PCIe 3.0・4.0・5.0・6.0の違い:速度と世代ごとの特徴を比較

PCI Expressは、世代が上がるごとに、レーンあたりの転送レートが2倍になるので、同じ幅のリンクで帯域も2倍になります。3.0が8 GT/s、4.0が16 GT/s、5.0が32 GT/s、6.0が64 GT/sです。3.0から5.0までは単純な2値の信号ですが、6.0では4値のPAM4に切り替わり、前方誤り訂正も加わります。どの世代も前後の世代と互換性があり、機器は、双方が対応する最も高い速度で動きます。

項目PCIe 3.0PCIe 4.0PCIe 5.0PCIe 6.0
登場2010年2017年2019年2022年(仕様)
レーンあたりの転送レート8 GT/s16 GT/s32 GT/s64 GT/s
信号方式とエンコードNRZ、128b/130bNRZ、128b/130bNRZ、128b/130bPAM4。前方誤り訂正と、固定長のFLITパケット
レーンあたりの帯域(片方向)約1 GB/s約2 GB/s約4 GB/s約7.5 GB/s
×4リンク(片方向)約4 GB/s約8 GB/s約16 GB/s約30 GB/s
×16リンク(片方向)約16 GB/s約32 GB/s約63 GB/s約121 GB/s
主な機器以前のNVMe SSDやグラフィックスカード現在のグラフィックスカードとNVMe SSD(約7 GB/s)最新のNVMe SSD(約14 GB/sまで)と高性能なグラフィックスカードデータセンターのアクセラレータ、高速なネットワーク、AIシステム

数値は代表的な目安で、世代や製品によって異なります。

どんなときに使うか

PCIe 3.0
ほとんどのグラフィックスカードや、日常的なSSDの使い方には、今も十分です。
PCIe 4.0
今の主流で、高速なNVMe SSDやグラフィックスカードに使われます。
PCIe 5.0
最も速いSSDや、最も要求の厳しい機器で、帯域が限界になるとき。
PCIe 6.0
サーバーやAI基盤など、リンクあたりの非常に高い帯域が必要なとき。

よくある質問

PCIeは世代ごとに速度が2倍になりますか?

はい。レーンあたり、3.0が8 GT/s、4.0が16 GT/s、5.0が32 GT/s、6.0が64 GT/sなので、同じ幅のリンクで帯域が2倍になります。

PCIe 3.0のスロットにPCIe 4.0のカードを挿せますか?

挿せます。PCIeは前後の世代と互換性があり、リンクは、双方が対応する最も高い速度で動きます。

×4や×16とは何ですか?

リンクのレーンの数です。各レーンは両方向にデータを運ぶので、同じ世代なら、×16のリンクの帯域は、×4の4倍です。

PCIe 6.0のPAM4とは何ですか?

1シンボルに、2つではなく4つの電圧レベルを使い、一度に2ビットを運ぶ方式です。PCIe 6.0は、これと前方誤り訂正で、信号の周波数を2倍にせずに、速度を2倍にしています。

理解度チェック

PCI Express 3.0(1レーンあたり8 GT/s、128b/130b符号化)のx16接続の、片方向の実効的な帯域に最も近いものはどれか。

  1. A約128 GB/s
  2. B約1 GB/s
  3. C約16 GB/s
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正解:C. 約16 GB/s

1レーンの実効的な速度は8 Gb/s×128/130≒7.88 Gb/sで、8で割ると約0.985 GB/sです。16レーンなら約15.8 GB/s、つまり約16 GB/sが片方向の帯域になり、送受信を合わせると約32 GB/sです。PCI Expressの帯域は、世代(1レーンの速度)、符号化の効率、レーン数の掛け算で求められます。実際にはパケットの見出しなどのむだがあり、もう少し小さくなります。

PCI Expressの世代が1つ進むごとの、1レーンあたりの信号の速度の変化として、第3世代から第6世代について正しいものはどれか。

  1. Aおよそ2倍ずつになる(8→16→32→64 GT/s)
  2. B1.1倍ずつ少しずつ増える
  3. C世代が進んでも速度は変わらず、レーン数だけが増える
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正解:A. およそ2倍ずつになる(8→16→32→64 GT/s)

PCI Expressの信号の速度は、第3世代の8 GT/s、第4世代の16 GT/s、第5世代の32 GT/s、第6世代の64 GT/sと、世代ごとにおよそ2倍になってきました。同じレーン数でも帯域が倍になるので、GPUや高速なSSD、ネットワークの速度向上に追いつけます。世代の間には互換性があり、新しい機器を古いスロットに差すと、両方が対応する速度で動きます。

PCI Express 3.0以降で採用された128b/130b符号化の効率に最も近いものはどれか。

  1. A約80%
  2. B約50%
  3. C約98.5%
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正解:C. 約98.5%

128b/130b符号化は、128ビットのデータに2ビットの見出しを付けて130ビットで送るので、効率は128/130≒98.5%です。8b/10bの80%に比べてむだが大きく減りました。切り替わりの頻度は、データにスクランブル(決まった乱数列との排他的論理和)をかけて0と1を混ぜることで確保します。PCI Express 3.0が信号の速度を5から8 GT/sにしただけで、実効的な速度をほぼ2倍にできたのはこのためです。

  1. PCI Express 6.0で採用されたPAM4(4値パルス振幅変調)の特徴として正しいものはどれか。
  2. x4のPCI ExpressのSSDを、マザーボードのx16の長さのスロットに差し込むとどうなるか(スロットがx4以上の配線を持つとする)。
  3. PCI Expressの1レーンが「全二重」であることの意味として正しいものはどれか。

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関連する用語の解説

PCI Express
CPUとGPUやSSD、ネットワークカードなどをつなぐ高速なシリアルの拡張インターフェース。PCIeとも書く。レーンを束ねて帯域を増やし、世代ごとに速度がおよそ2倍になる。
NVMe
PCI Expressで接続したSSDを高速に扱うためのインターフェースの規格。多数のコマンドを並列に処理でき、HDD向けに作られたSATAより遅延が小さい。

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