上に、暗号化した仮想的な専用の通信路(トンネル)を作り、離れた拠点や社外の端末を、社内のネットワークに直接つないだように通信させるしくみ。IPsec、TLS(SSL-VPN)、WireGuardなどの方式がある。

「VPN」は、3分野の6問の練習問題に出てきます(サイバー攻撃と防御の実務, ネットワークの基礎, システム構成と信頼性設計など)。

この用語の分野: ネットワークの基礎

トンネルとカプセル化

VPNの装置やソフトウェアは、送りたいIPパケット全体を暗号化して改ざん検出の符号を付け、VPNの出入口どうしを宛先とする新しいIPパケットの中身として送ります(カプセル化)。受け取った側の出入口が取り出して復号し、元のパケットを社内のネットワークに流します。こうすると、途中のインターネットからは中身も元の宛先も見えず、社内のプライベートアドレスのまま通信できます。ヘッダが増える分、中に入れられるパケットは小さくなるので、MTUの調整が必要になることがあります。

拠点間VPNとリモートアクセスVPN

拠点間VPNは、本社と支社などのそれぞれにVPNの装置を置いてLANどうしをつなぐもので、利用者はVPNを意識しません。リモートアクセスVPNは、自宅や出張先のPCがクライアントのソフトウェアで社内のVPN装置に接続するものです。方式には、ネットワーク層で暗号化し、IKEで鍵を交換するIPsec、TLSを使うSSL-VPN、UDPの上で動く比較的新しいWireGuardなどがあります。通信事業者の閉じたネットワークを使うIP-VPNのように、インターネットを通らないVPNもあります。

VPNで守れるものと限界

VPNが守るのは、端末とVPNの出入口の間の通信です。公衆の無線LANのように盗聴されやすい場所でも、その区間の中身は読まれません。一方、出入口から先の通信は普通の通信ですし、端末そのものがマルウェアに感染していれば防げません。VPN装置はインターネットに公開されているため、その脆弱性が侵入の入口として悪用されることもあり、更新や多要素認証が欠かせません。一度つながれば社内のどこにでも届くという考え方の弱さから、通信のたびに確かめるゼロトラストの考え方も広がっています。

VPNの練習問題に挑戦

インターネットVPNの説明として正しいものはどれか。

  1. A通信の経路を専用の物理的な回線に切り替えて、インターネットを通らないようにする
  2. BVPNを使えば、接続先のサーバや端末がマルウェアに感染していても、安全に通信できる
  3. Cインターネットの上に、暗号化と認証を行う仮想的な専用の通信路(トンネル)を作り、離れた拠点や在宅の端末を社内のネットワークにつながっているように扱う
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正解:C. インターネットの上に、暗号化と認証を行う仮想的な専用の通信路(トンネル)を作り、離れた拠点や在宅の端末を社内のネットワークにつながっているように扱う

VPN(仮想プライベートネットワーク)では、元のパケットを暗号化して別のパケットの中に入れて(カプセル化して)送り、相手側のVPN装置で取り出します。途中の経路からは中身や社内のアドレスが見えず、改ざんも検出できます。使われるプロトコルには、IPsec、TLSを使うもの、WireGuardなどがあります。物理的には、共有のインターネットを通る点が専用線との違いです。守られるのはトンネルの区間だけなので、接続先そのものの安全や、VPNの出口から先の通信の安全は別に考える必要があります。

テレワークの社員が社内のシステムを使うための方式として、従来のリモートアクセスVPNとZTNA(ゼロトラストネットワークアクセス)を比べた説明として、正しいものはどれか。

  1. AZTNAでは、一度接続した端末を社内のネットワーク全体につなぐので、VPNより多くのシステムに自由にアクセスできる
  2. BVPNでは接続した端末が社内のネットワークの広い範囲に届くことが多いが、ZTNAでは利用者と端末を確かめて、許可したアプリケーションだけに接続させる
  3. CVPNもZTNAも通信を暗号化するだけの仕組みで、接続した利用者がアクセスできる範囲には違いがない
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正解:B. VPNでは接続した端末が社内のネットワークの広い範囲に届くことが多いが、ZTNAでは利用者と端末を確かめて、許可したアプリケーションだけに接続させる

リモートアクセスVPNは、社外の端末を社内のネットワークに参加させる仕組みで、接続した後はネットワークの設定で許された範囲に広く届くことが多く、認証情報を盗まれると侵入の足場になります。ZTNAは、利用者の認証と端末の状態を確かめたうえで、許可された個々のアプリケーションへの接続だけを仲介し、アプリケーションを直接インターネットに公開しません。そのため、侵害されたときに攻撃者が届く範囲を小さくできます。VPN装置そのものもインターネットに公開されるので、その脆弱性が侵入の経路になる例が多いことも、移行が進む理由の1つです。

よくある質問

VPNを使うと匿名になりますか?

完全な匿名にはなりません。接続先のサイトからは、利用者のIPアドレスの代わりにVPNの出口のアドレスが見えますが、VPNを運営する会社や組織からは、利用者がどこと通信しているかが見えます。ログインした情報やCookieによっても、利用者は特定されます。

IPsecとSSL-VPNの違いは何ですか?

IPsecはネットワーク層でIPパケットそのものを暗号化するので、どんなアプリケーションの通信でも運べ、拠点間VPNによく使われます。SSL-VPNはTLSを使うので、Webブラウザや専用のソフトウェアから使いやすく、ファイアウォールを通りやすいことからリモートアクセスによく使われます。

解説の中の「VPN」

「VPN」が出てくる問題(6問)

  1. インターネットVPNの説明として正しいものはどれか。
  2. テレワークの社員が社内のシステムを使うための方式として、従来のリモートアクセスVPNとZTNA(ゼロトラストネットワークアクセス)を比べた説明として、正しいものはどれか。
  3. CDN(コンテンツデリバリネットワーク)の説明として、適切なものはどれか。
  4. ファイアウォール(パケットフィルタリング型)の基本的な働きとして正しいものはどれか。
  5. 攻撃者が組織のネットワークに最初に入り込む「初期アクセス」の手口に当たるものはどれか。
  6. 同じ週に、3つの脆弱性の修正が公開された。運用の担当者は、1日に1つずつしか修正を適用できない。最初に修正を適用すべきものと、その理由の組み合わせとして、最も適切なものはどれか。

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