RTT(往復遅延時間)とは

あーるてぃーてぃー

Round-Trip Timeの略。データを送ってから、その応答が戻ってくるまでの時間。信号が距離を伝わる時間と、途中の機器での処理や順番待ちの時間を含む。TCPの再送タイムアウトの計算や、接続の確立にかかる時間(往復の回数×RTT)を考えるときに使い、pingで測れる。光ファイバの中で光は約20万 km/sで進むので、1,000 km離れると往復だけで約10 msかかる。

「RTT(往復遅延時間)」は、3分野の9問の練習問題に出てきます(ネットワークの基礎, Web技術の基礎, 暗号技術の基礎と応用など)。

この用語の分野: ネットワークの基礎

RTT(往復遅延時間)の練習問題に挑戦

RTT(往復の時間)が100 msのWebサーバに、HTTPS(TCPの上のTLS 1.3)で新しく接続し、最初のリクエストを送って応答を受け取り始めるまでにかかる時間に最も近いものはどれか。DNSの名前解決は済んでおり、サーバの処理時間とデータの転送時間は無視する。

  1. A約100 ms
  2. B約300 ms
  3. C約200 ms
答えと解説を見る

正解:B. 約300 ms

まずTCPの3ウェイハンドシェイクで1往復かかります(クライアントは最後のACKと一緒にTLSの最初のメッセージを送れます)。次にTLS 1.3のハンドシェイクで1往復、その後にHTTPのリクエストと応答で1往復かかり、合計で3往復、3 × 100 = 300 msです。TLS 1.2では鍵の交換に2往復かかるため、4往復の400 msになります。この待ち時間は距離で決まるRTTの回数で決まるので、回線の帯域を増やしても短くなりません。HTTP/3で使われるQUICは、トランスポートと暗号のハンドシェイクを1往復にまとめ、再接続のときには最初の往復でデータを送る方法(0-RTT)も用意しています。

TCPの受信ウィンドウが65536バイトで一定、RTTが10 msの接続で、回線の帯域は十分に大きく、損失もないとする。この接続で得られるスループットの上限に最も近いものはどれか。

  1. A約52 Mbps
  2. B約6.6 Mbps
  3. C約524 Mbps
答えと解説を見る

正解:A. 約52 Mbps

ウィンドウ制御では、ACKが返ってくるまでの1往復(RTT)の間に送れるのは、最大でウィンドウの量だけです。そのため、スループットの上限は ウィンドウ ÷ RTT = 65536バイト × 8 ÷ 0.01 s ≈ 52.4 Mbps(約52 Mbps)となり、回線が1 Gbpsでもこれ以上は出ません。高速で遠い回線を使い切るには、帯域とRTTの積(帯域幅遅延積)以上のウィンドウが必要です。例えば1 Gbps、RTT 10 msなら、10^9 × 0.01 = 10^7 ビット = 1.25 MBです。TCPのヘッダのウィンドウのフィールドは16ビットで最大65535バイトですが、ウィンドウスケールのオプションで大きくできます。

解説の中の「RTT(往復遅延時間)」

「RTT(往復遅延時間)」が出てくる問題(9問)

  1. RTT(往復の時間)が100 msのWebサーバに、HTTPS(TCPの上のTLS 1.3)で新しく接続し、最初のリクエストを送って応答を受け取り始めるまでにかかる時間に最も近いものはどれか。DNSの名前解決は済んでおり、サーバの処理時間とデータの転送時間は無視する。
  2. TCPの受信ウィンドウが65536バイトで一定、RTTが10 msの接続で、回線の帯域は十分に大きく、損失もないとする。この接続で得られるスループットの上限に最も近いものはどれか。
  3. RTTが50 ms、帯域が100 Mbpsの回線で、10 KBの応答を受け取る要求を、前の応答を受け取り終えてから次を送る形で100回繰り返す。かかる時間に最も近いものはどれか。1回あたりの時間はRTTに応答の転送時間(データ量÷帯域)を足したものとし、1 KB = 1000バイト、サーバの処理時間は無視する。
  4. RTTが40 msのWebサーバから、HTMLを1つと、そこから参照される画像を4つ、1つずつ順番に取得する。TCPの接続の確立に1往復、各リクエストと応答に1往復かかるとし、データの転送時間、サーバの処理時間、TLS、接続の切断は考えない。オブジェクトごとに新しいTCP接続を張る場合と、1つのTCP接続を使い回す持続的接続の場合とで、かかる時間の差はどれか。
  5. 1.5 MBのテキストのデータを、gzipで3分の1の大きさに圧縮して送る。帯域が10 Mbps、RTTが100 msで、データを送り始める前に、TCPの接続、TLSのハンドシェイク、HTTPのリクエストで合わせて3往復かかるとする。1 MB = 10^6 バイトとし、圧縮と展開の時間、ヘッダ、TCPの輻輳制御による待ちは無視する。データを受け取り終えるまでの時間に最も近いものはどれか。
  6. TLS 1.3の0-RTT(以前の接続で得た事前共有鍵を使い、最初のメッセージと一緒に「アーリーデータ」を送る方法)の注意点として、正しいものはどれか。
  7. TCPでコネクションを確立する3ウェイハンドシェイクで、やり取りされるパケットの順序として正しいものはどれか。
  8. TCPの送信側が、セグメントが失われたと判断して再送するきっかけとして正しいものはどれか。
  9. TLS 1.3(RFC 8446)で、TLS 1.2から変わった点として正しいものはどれか。

ネットワークの基礎の参考書を探す PR

Amazonの検索結果へのリンクです。Amazonのアソシエイトとして、半導体教室は適格販売により収入を得ています。

関連する用語

TCP TLS HTTP 3ウェイハンドシェイク 前方秘匿性 パケット HTTPS DNS QUIC スループット

用語集の一覧へ