波長分散とは

はちょうぶんさん

光の進む速さが波長によってわずかに異なるため、光ファイバの中で光のパルスが広がる現象。標準的なシングルモードファイバでは1.31 µm付近でほぼゼロ、1.55 µmでは約17 ps/(nm·km)になる。

「波長分散」は、1分野の3問の練習問題に出てきます(シリコンフォトニクスなど)。

この用語の分野: シリコンフォトニクス

波長分散の練習問題に挑戦

長距離の光ファイバ通信で、波長1.55 µm付近(Cバンド)が広く使われる主な理由はどれか。

  1. A石英の光ファイバの損失が最も小さくなる波長帯だから
  2. Bシリコンが最も強く光を吸収し、受光器をつくりやすい波長帯だから
  3. C波長分散がゼロになり、パルスがまったく広がらない波長帯だから
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正解:A. 石英の光ファイバの損失が最も小さくなる波長帯だから

石英(SiO2)の光ファイバの損失は、短い波長ではレイリー散乱、長い波長では赤外吸収で増えるため、その間の1.55 µm付近で最小(約0.2 dB/km)になります。100 km進んでも損失は約20 dBで済み、エルビウム添加ファイバ増幅器(EDFA)で光のまま増幅できることも、長距離通信でCバンドが使われる理由です。標準的なシングルモードファイバで波長分散がほぼゼロになるのは1.31 µm付近(Oバンド)で、1.55 µmでは分散が残ります。シリコンはこの波長をほとんど吸収しません。

データセンター内の比較的短い距離の光接続で、波長1.31 µm付近(Oバンド)がよく使われる理由として正しいものはどれか。

  1. Aファイバの損失が全波長の中で最も小さく、増幅器なしで数千 kmまで届くから
  2. B標準的なシングルモードファイバの波長分散がほぼゼロで、高速な信号の波形が崩れにくいから
  3. Cシリコンのバンドギャップと同じエネルギーの光なので、受光器にシリコンをそのまま使えるから
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正解:B. 標準的なシングルモードファイバの波長分散がほぼゼロで、高速な信号の波形が崩れにくいから

波長分散は、波長によってファイバ中を進む速さがわずかに異なるために、光のパルスが広がる現象です。標準的なシングルモードファイバでは1.31 µm付近で分散がほぼゼロになるため、分散を補償する処理なしで高速な信号を数 km〜10 km程度まで送りやすく、データセンター向けの多くの光トランシーバで使われています。損失が最小なのは1.55 µm付近(約0.2 dB/km)で、1.31 µmでは約0.3〜0.35 dB/kmとやや大きめです。1.31 µmの光子エネルギーは約0.95 eVで、シリコンでは吸収されません。

解説の中の「波長分散」

「波長分散」が出てくる問題(3問)

  1. 長距離の光ファイバ通信で、波長1.55 µm付近(Cバンド)が広く使われる主な理由はどれか。
  2. データセンター内の比較的短い距離の光接続で、波長1.31 µm付近(Oバンド)がよく使われる理由として正しいものはどれか。
  3. データセンター間を結ぶ数十 km以上の接続などで使われるコヒーレント方式の、IM-DD方式と比べた特徴として正しいものはどれか。

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