暗号技術の基礎と応用

TLS 1.3の0-RTT(以前の接続で得た事前共有鍵を使い、最初のメッセージと一緒に「アーリーデータ」を送る方法)の注意点として、正しいものはどれか。

  1. Aアーリーデータは暗号化されずに平文のまま送られるので、パスワードやクレジットカードの番号などを含めてはならない
  2. B攻撃者が記録したアーリーデータを再送するリプレイ攻撃を防ぎきれないので、繰り返しても問題のない要求に限って使う
  3. Cアーリーデータは通常のデータより前方秘匿性が強いので、送金などの重要な要求ほど使うべきである
答えと解説を見る

正解:B. 攻撃者が記録したアーリーデータを再送するリプレイ攻撃を防ぎきれないので、繰り返しても問題のない要求に限って使う

0-RTTでは、クライアントは以前の接続で受け取った事前共有鍵からアーリーデータ用の鍵を作り、最初のメッセージと一緒に暗号化したデータを送るので、待ち時間を1往復分減らせます。ただし、この時点ではサーバの新しい乱数が使われていないため、攻撃者が記録したアーリーデータをもう一度送ると、サーバが同じ要求をもう一度処理してしまうおそれがあります(リプレイ攻撃)。また、アーリーデータは事前共有鍵だけで守られるので、その鍵が漏れたときの前方秘匿性もありません。そのため、0-RTTはページの取得のような何度実行しても結果が変わらない要求に限り、送金や注文には使わないのが基本です。

  • A. アーリーデータも、事前共有鍵から作った鍵で暗号化されます。問題は暗号化ではなく、再送されることです。
  • B. 正しい。リプレイの対策が十分でないため、使える要求を限ります。
  • C. アーリーデータは事前共有鍵だけで守られ、通常のデータより前方秘匿性が弱くなります。
この分野を解く 分野ページへ

暗号技術の基礎と応用の参考書を探す PR

Amazonの検索結果へのリンクです。Amazonのアソシエイトとして、半導体教室は適格販売により収入を得ています。

暗号技術の基礎と応用のほかの問題

  1. 相互TLS(mTLS)の説明として、正しいものはどれか。
  2. 鍵長がnビットの共通鍵暗号の鍵を、量子コンピュータのグローバーのアルゴリズムで探すと、必要な計算の回数は約 2^(n/2) 回になるとされる。この単純な目安で考えたときの、量子コンピュータに対するAES-128の安全性として、最も近いものはどれか。
  3. 米国のNISTが2024年8月に公表した耐量子計算機暗号の標準と、その種類の組み合わせとして正しいものはどれか。
  4. ML-KEMのような鍵カプセル化メカニズム(KEM)の使い方の説明として、正しいものはどれか。
  5. 耐量子計算機暗号への移行の途中で使われる、X25519(楕円曲線を使うディフィー・ヘルマン鍵交換)とML-KEMを組み合わせたハイブリッド鍵交換の考え方として、正しいものはどれか。

この分野の比較