MIMO(多入力多出力)とは

まいも

送信と受信の両方で複数のアンテナを使う無線通信の技術(Multiple-Input Multiple-Output)。異なるデータを同じ周波数で同時に送る空間多重で伝送速度を上げたり、同じデータを複数の経路で送るダイバーシティで信頼性を上げたりする。空間多重で送れるストリームの数は、送信と受信のアンテナの数のうち少ない方が上限になる。

「MIMO(多入力多出力)」は、1分野の2問の練習問題に出てきます(無線通信の基礎など)。

この用語の分野: 無線通信の基礎

空間多重の仕組み

送信アンテナと受信アンテナの組み合わせごとに、電波の伝わり方(伝搬路)は少しずつ異なります。受信側は、既知の参照信号からこの伝搬路の違いを推定し、各受信アンテナに重なって届いた信号を連立方程式を解くように分離します。こうして、同じ周波数・同じ時間に複数のデータの流れ(ストリーム)を送れるので、帯域幅を増やさずに伝送速度を上げられます。

空間多重がうまく働く条件

空間多重には、伝搬路どうしが十分に異なっていることが必要です。建物などで多くの反射が起こる環境では伝搬路の違いが大きくなり、多くのストリームを分離できます。逆に、見通しのよい場所で経路が似ていると、伝搬路の相関が高くなり、使えるストリームの数が減ります。また、各ストリームに電力を分けるので、S/Nが十分に高いことも必要です。

マルチユーザーMIMOとマッシブMIMO

1台の端末に複数のストリームを送るシングルユーザーMIMOに対し、基地局やアクセスポイントが複数の端末にそれぞれのストリームを同時に送る方式をマルチユーザーMIMOと呼びます。基地局に数十本以上のアンテナ素子を並べるマッシブMIMOでは、ビームフォーミングで各端末に向けたビームをつくり、多数の端末と同時に通信できます。5G NRの基地局などで使われています。

MIMO(多入力多出力)の練習問題に挑戦

送信アンテナ4本、受信アンテナ2本のMIMOで、空間多重によって同じ周波数・同じ時間に送れる独立したデータの流れ(ストリーム)の数の上限はどれか。

  1. A2
  2. B4
  3. C8
答えと解説を見る

正解:A. 2

MIMOの空間多重では、複数の送信アンテナから異なるデータを同じ周波数で同時に送り、受信側では、送受信のアンテナの組み合わせごとに異なる伝搬路の違いを利用して、それぞれのデータを分離します。分離できるストリームの数は、送信と受信のアンテナの数のうち少ない方が上限で、ここでは min(4, 2) = 2です。実際には、見通しのよい場所などで伝搬路どうしが似ている(相関が高い)と、上限より少ないストリームしか使えません。

よくある質問

MIMOとビームフォーミングはどう違いますか?

ビームフォーミングは、複数のアンテナ素子の位相を調整して電波を特定の方向に集める技術です。MIMOは複数のアンテナで送受信する仕組み全体を指し、その中で空間多重やダイバーシティ、ビームフォーミングが使われます。マッシブMIMOでは、ビームフォーミングによって端末ごとのビームをつくり、空間多重と組み合わせています。

4×4 MIMOのような表記は何を表しますか?

一般に、送信アンテナの数×受信アンテナの数を表します。4×4 MIMOなら、空間多重で最大4つのストリームを送れます。端末側のアンテナが2本しかなければ、アクセスポイントが4本でも、その端末に送れるストリームは最大2つです。

解説の中の「MIMO(多入力多出力)」

「MIMO(多入力多出力)」が出てくる問題(2問)

  1. 送信アンテナ4本、受信アンテナ2本のMIMOで、空間多重によって同じ周波数・同じ時間に送れる独立したデータの流れ(ストリーム)の数の上限はどれか。
  2. 5Gのミリ波帯の基地局や端末で、多数のアンテナ素子を並べたアレイアンテナによるビームフォーミングが使われる主な理由として、最も適切なものはどれか。

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