OSPFとは

おーえすぴーえふ

Open Shortest Path Firstの略。組織の中で使うリンクステート型のルーティングプロトコル。各ルータが自分のリンクの状態を広めてネットワークの構成を共有し、ダイクストラ法で、コストの合計が最も小さい経路を計算する。コストは一般にリンクの帯域から決め、ネットワークを複数のエリアに分けて、規模の大きなネットワークにも対応できる。

「OSPF」は、2分野の6問の練習問題に出てきます(ネットワークの設計と運用, ネットワークの基礎など)。

この用語の分野: ネットワークの設計と運用

リンクステートのしくみ

OSPFのルータは、隣のルータとHelloパケットで隣接関係を作り、自分のリンクの状態を表す情報(LSA)を、同じエリアのすべてのルータに広めます。各ルータは集めたLSAから同じ構成の地図(リンクステートデータベース)を作り、自分を起点にダイクストラ法で最短経路の木を計算して、経路表に入れます。リンクが切れると、その変化がすぐに広められて各ルータが計算し直すので、距離ベクトル型のRIPより素早く新しい経路に落ち着きます。

コストと参照帯域幅

各インターフェースのコストは、一般に「参照帯域幅 ÷ インターフェースの帯域幅」で決め、経路のコストは、通るインターフェースのコストの合計です。参照帯域幅が、多くの機器で既定値とされてきた100 Mbpsのままだと、100 Mbps以上のリンクはすべてコスト1になり、1 Gbpsと10 Gbpsを区別できません。そのため、高速なリンクを使うネットワークでは参照帯域幅を大きな値にして、すべてのルータでそろえます。コストは、インターフェースごとに手で設定することもできます。

エリアによる階層化

ルータの数が増えると、LSAの量や、ダイクストラ法の計算の負担が大きくなります。OSPFでは、ネットワークを複数のエリアに分け、詳しいリンクの状態はエリアの中だけで共有し、エリアの間では経路の情報だけを伝えます。すべてのエリアは中心となるバックボーンエリア(エリア0)につなぐ決まりで、エリアの境目のルータ(ABR)では、経路をまとめて(経路集約)伝えることもできます。

OSPFの練習問題に挑戦

あるルータは、同じ宛先 192.168.50.0/24 への経路を、OSPFとRIPの両方から学んだ。このルータでは、経路の情報源ごとの優先度を表すアドミニストレーティブディスタンス(値が小さいほど優先)が、OSPFは110、RIPは120である。経路表に入る経路として正しいものはどれか。

  1. A両方の経路を経路表に入れ、パケットごとに交互に使う
  2. BRIPの経路だけを入れる
  3. COSPFの経路だけを入れる
答えと解説を見る

正解:C. OSPFの経路だけを入れる

OSPFのコストとRIPのホップ数のように、ルーティングプロトコルによって経路の良さを表す値(メトリック)の意味が違うので、そのままでは比べられません。そこで、同じ宛先・同じプレフィックス長の経路が複数の情報源から得られたときは、情報源ごとの信頼の度合いであるアドミニストレーティブディスタンスの小さい方を採用します。ここではOSPFの110がRIPの120より小さいので、OSPFの経路が経路表に入ります。直接つながっているネットワークは0、静的経路は1のように、人が設定したものほど小さい値にするのが一般的ですが、呼び方や既定値は機器のメーカーによって違います。

ルータの経路表に、静的経路の 10.0.0.0/8(次の転送先はルータA、アドミニストレーティブディスタンス1)、OSPFで学んだ 10.1.0.0/16(ルータB、110)、RIPで学んだ 10.1.1.0/24(ルータC、120)の3つが入っている。宛先が 10.1.1.5 のパケットが送られるルータはどれか。

  1. AルータA(静的経路)
  2. BルータB(OSPFの経路)
  3. CルータC(RIPの経路)
答えと解説を見る

正解:C. ルータC(RIPの経路)

3つの経路はプレフィックス長が違うので、どれも別の経路として経路表に入っています。パケットを転送するときは、宛先に一致する経路のうちプレフィックスが最も長いものを選び、アドミニストレーティブディスタンスは比べません。10.1.1.5 は3つすべてに一致しますが、最も長い /24 のRIPの経路が選ばれ、ルータCに送られます。アドミニストレーティブディスタンスが使われるのは、同じ宛先・同じプレフィックス長の経路のうち、どれを経路表に入れるかを決めるときだけです。

よくある質問

OSPFとRIPの違いは何ですか?

RIPは距離ベクトル型で、通るルータの数(ホップ数、最大15)だけで経路を選ぶので、リンクの速さを考えません。OSPFはリンクステート型で、帯域から決めたコストの合計で経路を選び、変化への追従も速く、エリアに分けて大きなネットワークにも対応できます。

OSPFとBGPはどう使い分けますか?

OSPFは、1つの組織(AS)の中で、最短の経路を素早く見つけるためのプロトコル(IGP)です。BGPは、組織どうしの間で、経路の属性と方針に基づいて経路を交換するプロトコルです。大きな組織では、内側をOSPFで、プロバイダとの間をBGPでつなぐといった組み合わせがよく使われます。

解説の中の「OSPF」

「OSPF」が出てくる問題(6問)

  1. あるルータは、同じ宛先 192.168.50.0/24 への経路を、OSPFとRIPの両方から学んだ。このルータでは、経路の情報源ごとの優先度を表すアドミニストレーティブディスタンス(値が小さいほど優先)が、OSPFは110、RIPは120である。経路表に入る経路として正しいものはどれか。
  2. ルータの経路表に、静的経路の 10.0.0.0/8(次の転送先はルータA、アドミニストレーティブディスタンス1)、OSPFで学んだ 10.1.0.0/16(ルータB、110)、RIPで学んだ 10.1.1.0/24(ルータC、120)の3つが入っている。宛先が 10.1.1.5 のパケットが送られるルータはどれか。
  3. OSPFで、ルータR1からR4の先にあるネットワークへの経路が3つある。経路Aは R1–R5 が10 Gbps、R5–R4 が1 Gbpsのリンク、経路Bは R1–R4 を直接つなぐ100 Mbpsのリンク、経路Cは R1–R2、R2–R3、R3–R4 がすべて1 Gbpsのリンクである。各リンクのコストを「参照帯域幅10 Gbps ÷ リンクの帯域幅」とし、R4から先のコストはどの経路でも同じとする。R1が選ぶ経路はどれか。
  4. 動的ルーティングの説明として正しいものはどれか。
  5. リンクステート型のルーティングプロトコルの説明として正しいものはどれか。
  6. インターネットで、プロバイダなどの組織が管理するネットワークの単位(AS、自律システム)の間で経路の情報をやり取りし、通ってきたASの並び(AS_PATH)などの属性と、組織ごとの方針(ポリシー)に基づいて経路を選ぶプロトコルはどれか。

ネットワークの設計と運用の参考書を探す PR

Amazonの検索結果へのリンクです。Amazonのアソシエイトとして、半導体教室は適格販売により収入を得ています。

この用語が出てくる比較

半導体・電子回路・情報の計算ツール

関連する用語

ルータ ルーティング(経路制御) アドミニストレーティブディスタンス BGP パケット ダイクストラ法 ACL(アクセス制御リスト) SNMP QoS 経路MTU探索

用語集の一覧へ