ルータとは

るーた

異なるネットワークの間でパケットを中継する、ネットワーク層(第3層)の機器。受け取ったパケットの宛先IPアドレスを経路表(ルーティングテーブル)と照らし合わせ、次に渡すルータ(ネクストホップ)と出口のインターフェースを決めて送り出す。家庭用のルータは、NAPTやDHCPサーバ、ファイアウォールの機能もまとめてもつ。

「ルータ」は、2分野の16問の練習問題に出てきます(ネットワークの基礎, 情報セキュリティの基礎など)。

この用語の分野: ネットワークの基礎

パケットを中継する手順

ルータは、届いたフレームからIPパケットを取り出し、宛先IPアドレスと経路表を照らし合わせます。当てはまる経路が複数あれば、プレフィックスが最も長く一致するもの(最長一致)を選びます。次に、TTL(IPv6ではホップリミット)を1減らし、IPv4ならヘッダのチェックサムを計算し直します。そして、ARPなどで次のルータのMACアドレスを調べ、宛先と送信元のMACアドレスを書き換えた新しいフレームで送り出します。IPアドレスはNATをしない限り変わりません。TTLが0になったパケットは捨てて、送信元にICMPで知らせます。tracerouteはこの通知を使って経路を調べます。

経路表の作り方

経路表には、自分に直接つながっているネットワーク、人が設定する静的な経路、ルーティングプロトコルで自動的に覚えた経路が入ります。どこにも当てはまらない宛先は、デフォルトルート(0.0.0.0/0)の先に送ります。組織の中では、リンクの状態を交換して各ルータがダイクストラ法で最短経路を計算するOSPFや、隣から聞いた距離(ホップ数)を使うRIPが使われます。プロバイダどうしのような組織(AS)の間では、BGPで経路の情報をやり取りします。

スイッチとの違いと、ルータの中身

L2スイッチは、MACアドレスを見て同じネットワークの中でフレームを転送します。ルータはIPアドレスを見て異なるネットワークの間を中継し、ブロードキャストを外に通さないので、ネットワークを区切る役目もあります。ルーティングの機能をハードウェアで行うスイッチをL3スイッチと呼びます。大型のルータでは、経路の計算をする制御の部分(コントロールプレーン、CPUが担当)と、パケットを転送する部分(データプレーン)を分け、データプレーンでは専用のASICと、最長一致の検索を1回で行うTCAMなどで、高速にパケットを処理します。

ルータの練習問題に挑戦

192.168.5.0/26 のネットワークで、ホスト(端末やルータのインターフェース)に割り当てられるIPアドレスはいくつか。

  1. A64個
  2. B30個
  3. C62個
答えと解説を見る

正解:C. 62個

/26 はネットワーク部が26ビットなので、ホスト部は 32 − 26 = 6 ビットで、アドレスは 2^6 = 64 個あります。このうち、ホスト部がすべて0のネットワークアドレス(192.168.5.0)と、すべて1のブロードキャストアドレス(192.168.5.63)はホストに割り当てられないため、64 − 2 = 62 個になります。一般に、プレフィックス長が n のとき、割り当てられる数は 2^(32 − n) − 2 です。/26 のサブネットマスクは 255.255.255.192 です。

NAPTを行うルータ(外側のグローバルアドレスは 198.51.100.7)の内側にある端末A(192.168.1.10)が、送信元ポート50000でWebサーバ 203.0.113.5 の443番ポートへ接続した。ルータは送信元を 198.51.100.7 のポート61000に変換した。Webサーバが返す応答パケットの宛先はどれか。

  1. A192.168.1.10 のポート50000
  2. B198.51.100.7 のポート443
  3. C198.51.100.7 のポート61000
答えと解説を見る

正解:C. 198.51.100.7 のポート61000

サーバから見える送信元は変換後の 198.51.100.7 のポート61000なので、応答はそこへ返ります。ルータは変換表で「61000 ↔ 192.168.1.10 のポート50000」の対応を見つけ、宛先のアドレスとポートを書き換えて端末Aに届けます。サーバはプライベートアドレスの 192.168.1.10 を知りません。仮に知っていても、インターネットにはプライベートアドレス宛ての経路がないため届きません。443 はサーバ側のポート(HTTPS)で、応答パケットでは送信元ポートになります。

よくある質問

ルータとスイッチの違いは何ですか?

スイッチ(L2スイッチ)はMACアドレスを見て、同じネットワークの中で機器どうしをつなぎます。ルータはIPアドレスを見て、異なるネットワークの間でパケットを中継し、どの経路で送るかを決めます。家庭用のルータには、スイッチのポートや無線LANのアクセスポイントも入っていることが多いです。

デフォルトゲートウェイとは、ルータのことですか?

ほぼ同じ意味です。端末から見て、自分のネットワークの外へパケットを送るときの送り先となるルータを、そのアドレスで設定したものがデフォルトゲートウェイです。

解説の中の「ルータ」

「ルータ」が出てくる問題(16問)

  1. 192.168.5.0/26 のネットワークで、ホスト(端末やルータのインターフェース)に割り当てられるIPアドレスはいくつか。
  2. NAPTを行うルータ(外側のグローバルアドレスは 198.51.100.7)の内側にある端末A(192.168.1.10)が、送信元ポート50000でWebサーバ 203.0.113.5 の443番ポートへ接続した。ルータは送信元を 198.51.100.7 のポート61000に変換した。Webサーバが返す応答パケットの宛先はどれか。
  3. ルータの経路表に、0.0.0.0/0(次の転送先はルータA)、10.0.0.0/8(ルータB)、10.1.0.0/16(ルータC)、10.1.2.0/24(ルータD)の4つの経路がある。宛先が 10.1.5.9 のパケットは、どのルータに送られるか。
  4. OSI参照モデルで、IPアドレスのような論理的なアドレスを使い、異なるネットワークの間でパケットを中継して宛先まで届ける役割をもつ層はどれか。
  5. MACアドレスについて正しいものはどれか。
  6. ハブ(リピータハブ)と比べたときの、L2スイッチの動作として正しいものはどれか。
  7. 1台のL2スイッチでVLANを設定し、ポート1〜4をVLAN 10、ポート5〜8をVLAN 20にした。このときの動作として正しいものはどれか。
  8. 次のIPv4アドレスのうち、プライベートアドレスの範囲に含まれるものはどれか。
  9. 家庭のブロードバンドルータは、NAT(ネットワークアドレス変換)の一種であるNAPT(IPマスカレード)を行っている。NAPTによって可能になることとして正しいものはどれか。
  10. 端末(192.168.1.10/24、デフォルトゲートウェイ 192.168.1.1)が、別のネットワークにあるサーバ 203.0.113.80 にパケットを送る。ARPのキャッシュが空のとき、端末がARPでMACアドレスを調べる相手はどれか。
  11. IPv4ヘッダのTTL(Time To Live)の役割として正しいものはどれか。
  12. 動的ルーティングの説明として正しいものはどれか。
  13. TCPの輻輳制御の基本的な考え方として正しいものはどれか。
  14. TCPの送信側が、セグメントが失われたと判断して再送するきっかけとして正しいものはどれか。
  15. DHCPで端末がIPアドレスを得るときの、メッセージの順序として正しいものはどれか。

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