スピン量子ビットとは

すぴんりょうしびっと

電子や原子核のスピンの向きを量子ビットにする方式。シリコンでは、ゲート電極で作った量子ドットに電子を1個ずつ閉じ込めて使う。量子ビットが小さく、CMOS の製造技術を活かして集積できると期待されている。核スピンの雑音を減らすため、²⁸Si を濃縮したシリコンが使われる。

「スピン量子ビット」は、1分野の2問の練習問題に出てきます(量子コンピュータのハードウェアなど)。

この用語の分野: 量子コンピュータのハードウェア

スピン量子ビットの練習問題に挑戦

シリコンのスピン量子ビットが、大規模化に向く方式として期待されている主な理由はどれか。

  1. A室温で動作するので、冷凍機がまったく要らないから
  2. B量子ビットが光子なので、光ファイバでそのまま遠くへ送れるから
  3. C量子ビットが数十〜百 nm程度と小さく、CMOS の製造技術や300 mmウエハの設備を活かして多数を集積できる可能性があるから
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正解:C. 量子ビットが数十〜百 nm程度と小さく、CMOS の製造技術や300 mmウエハの設備を活かして多数を集積できる可能性があるから

シリコンのスピン量子ビットは、ゲート電極の電圧でシリコン中に作った量子ドットに電子を1個ずつ閉じ込め、その電子のスピンの向きを量子ビットにします。量子ビット1個の大きさは数十〜百 nm程度で、数百 µm程度の超伝導量子ビットよりはるかに小さく、半導体工場の微細加工や300 mmウエハでの製造、ウエハ単位での特性評価を応用できると期待されています。また、1 K前後の比較的高い温度での動作も報告されており、制御回路を近くに置きやすい可能性があります。一方、量子ドットごとのばらつきや、密に並んだ多数の量子ビットへの配線が課題です。

シリコンのスピン量子ビットに、同位体 ²⁸Si の割合を高めた(同位体濃縮した)シリコンが使われる理由として正しいものはどれか。

  1. A²⁸Si は天然のシリコンよりバンドギャップが大きく、リーク電流が流れにくいから
  2. B天然のシリコンに約4.7%含まれる ²⁹Si は核スピンをもち、その磁場のゆらぎが電子スピンの位相を乱すから
  3. C²⁸Si は ²⁹Si より軽いので、電子の移動度が10倍以上になるから
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正解:B. 天然のシリコンに約4.7%含まれる ²⁹Si は核スピンをもち、その磁場のゆらぎが電子スピンの位相を乱すから

天然のシリコンは ²⁸Si が約92%、²⁹Si が約4.7%、³⁰Si が約3.1%で、このうち ²⁹Si だけが核スピンをもっています。核スピンは小さな磁石のように働き、その向きがランダムに変わると、電子スピンが感じる磁場がゆらいで位相が乱れ、T2 が短くなります。²⁹Si を0.1%程度以下まで減らした同位体濃縮シリコンを使うと、コヒーレンス時間が大きく延びます。

解説の中の「スピン量子ビット」

「スピン量子ビット」が出てくる問題(2問)

  1. シリコンのスピン量子ビットが、大規模化に向く方式として期待されている主な理由はどれか。
  2. シリコンのスピン量子ビットに、同位体 ²⁸Si の割合を高めた(同位体濃縮した)シリコンが使われる理由として正しいものはどれか。

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