認証付き暗号(AEAD)とは

にんしょうつきあんごう

暗号化と改ざんの検出を1つの処理で行う暗号方式。AEADは Authenticated Encryption with Associated Data の略で、暗号化はしないが改ざんは検出したいヘッダなどの付加データも、認証の対象に含められる。暗号化のときに認証タグを作り、復号のときにタグを検証して、一致しなければ平文を出さずにエラーにする。AES-GCMやChaCha20-Poly1305が代表的で、TLS 1.3ではAEADだけが使われる。同じ鍵でナンスを再利用すると、機密性も改ざんの検出も損なわれる。

「認証付き暗号(AEAD)」は、1分野の8問の練習問題に出てきます(暗号技術の基礎と応用など)。

この用語の分野: 暗号技術の基礎と応用

認証付き暗号(AEAD)の練習問題に挑戦

AES-GCMのような認証付き暗号(AEAD)が、1つの処理で提供するものとして正しいものはどれか。

  1. Aデータの機密性だけで、改ざんの検出には別にデジタル署名が必要である
  2. Bデータの機密性と、暗号文や付加データが改ざんされていないことの検証
  3. C機密性と改ざんの検出に加えて、第三者に対する否認防止
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正解:B. データの機密性と、暗号文や付加データが改ざんされていないことの検証

認証付き暗号(AEAD: Authenticated Encryption with Associated Data)は、暗号化と同時に認証タグを計算し、復号するときにタグを検証して、暗号文が改ざんされていれば平文を出さずにエラーにします。暗号化はしないが改ざんは検出したいヘッダなどを、「付加データ」としてタグの計算に含めることもできます。GCMは、CTRモードによる暗号化と、ガロア体の掛け算を使うGHASHによる認証を組み合わせたモードで、TLS 1.3ではAEADだけが使われます。タグは共通鍵で作るので、メッセージ認証コードと同じく否認防止には使えません。

AES-GCMで使う96ビットのナンス(IV)についての説明として、正しいものはどれか。

  1. A秘密にする必要はなく、カウンタで作ってもよいが、同じ鍵で同じ値を二度使ってはならない
  2. B攻撃者に知られると平文が漏れてしまうので、鍵と同じように秘密にして保管しなければならない
  3. C毎回ランダムに選ぶ必要があり、1ずつ増やすカウンタで作ると安全性が失われる
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正解:A. 秘密にする必要はなく、カウンタで作ってもよいが、同じ鍵で同じ値を二度使ってはならない

GCMのナンスに求められるのは、同じ鍵のもとで値が重ならない(一意である)ことです。秘密にする必要はなく、送信の回数を数えるカウンタで作っても条件を満たします。同じ鍵で同じナンスを使うと、CTRモードと同じく平文のXORが漏れるうえ、認証に使う値も求められて、タグを偽造されるおそれがあります。ランダムにナンスを選ぶ場合は、偶然の重なりを避けるため、1つの鍵で暗号化する回数に上限が設けられています(NIST SP 800-38D では2^32回)。

解説の中の「認証付き暗号(AEAD)」

「認証付き暗号(AEAD)」が出てくる問題(8問)

  1. AES-GCMのような認証付き暗号(AEAD)が、1つの処理で提供するものとして正しいものはどれか。
  2. AES-GCMで使う96ビットのナンス(IV)についての説明として、正しいものはどれか。
  3. TLS 1.3の暗号スイート TLS_AES_128_GCM_SHA256 が指定するものの組み合わせとして、正しいものはどれか。
  4. 画像のデータをAESのECBモードで暗号化したところ、暗号化した後の画像でも、元の絵の輪郭が見分けられた。この原因として正しいものはどれか。
  5. AES(ブロック長16バイト)をCBCモードで使い、パディングにはPKCS#7方式を使う。PKCS#7方式では、足りないバイト数をnとして値がnのバイトをn個足し、平文の長さがちょうど16の倍数のときも、値が16のバイトを16個足す。96バイトの平文を暗号化したときの暗号文の長さ(IVは含めない)はどれか。
  6. CBCモードで暗号化したデータを受け取るサーバが、復号した後のパディングが正しくないときと、パディングは正しいが中身の検査に失敗したときとで、異なるエラーを返していた。この状況についての説明として、正しいものはどれか。
  7. CTRモードで、誤って同じ鍵と同じナンスを使い、2つのメッセージを暗号化した。ある位置のバイトについて、1つ目の平文 P₁ は 01001000(ASCIIの「H」)、その暗号文 C₁ は 01110100、2つ目の暗号文 C₂ は 01010101 である。攻撃者が P₁ を知っているとき、同じ位置の2つ目の平文 P₂ はどれか。
  8. TLS 1.3(RFC 8446)で、TLS 1.2から変わった点として正しいものはどれか。

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