量子コンピュータのハードウェア
量子ビットの制御回路を4 K前後で動かすクライオ CMOS の設計で考慮すべき、低温での MOSFET の特性の変化として正しいものはどれか。
- Aしきい値電圧が高くなり、サブスレッショルドスイングが小さくなる(電流の立ち上がりが急になる)ので、室温用のトランジスタのモデルをそのまま使えない
- Bキャリアの移動度が下がり、サブスレッショルドのリーク電流が室温より大きくなる
- Cシリコンが超伝導になるので、チャネルの抵抗がゼロになる
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正解:A. しきい値電圧が高くなり、サブスレッショルドスイングが小さくなる(電流の立ち上がりが急になる)ので、室温用のトランジスタのモデルをそのまま使えない
低温では、格子振動(フォノン)による散乱が減ってキャリアの移動度が上がり、リーク電流も大きく減ります。一方、しきい値電圧は上がり、サブスレッショルドスイングは小さくなりますが、理論値の (k_B T/q) ln 10(4 Kで約0.8 mV/dec)よりはずっと大きな値で頭打ちになります。そのほか、キャリアの凍結(フリーズアウト)や素子のばらつきの増加などもあるので、低温で測った特性からモデルを作り直して回路を設計します。消費電力も、4 K段の冷却能力(1 W程度が目安)に収める必要があります。
- A. 正しい。低温で測った特性に合わせて、モデルを作り直す必要があります。
- B. 逆の変化です。低温では移動度は上がり、リーク電流は減ります。
- C. シリコンの MOSFET のチャネルは、低温でも超伝導にはなりません。