QoSとは

きゅーおーえす

Quality of Service(サービス品質)の略。ネットワークが混雑したときに、通信の種類ごとに優先度や帯域を決めて、音声や重要な業務の通信の遅延や損失を抑えるしくみ。パケットにDSCPなどで種類の印を付け(マーキング)、途中の機器が、キューへの振り分けや送る順番、捨てる順番を変える。帯域そのものを増やすものではない。

「QoS」は、1分野の1問の練習問題に出てきます(ネットワークの設計と運用など)。

この用語の分野: ネットワークの設計と運用

分類とマーキング

QoSでは、まずパケットを、アドレスやポート番号、アプリケーションなどで種類(クラス)に分けます。分けた結果は、IPヘッダのDSCP(6ビット)や、VLANのタグの優先度(PCP、3ビット)に値として書き込みます(マーキング)。途中の機器は、パケットを細かく調べ直さなくても、この値を見るだけで扱いを決められます。音声には優先して転送するEF(値46)、ほかの業務の通信にはAFのクラスなどが一般に使われます。

キューイングとスケジューリング

出口のリンクが混雑すると、送り出せないパケットはキューで待ちます。最も優先度の高いキューから常に送る完全優先(プライオリティキューイング)は、遅延を最も小さくできますが、優先の通信が多いとほかのキューがまったく送れなくなります。重み付きラウンドロビンや重み付き公平キューイング(WFQ)は、重みに比例して帯域を分けるので、どのクラスにも一定の帯域が確保されます。音声だけを完全優先にしてその帯域に上限を設け、残りを重みで分ける組み合わせがよく使われます。

シェーピング、ポリシング、混雑の回避

送る速さを契約した帯域などに合わせる方法には、超えた分をキューにためて少しずつ送るシェーピングと、超えた分を捨てるか印を変えるポリシングがあります。また、キューがあふれてから一斉に捨てると、多くのTCPの通信が同時に速さを落とすので、キューが長くなり始めた段階で一部のパケットを確率的に捨てるRED(ランダム早期検出)などで、混雑を早めにTCPに知らせます。QoSは、経路上の機器で同じ方針をそろえて、初めて効果を発揮します。

QoSの練習問題に挑戦

QoSの制御で使われる、IPヘッダのDSCPの説明として正しいものはどれか。

  1. Aパケットの扱いの種類(クラス)を表す6ビットの値で、途中の機器はこれを見て、音声のパケットを優先して送るキューに入れるといった扱いを決める
  2. Bパケットが通過してよいルータの数の上限を表す値で、ルータを通るたびに1ずつ減らされる
  3. Cヘッダに誤りがないかを確かめるための値で、ルータは受け取るたびに計算して照らし合わせる
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正解:A. パケットの扱いの種類(クラス)を表す6ビットの値で、途中の機器はこれを見て、音声のパケットを優先して送るキューに入れるといった扱いを決める

DSCPは、IPv4ヘッダのToSの欄(IPv6ではトラフィッククラスの欄)の上位6ビットを使う値で、パケットがどのクラスの通信かを表します。ネットワークの入口の機器が通信の種類に応じて値を付け(マーキング)、途中のルータやスイッチは、その値に応じてキューの選び方や捨てる順番を変えます。例えば、遅延とそのゆらぎに弱い音声には、優先して転送するEF(値46)がよく使われます。QoSは帯域そのものを増やすものではなく、混雑したときに、どの通信を優先し、どれを待たせたり捨てたりするかを決めるしくみです。

よくある質問

QoSを設定すれば回線が速くなりますか?

なりません。QoSは、限られた帯域を、混雑したときにどの通信に優先して使わせるかを決めるしくみです。帯域が常に足りないなら、回線を増速する必要があります。混雑していないときは、QoSの設定があっても、通信の速さはほとんど変わりません。

インターネットを通る通信にもQoSは効きますか?

自分の組織の機器の中では効きますが、インターネット上のプロバイダの機器が、こちらで付けたDSCPの値を尊重するとは限りません。拠点の間で品質を確保したい場合は、品質の保証を契約できる閉域網のサービスなどを使うのが一般的です。

解説の中の「QoS」

「QoS」が出てくる問題(1問)

  1. QoSの制御で使われる、IPヘッダのDSCPの説明として正しいものはどれか。

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