量子コンピュータのハードウェア
超伝導量子ビットのエネルギー緩和時間 T1 を制限する要因のうち、薄膜の成膜や表面処理などの製造プロセスと特に関係が深いものはどれか。
- Aトランズモンの非調和性が大きすぎて、|0⟩と|1⟩の間の遷移を選んで操作できないこと
- Bアルミニウムの超伝導転移温度が、希釈冷凍機の最低温度より低いこと
- C基板や金属の表面・界面のアモルファスの酸化膜などにある、二準位系(TLS)と呼ばれる欠陥による誘電損失
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正解:C. 基板や金属の表面・界面のアモルファスの酸化膜などにある、二準位系(TLS)と呼ばれる欠陥による誘電損失
超伝導量子ビットの電場は、基板と金属の界面、金属や基板の表面、ジョセフソン接合の酸化膜などを通ります。そこにあるアモルファスの材料には、原子の配置が2通りの間をゆらぐような二準位系(TLS)の欠陥が多数あり、量子ビットのエネルギーを吸収して T1 を短くします。そのため、基板の洗浄、表面の酸化膜を減らす処理、膜の材料の選択(タンタルなど)、電場が表面に集中しにくい電極の形などが、コヒーレンスの改善に効きます。これは、MOSFET のゲート絶縁膜で界面の欠陥を減らす工夫とよく似た、材料とプロセスの課題です。
- A. 非調和性が大きいほど、|0⟩と|1⟩の間の遷移だけを選んで操作しやすくなります。T1 を短くする要因ではありません。
- B. アルミニウムは約1.2 Kで超伝導になり、10 mK程度の動作温度より十分高いので、問題なく超伝導状態になります。
- C. 正しい。表面や界面の欠陥を減らす材料とプロセスの工夫が、T1 の改善に効きます。